ハナスキの散歩で見た花

みんなの花図鑑から移転して来ました。散歩道で出会う四季折々の花を撮っています。

余命一年の宣告からの記録(2)

2019-01-12 00:55:03 | 日記
8月30日 皮膚科
紹介状をもらって、総合病院の皮膚科に行くと、皮膚科の医師が患部を見て、カメラで撮影し、診断の為組織の一部を採取し、血液検査とCT造影検査と頭部MR検査を受けるよう指示されました。

9月6日 皮膚科 
皮膚科担当医の診断
採取した組織の診断から「胸部有棘細胞癌」と診断し、次回切除手術を行う事と、その手術のプランについての説明がありました。

手術のプランとしては、患部のまわりに数か所局部麻酔を注入し、悪い所を残さないように周囲を6ミリぐらいずつ余分に切除し、大腿部から健康な皮膚を採取して来て切除した部分に移植する、というものでした。


9月14日 皮膚科 入院 切除手術
指定された日に行き、手術前にCT検査をすませ、皮膚科に行き、ストレッチャーに寝かされ手術室に入りました。

手術は若い医師と年配で経験豊かそうな二人の医師によって行われ、施術したのは若い方の医師でした。
局部麻酔なので、二人の会話はよく聞こえ、「上手くいった」とか「きれいに出来たね」とか、気軽に会話を交わしながら進めて行くのが良く聞こえました。

最終の縫合の段階で若い医師は「老人の皮膚はよく伸びますね」とか言いながら、三方から皮膚を引っ張ると、大腿部からの皮膚の移植をしなくても傷口の縫合が出来て、年配の医師が「上手く行ったね」と若い医師を褒め、ねぎらっていました。
という訳で、大腿部にもう一つの傷を作らないですみました。

大した手術ではなかったのですが、麻酔を使ったので、まれに数時間後に異常な反応が現れ、危険な状態になる事があるという事と、その後、経過を見る為に二日入院し、9月16日、退院となりました。


9月25日 皮膚科 抜糸と結果説明
抜糸の後、CT造影検査の結果、右肺に影があるので呼吸器科で見てもらうように指示され
ました。
皮膚科はその後、異常や再発がないか、毎月一回の経過観察をする事になりました。

CTを読影した医師の所見
剣状突起の右寄りで限局性の皮膚の肥厚が見られます。皮膚癌に矛盾しません。
右中葉末梢では硬膜に広く接して径27×15mm大の辺縁不整な結節影を認めます。炎症性結節の他、原発性肺がんの可能性もあります。
中葉舌区辺縁には陳旧性炎症変化と思われる線状影が散在しています。
その他、肺野に異常影を指摘できません。
両側肺尖部で軽度の胸膜の肥厚と石灰化が見られます。陳旧性炎症性変化と思われます。
胸水は認めません。
その他、腹部臓器に異常所見を認めません。
少量の腹水が見られます。
有意な大きさの腫大リンパ節を認めません。
粗大な骨転移病変を認めません。

診断
右中葉結節影;原発性肺癌の可能性あり。
陳旧性炎症性変化。
少量腹水。

9月26日 呼吸器科 血液検査、呼吸機能検査、Ⅹ線、
呼吸器科の指示に従って、血液検査、Ⅹ線検査、呼吸機能検査を行った後、癌の可能性が高
いとしてPET検査を受けるよう指示されました。

9月28日 PET検査
PET検査は放射性を含む液体を血管から体内に注入して、癌があるとそこへ集まる性質が
あり、撮影するとその部分が赤く写る。これは癌を確定するための検査として高く位置付けられています。
幸い、肺以外は発見されませんでした。

10月6日 呼吸器科
今迄の検査の結果から癌の可能性がとても高いとの診断が下され、患部の状況を細かく診
るためか、またCT造影検査を受けるよう指示されました。

10月10日 呼吸器科 CT造影検査
CT造影検査の後、医師から説明があり、
癌にもいろいろな種類があって、治療に当たっては、どんな種類の癌かを特定する必要があり、その為に気管支鏡検査を受ける事になりました。

10月12日~10月13日 呼吸器科 入院、 Ⅹ線造影検査、気管支鏡検査
点滴注射をして、Ⅹ線造影検査をした後、喉頭部を麻酔、酸素吸入をしながら気管支鏡検査を受けました。麻酔をしたので、一日入院です。


10月19日 MR造影検査
頭部への転移の可能性が高いので、MR造影検査をすることに。
朝食am9:00までに済ませ、14:00、30分前までに病院に到着。


10月24日(火)気管支鏡検査とMR造影検査の結果説明
MR検査の結果、頭部への転移はなし。
気管支鏡検査の結果、医師の見解、今後の治療方針は次の通り。

担当医師の診断は、「右肺癌、ステージ4」

気管支鏡検査の結果、悪性所見は認められなかった。
しかし、画像上は肺癌が強く疑われ、目的の場所の組織が得られなかった可能性が高い。
また、右胸水を認めており、ステージとしては4になる。
ステージ4となると、治療は手術や放射線は出来なく、抗がん剤治療となる。
年齢も考えると、使える抗がん剤も限られてくるし、抗がん剤の副作用により逆に全身状態が悪くなる可能性も十分にある。
また、抗がん剤治療を希望するならば、癌の種類により治療法が異なるので、もう一度気管支鏡検査を行う必要がある。
治療を希望しない場合は、今後症状が出た時に対照的に症状緩和を行っていく緩和的な治療が中心となる。

以上が担当医から受けた説明と渡された病状説明書の内容です。

生存率一年50%の宣告。
「痛くも苦しくもないのに肺がんのステージ4なんて有り得るのだろうか」との思いから、「気管支鏡検査とは実際に気管支鏡で患部を見ながら組織の一部を採って来るのに、別の場所の組織を採って来るなんて事があるのでしょうか?」と聞くと、「胃カメラと違い、管も細く、胃は中が空洞の臓器であるのに対し、肺の内部は酸素を取り込むための組織がある為、目的の患部に到達するのも難しい」との答弁でした。
「先生、生存率とか余命とか聞きますが、ステージ4はどのくらいでしょうか」と聞くと、
「一年が50%」と答えました。
そして、「緩和ケアセンターの予約を入れておきます」との事でした。

私としては、「気管支鏡検査の結果、悪性所見は認められなかった。」との冒頭の一行目の
文面に期待し、癌ではない事を強く望み、希望を託しました。

この日は、種々の検査のあと、最終的な診断が出されるという事で、
妻が同行していたのですが、「余命一年が50%」と聞いた時点で、
頭が真っ白になって、他の説明は何も覚えていないと言いました。

10月31日 呼吸器科 家族に説明
子供達と共にもう一度医師から直接説明を聞きたいと言う妻の希望で、
予約を入れて、長男、長女と共に病院へ行きました。

医師は「病状は肺がんのステージ4、ステージ4の根拠は少量の胸水が見られる事。」
と説明し、私が「ステージ4と言えば末期がんですよね。不思議なことに全然痛みも苦しも
無いのですが」と医師に訴えてみたのですが、判定は変わりませんでした。
そして今後の治療方針としては、手術は年齢的に見て体力が持たないだろう。
抗がん剤治療は副作用が強く、今痛くも苦しくもないなら、むしろ体力を落とす可能性がある。
以上を考えると、このまま経過を見ながら、もし痛みや苦しみが来たら入れるように緩和ケ
アセンターに予約を入れておきます。という事でした。

私としては苦しくもないのに手術だの、抗がん剤の服用などやりたくないので、医師の方針に安堵し、全面的に賛成して、「先生是非その方針でお願いします」と言いました。

あとで、家族には「ステージ4の癌で、こんな痛くも苦しくもないなんて考えられない。医者の誤診だ。心配するな。一年経ったら笑い話にしてやる。」と言っておきました。

強気で笑っていた反面、「医師は何人もの患者を診て来ての上での判断だから、今は何ともなく元気だけど、ある時、急に具合が悪くなり、あっという間に体調を崩し、緩和ケアセンター行きになる事があるのかも知れない。」と言う心配も頭の隅に存在し、拭い切れませんでした。

それからは癌とはどういうものか、インターネットで調べ始めて、いろんな治療方法が開発されている事も分かりましたが、何分高額な治療費がかかるのが殆どです。

癌とは健康な人でも日常的に発生する異常な細胞が免疫の力で消滅されているのですが、免疫力が弱くなって抑えられなくなり、癌細胞が異常に増え続けてしまうからで、免疫の力を弱めない事が癌から身を守る大切な事だと言うことを理解しました。

免疫の力を落とさないためには、ストレスをためない、身体を冷やさない、睡眠時間をしっかりとる、栄養のバランスをよく食べる、等、振り返ってみると、反省すべき点が多々あったと思いました。

特別のお金のかからないこれらを守る事で免疫力を高め、病気に打ち勝つ、と心に決め行動することにしました。

まず、睡眠時間をしっかり確保するために、夜寝るのが遅いにも関わらず、翌朝早く起きて
公民館で行われる午前中のサークル活動を思い切ってやめる事にしました。
次に体温を高めると癌細胞が死滅するときいたので、いつも通っているスイミングプールでのジャグジーバスやサウナで、のぼせない程度で体温の高い状態を長く保つよう心がけました。
次にストレスを貯めないように、心を穏やかに保つように心がけ、無理して他人に合わせることなく、自分ファーストのマイペースで行く事にしました。
そして栄養バランスの良い食事に気をつけ、風邪ぐらいでもひかないように十分な注意をしました。

毎日毎日、穏やかに一日を過ごせ眠りにつく事が出来た日は感謝し、朝気持ちよく目覚める事が出来た時、今日も無事に目覚め、生きていることの実感に感謝し、嘗てない喜びを感じました。

一方いつ来るか分からない終末に備えて、何をするべきかを考え、
断捨離を初め、終活を始めました。

11月6日 呼吸器科 血液検査、Ⅹ線、CT検査
一か月後の月例経過観察は状況変わらず。

11月28日 呼吸器科 前採血、Ⅹ線、CT検査
二か月後の月例経過観察も状況変わらず。
気管支鏡で採った検体の培養検査の結果、抗酸菌が検出されたとして、非結核性抗酸菌症の
疑いが浮上しました。

病状説明書の内容
気管支鏡の検体の培養検査から、抗酸菌(Mycro.kansasii)が検出された。
PETの検査等を考えると、やはり肺癌の可能性はかなり高いが、抗酸菌による影、胸水も否定は出来ない。
検出された抗酸菌は結核菌の仲間ではあるが、一般的には人には感染しない菌であると言われている。
治療としては、抗結核薬を内服する。
内服の治療を行い、縮小すれば癌ではなく抗酸菌の可能性もある。
抗結核薬の副作用としては肝機能障害や皮膚、聴力障害、しびれなど様々ある。
治療を開始してから黄疸や食欲不振などの症状を認めれば、副作用の可能性もあるので病院へ連絡をお願いします。

新たに非結核性抗酸菌症と言う名が浮上して、治療としては三種類の抗結核薬を内服するとのことでした。副作用は上記説明書の内容通り。今何でもないので、副作用が怖くて私の方から希望して服用しないで様子を見る事にしました。

12月19日 呼吸器科 前採血、Ⅹ線
三か月後の月例経過観察、状況変わらず。
状況が変わらないので、被ばく量の多いCT検査はしばらく止める事になりました。

毎年沢山書いていた年賀状には、まさか肺がんのステージ4とは書けないので、今年80歳
となりました。そろそろ終活に入りますので、今回をもって賀状の交換は終わりとさせていただきます。と書き添えました。

2018年
1月16日 呼吸器科 前採血、Ⅹ線
四か月後の月例経過観察、 状況変わらず。


2月13日 呼吸器科 前採血、Ⅹ線、CT検査
五か月後の月例経過観察、三か月ぶりのCT検査の結果、肺の影が半分に減少。担当医師か
ら「良かったねぇ」と言われ、努力が実ったと、心から嬉しく思いました。
先生に「肺がんでこのように影が半分になる事がありますか?」と問うと、「ありませんね」
と答えました。
担当医師が転勤になると言い、「後継者に申し送っておきます」と言い、次回経過観察は3
か月後となりました。

5月8日 呼吸器科 担当医師交代、 前採血、Ⅹ線、CT検査
月例経過観察、肺の影、大きさ変わらず。

新しい担当医師が「前任者から引き継ぎを受けています。今日の検査結果からはやはり肺癌
の可能性が濃厚です。」と言いました。
しばらく病状の質問や説明のやり取りのあと、また「肺癌でこのように影が半分になる事が
ありますか?」と聞いてみたところ、「ありませんね。」と前言に矛盾した返答をしました。


CT検査のⅩ線被ばく量はⅩ線検査の100倍ぐらいなので、次回は2019年5月に予定す
る事になりました。考えてみると、何回も受けたCT検査で相当量のⅩ線を浴びた事になり、
こちらの影響による弊害も心配になりました。
私としては五か月目の検査の結果、影が半分になっていたので、この日晴れて全快の診断を
期待していたのでとても残念でした。
でも次回検査まで全快に向けて頑張って行こうと気持ちを新たにしました。


10月24日 
この日で、余命一年の宣告から一年が経過しました。体調は相変わらず痛くも
苦しくもなく、私としては身体にいい事、免疫力を強める事に努めながら生活を続けている
ので、早く全快の診断が聞きたくて、来年の5月がとても待ち遠しい思いです。

2019年
5月8日 呼吸器科11:30~12:00 前採血、Ⅹ線、CT検査 予定

6月11日 皮膚科 再発が無いかのチェック。予定

余命一年の宣告からの記録(1)

2019-01-12 00:36:20 | 日記
余命一年の宣告からの記録
昨年(2018年)、一昨年(2017年)は忘れる事の出来ない悩み多い年でした。
医学が進歩したとは言え、まだマニュアルから抜け落ちていたり、足りない部分があるのではないかと言う思いを経験したので、記録しておくために書き留めてみました。

事の起こりはこうです。
一昨年、2017年、7月ごろ、以前から気になっていた胸の中央の凹みに出来た奇妙な突起物です。直径2ミリぐらいの小さな突起で先端が白っぽく、角質化していて触っても痛くもなんともありません。

幸い胸の凹みにある為、下着にも触れず、気にもなりませんでした。
何か月か経って、少しずつ成長して直径は2ミリぐらいで変わらず、長さが5~6ミリになった頃、いつも通っているスイミングプールで足から飛び込んだ時、胸の突起物に下から水圧がかかり、瞬間チクリと痛みを感じて、その突起物が根元からとれてしまいました。

傷跡を見ると直径2ミリほどの小さな傷があり、少し血がにじんでいましたが大した量でもなかったので、むしろ変なでっぱりが取れて、この傷が治ればさっぱりすると、かえって良かったとさえ思いました。

ところがその後、傷口がまた白っぽく角質化し、再び少しずつ成長してきました。
また長さが4~5ミリになった頃、少し痛みとかゆみを感じ、根元の周囲、径1センチぐらいの範囲が赤くなっていました。

大した事ではないと思いつつ、チクチクするので近くの皮膚科へ行ってみました。
医師はしばらくジーっと患部を見つめていましたが、顔を上げると「処置しましょう」と言い、翌日の午後の時間を指定しました。

翌日指定された時間に行くと、麻酔もかけずにメスを入れて患部を取り除き、薬を塗ってガーゼと絆創膏で傷口を覆いました。

やれやれこれで傷口さえ治ればそれで終わり、すぐに治るだろうと、医師の指示通りに毎日通って薬とガーゼを取り替えました。
いつも仰向けに寝てガーゼを取り替えるので、傷口がどのようになっているのか自分では見えません。

毎日通院して薬とガーゼを取り替えるだけなので、一週間ほどたった頃、医師に「まだ治りませんか」と言うと、「毎日来るのが大変なら自分で薬を塗りガーゼを取り替えなさい」と薬局で貰う薬を指定しました。

医師の指定した薬を薬局で購入し、また一週間ほど自分で薬とガーゼを取り替えましたが傷口が治る気配がありません。さすがに不振に思い、何か質の悪いものではないかと医師に聞くと、「紹介状を書くから○○病院へ行ってみて下さい」と言われました。
ここまでが近所のクリニックでの経過です。

○○病院は県立の総合病院で、混雑を避ける為、町医者の紹介状なしでは診てもらえません。
どうしてもと紹介状なしで見てもらうと、初診料を5000円以上払わなければなりません。