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前頭前野を失うと人はどうなるのか

2018年11月19日 | からだ・こころ
 
  

有田秀穂著「脳からストレスを消す技術」


 脳の前頭前野はおでこの後ろにある前頭葉の一部です。



P54「前頭前野を失うと人はどうなるのか」より抜粋

 その人が損傷したのは、前頭前野だけでほかは無傷でした。
 事故に遭われたのは不幸なことですが、この人に事故の前に比べてなにかできなくなっていることがあれば、それが前頭前野の働きだということがはっきりします。発達した前頭前野を持っているのは人間だけなので、その部分がどのような働きをしているのかということは、動物実験で調べることができません。そういう意味で、このケースは、医学的にとても重要な症例なのです。

 事故から回復した時、その人は一見すると他の人と何も変わったところがないように見えました。言葉もちゃんと話すことができるし、きちんと歩くこともできます。食事も自分でできるし、排泄もできます。
 しかしたった一つだけできなくなったことがありました。
 それは「社会生活」です。

 具体的にいうと、その人は他人との社会的コミュニケーションがとれなくなってしまっていたのです。
 私達は普段、人とコミュニケーションをとるとき「言葉」を使っています。そのため、言葉から相手の思いを汲み取っていると考えがちです。 
 でも、そうではないことをこの症例は教えてくれています。
 なぜなら、この人は言葉をちゃんと話すことも、相手が話している内容も理解できたのに、相手の思いをきちんとくみ取ることができなかったからです。

 実は、私たちは人とのコミュニケーションをとるとき、無意識に相手の仕草や表情、声のトーンなどから、その人の心を読みとっているのです。
 この人が社会的なコミュニケーションがとれなくなってしまったのは、その「言葉ではないものから読み取る」ということができなくなってしまっていたからでした。

 その他にも、この人は意欲を持ってテキパキと仕事をこなすということもできなくなっていました。つまり、人間関係の中で自分をコントロールしながら生きていくことができなくなっていたのです。

 これによって、前頭前野は、人間が社会の一員として生きていくために必要不可欠な働きをしていることが明らかになったのです。



続いて、著者は、引きこもりと言われている人たちが増えて、前頭前野が失われているわけでもないのに、「ネットを通してなら」外部とコミュニケーションを取れても、人と直接コミュニケーションをとることを嫌がる人が増えているということを心配しています。
おそらくは「彼らは前頭前野の働きが弱っているだけ」なのだから、自覚して改善の努力をすれば回復させられる、ということもこの章の最後に書いています。


 


前頭前野とセロトニンについては、私自身も、気になった情報をメモ的にいろいろ記事にしてきました。
昨今増加しているキレやすい人、ウツになりやすい人の原因も、そんなところにあるのではないかと思っています。
前頭前野(=共感脳)が弱った人達が増えてくれば、人間の社会は混乱します。


 


先日のモーニングショーで中国の「暴れ小熊」と呼ばれる傍若無人ぶりが尋常でない子どもたちを特集していました。
マンションからブロックを投げ落とす、観光客を突然川に突き落とす、自動販売機を壊してジュースを飲む、
中国という国柄と親の躾の問題もあるでしょうが、加えていうなら、こういう子どもたちは、共感脳と呼ばれる前頭前野の働きがちゃんと機能していない、極端に下がっているためではないかと私なんかは思ってしまいます。

日本よりも早く電子社会になった中国においては、小さな商店での買い物もスマホ決済が普通になっています。
生まれたときから成長期に当たる時期に、子どもたちがこれらにさらされていることで脳や体にどんなストレスがかかっているのか、なんの確証も理解もないまま電子社会、AI社会は加速がかかっています。

詳しくは、以下の関連記事にあります。


スマホ操作をしている時の脳活動を計測すると、前頭前野の働きは低下しています
スマホは脳の機能に害があるby東北大加齢医学研究所所長

体罰や暴力で子供の前頭前野の働きは下がります
親の体罰、暴言、DVの目撃で子の脳機能が萎縮・変形

読み聞かせは親子の脳を活性化させる方法の一つ
ジアタマを鍛える・読み聞かせで親子の脳が活性化

前頭前野の活性化している人は、顔つきでもわかります
選挙を「共感脳」から考えてみる

手拍子をとりながら歌を歌うなど、軽く楽しいリズム運動などで前頭前野は活性化します。
軽い運動で脳の前頭前野が活性化

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