私が所持しているアルバムの中から第65弾として、入門される方にお奨めする2枚を選びました。ケリ-ブル- / ア-ト の順です。
タイトル/アーティスト名 /アルバムデータ /ミニレビュー の順です。
1.ケリ-ブル- / ウィントン・ケリー / 1. ケリー・ブルー 2. 朝日のようにさわやかに 3. オン・グリーン・ドルフィン・ストリート 4. 柳よ泣いておくれ 5. キープ・イット・ムーヴィング 6. オールド・クローズ 7. ドゥ・ナッシン・ティル・ユー・ヒア・フロム・ミー (ボーナス・トラック) 8. キープ・イット・ムーヴィング (別テイク) (ボーナス・トラック) / ナット・アダレイ(cor)ベニー・ゴルソン(ts)ポール・チェンバース(b)ウィントン・ケリー(p) ジミ-・コブ(ds) ボビ-・ジャスパ-(fl)
「ケリー・グレイト」「ケリー・アット・ミッドナイト」「枯葉」などの名盤がウイントン・ケリーにはあるが、やはりケリーの代表的なアルバムの一ひとつだろう。まず冒頭の「ケリー・ブルー」は美しい一曲だが、最高のミュージシャンとのコラボレーションで構成された、この曲だけでも価値があるアルバムだと思う。軽快だけどブルージーで、これぞジャズ・ナンバーというような名曲です。
2.アート / アート・ファ-マ- / 1. ソー・ビーツ・マイ・ハート・フォー・ユー 2. グッドバイ、オールド・ガール
3. フー・ケアズ 4. アウト・オブ・ザ・パスト 5. ヤンガー・ザン・スプリングタイム 6. ザ・ベスト・シング・フォー・ユー・イズ・ミー 7. アイム・ア・フール・トゥ・ウォント・ユー 8. ザット・オールド・デヴィル・コールド・ラヴ / アート・ファ-マ-(tp)、トミー・フラガナン(p)、トミー・ウィリアム(b)、アルバ-ト・ヒース(ds)、1960年9月21~23日に録音
ファ-マ- の生涯の代表作に掲げられる人も多いワン・ホ-ンの名盤です。クリフォード・ブラウン、リー・モーガン、フレディ・ハバードなどよく謳う奏者がその典型だが、しかし一方、ケニー・ドーハム、マイルス・デイヴィスやこのアート・ファーマーのように高らかに謳いあげず、音を選び、どちらかと言えば穏やかでリリカルな演奏を得意とする奏者もいて、トランペットに限らず日本人は特にこの手の奏者を好む。
”陰翳の美" を高く評価し、楽器は鳴らせばいいというものではないと言い、最小の音数とデリケートな奏法でトランペットのもう一つの世界を提示する名人芸を我々は愛でるのである。そういう奏者の芸が最も発揮され、また聴き手が楽しめるマイルスのPrestige諸作やこの「Art」(1960) のように他の管に影響されないワン・ホーンでの演奏もまた、格別である。