木村伯龍のひとり言

大阪のミナミはアメリカ村の占い師の日記

欲は身を食う!

2007-10-26 22:37:01 | Weblog

私がまだ占い師になる前のお話ですからずい分前のお話です。
ある山辺の村で、お父さんが亡くなり、母と兄弟二人が残されました。幸いな事に兄弟は結婚していて別世帯を持っていたのであまり慌てる事は無かったのですが、財産分与の事で兄が仕切り、お墓の世話と母親の面倒見るという事で、兄は家と道路の整備された土地を貰いました。弟はというと、山奥の畑と不便な山奥の土地を貰いました。兄は、母親の面倒見ると言っておきながら、奥さんと合わない母親を弟に押しつけてきました。弟夫婦は嫌な顔もせず面倒を見ましたが、母親も父親を追うように三年で亡くなりました。
母親は兄ばかりに良い土地や畑を与えた事に少し悔いを残していましたが、弟夫婦はあまり気にしていませんでした。兄は親の財産を元手でビルやマンションを建て人に貸すようになりました。弟は、親から貰った土地に草が生えてはいけないということで、よく草取りをしていました。(ずい分差のある話ですが・・・・)
ある日の事です。弟の会社が不渡りで倒産するかもしれないという事で兄に相談すると、お金は有るくせに「貸せない!」と言い、「金を借りに来られては迷惑!」とも言って追い返しました。弟は泣き泣き家に帰ると、友達や仲間が待っていて、お金を出し合って助けてくれました。
・・・しばらくしてバブルが弾けて、兄の土地や建物の資産価値が見る見るうちに下がって、結局三分の一程になってしまいました。ローンがまだ残っていてその支払いに苦慮するようになっていました。弟は、苦しい時を乗り切って何とか友達や仲間に少しずつ返済が出来るようになりました。
そんな時、弟の所に道路公団の人が来て、「お宅の土地が高速道路にかかりますので、買収に来ました」と言って、高い値段で買い上げていきました。弟は友達や仲間に返済をして、逆に友達に融資もして助けました。兄は高速道路が山の上の方について新しい道が出来ると、兄の立てたビルやマンションは不便になって人が入らなく成りました。銀行の抵当に入り、結局払えないということで競売にかかりました。兄は他にも借金があったので急にいなくなりました。弟は、お金がいっぱいあるのでそれを安く買って手に入れました。
・・みんながその時言ったのです、「兄も欲張らず財産を平等に分けていれば今頃お金も信用も失わずに済んだのに!」


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