以前、「納得いかないお話!」をしましたが、今回は逆のお話。
ある中年のご婦人が来られて、相談を受けました。とても真面目そうな方で、私らとは違い、ずいぶん真面目に生きて来たのだろと思う所が、いたる所ににじみ出ていました。
「先生、どうしたら良いのでしょうか?」と言う質問をされたので。それでは分らないので、「どういう相談ですか?」と聞き返すと「実は、私は公務員で主人も公務員でした。二十四歳の時にお見合いで結婚しました。男の子三人生まれて、三人とも結婚して、一戸建ての家も買って、孫も生まれて幸せに生活しています。みんな良い子です。私は、定年後は主人と世界各国を旅行して余生を楽しんで暮らすつもりでした。ところが、私が、先に定年になり、後は主人が定年になるのを待っていました。主人は役職もあり、私より二年仕事がありました。そして、ついに定年になり、さあ~!これから、楽しもうと思った矢先です。脳梗塞で亡くなりました。定年後、二ヶ月目です。子供らは、私を必要とはしていないし、かといって老後に向けて趣味などもあまりしていませんでした。これから、どうして行けば良いのでしょうか ?」と相談です。
私は、すぐに「再婚しなさい!」と言いました。すると、大きく驚いて「そのような事は、考えてもいませんでした。」と言うので「それなら、今から考えなさい!」と言いました「そんな事は考えられません!」というので「貴方は、今、何歳ですか?」 と聞くと「六十二歳です。」と言うので「これから九十二歳まで生きたら、後何年あるか分りますか? 」・・・「三十年ですよ!」と言いました。「三十年腐って生きる訳には行かないじゃないですか!」と強く言いました。すると「でも、主人が!」と言うので「御主人は死んで帰っては来ません!」と言いました。すると、「そのような事は、考えてもいませんでした。」と言うので「それなら今から考えなさいよ!」と言いました。「でも主人が!」と言うので「御主人が、なまじか帰って来たら、私を置いて出ていたくせに、何を今さら、出てきたのだ!と文句を言えばよいし、出て来るはずもないです」と言いました。
「旅行に行くのにも、映画や舞台を見るのにも、食事をするのにも、同じ気持ちでしゃべれる人が貴方には要ります!」と言いました。あっけに取られて、帰りましたが。
ちょうど、半年たって来られました。そして、「今三人の人とお付き合いしていますが、どの方が、一番 私には相性が会うでしょう?」と聞かれたので、この方ですと、三人の中から、指差すと「私もその方が、一番好きです!」と言って帰っていきました。