今だから…昭和さ ある男のぼやき

主に昭和の流行歌のことについてぼやくブログです。時折映画/書籍にも触れます。

我が愛しの芸者歌手たち・赤坂小梅

2006-07-04 04:16:41 | 我が愛しの芸者歌手たち

「我が愛しの芸者歌手たち」、第3弾は「赤坂小梅」です。
ビクター(市丸)テイチク(美ち奴)と来てますので、第3弾はコロムビア(小梅)で参ります。
(勝太郎は「勝太郎くずし」が手に入り次第、取り上げたいと思います。)

さて、まずは赤坂小梅のプロフィールを御覧下さい。

赤坂小梅(1906~92)
本名:向山こうめ。
九州は福岡県北九州小倉地区の生まれ。
九人兄弟の末っ子で、出生10日目にて母が逝き、35歳年上の長姉の手によって育てられる。
花街の近くに住んでいたため、そこから聞こえる三味線の音や歌声を子守唄代わりに聴いて育った。そのためか、幼少時から芸事が大好きだった。
そして、ついに16歳のときに、家族の反対を押し切り、小倉の旭検番から「梅若」の名で初座敷と相成る。
昭和4年、小倉を訪れた中山晋平・藤井清水・野口雨情らが、料亭「津田倉」で梅若の歌声を聴き、その美声に驚く。
そして、梅若の才能を認めた藤井の紹介で、ビクターで「小倉節」など新民謡数曲を吹き込む。
昭和6年には上京。後援者清水作之助の紹介で、赤坂若林から「小梅」と名乗って、お披露目となり、鶯芸者として鳴らすことに。
昭和8年3月、藤井清水と共にコロムビアへ入社し、5月に「ほんとうにそうなら」でデビューし、一躍スターダムになる。
昭和9年にも「そんなお方があったなら」をヒットさせ、その人気は不動のものに。
その名声を生かしながら、各地の民謡を吹き込んでいく。
小梅は民謡と言うジャンルを一般化したパイオニア・功労者とも言える。
小梅によって全国区となった民謡は数多いが、一般受けしやすいように小梅流に歌いなおしたモノゆえ、地元から不満の声があったものもある。
小梅によって全国区になった民謡は「おてもやん」「そろばん踊り」「小諸馬子唄」などがあるが、何といっても一番は黒田節。
「黒田節の小梅か、小梅の黒田節か」とまで言われた。数十年間、コロムビアの民謡部門の売り上げベスト10に入っていた記録もある。
戦後は流行歌の吹き込みは減ったが、民謡・俗謡の吹き込みは続き、その筋の人気は衰えることを知らなかった。ステレオ時代になっても積極的に吹き込んでいる。
日本酒を一晩に三升呑んでも大丈夫というほどの酒豪で、マージャンは下手の横好きの典型、他人の悪口は決して言わず、 おおらかで太っ腹な性格であった。
芸者としても岸信介や佐藤栄作など著名人のお座敷も務めたほどだった。
昭和49年、紫綬褒章受賞。昭和55年、勲四等宝冠章受賞。
酒豪が祟り、内臓が滅茶苦茶だったらしく、昭和54年ごろから肺炎・白内障・糖尿病・腎臓を立て続けに患った末、右足を骨折。2年の闘病で20キロも痩せた。
そのため、昭和56年4月21日、東京三宅坂・国立小劇場での「芸能生活60周年・歌手生活50年 感謝引退記念公演」を最後に一線から身を引く。
港区麻布の、長谷川一夫邸の真ん前にあった自宅も引き払い、養女(長兄の子)と共に千葉県館山市布良の安房自然村に引っ越す。
そこで養女に身の回りの世話をしてもらいながら「小梅民謡教室」を開くなどしていたが、数年後脳梗塞で倒れたため、歌は止め、リハビリに励んだりしていた。
平成4年1月17日、85歳で逝く。




小梅姐さんというのは流行歌というよりは、民謡や小唄・端唄などの方です。
ですから、歌謡曲好きの方は一寸キツイものもあるかもしれませんね。
でも、良いノドなんです、これが。男性顔負けの声量たっぷりの低音で。
まあ、一度は聴いて損は無いと思いますが…。
そんな訳で、おススメ曲も民謡・俗謡が殆どでございます。


野郎やったね
作詞:和田隆夫 民謡
これの元唄は「常盤炭坑節」です。(♪月が出た出た~ じゃありません)
いわゆるお座敷ソングでして、小梅姐さんが豪快に歌っております。

浅間の煙
作詞:西條八十 作曲:古関祐而
信州民謡「小諸馬子唄」をうまく使った民謡チックな1曲。
小梅姐さんの男顔負けの美声が心行くまで堪能できます。

おてもやん
俗謡
今現在でも知名度が高い俗謡。
熊本の方の民謡でもございますが、これが明治期に花柳界でも歌われるようになり、「熊本甚句」という名で親しまれるように。
小梅は昭和11年に吹き込んでいたが、戦後、再発売の特需景気の頃に人気となり、全国区の民謡(俗謡)となっていく。
リズミカルな曲で、ある意味ではラップなんかの元祖とも言える。


黒田節
福岡民謡
赤坂小梅といえば、この曲です。
小梅のすべてが詰まっていると言えなくも無いですね。
とにかく、男らしく豪快な小梅ボーカルの真骨頂。
その昔、結婚式でこの黒田節を舞う年寄りは必ずいたものです。
その重厚さは聴いていて、思わず聞き惚れますが、民謡に免疫が無いとキツイかも(゜゜;)

そろばん踊り
作詞:石本美由紀 福岡民謡
久留米のほうの民謡です。
なかなかコミカルな、久留米の機織り娘の恋を歌った曲。
台詞入りで、小梅の話し声も聴くことが出来る。
見た目とは裏腹、案外可愛い声をしております(まあ作ってるんでしょうがね)。



※ちなみに小梅姐さんはこういうお顔
ドスコイ

若い頃はもう少し可愛い顔でした。
下が若い頃の小梅姐さん。
貫禄はありますね

歳月は人を変えるものでございます。
以上でこの項を終わりますm(_ _)m

なおこのシリーズ、次は(音源が手に入り次第ですが)日本橋きみ栄を予定しています。芸者系で、リクエストでございましたらドウゾ。
答えられる範囲でやってみます。


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