今だから…昭和さ ある男のぼやき

主に昭和の流行歌のことについてぼやくブログです。時折映画/書籍にも触れます。

宮川泰よ永遠なれ

2006-03-21 22:46:29 | その他

先日、作曲・編曲家の宮川泰センセイが亡くなった。
私にとって、宮川センセイは、紅白での蛍の光でのド派手な指揮者であり、面白い人であり、作曲家なのに唄が下手であり、ズームイン!朝であり…とにかくキョーレツなインパクトを持った人というイメージであった。

初めて宮川センセイの作品を聴いたのは、おそらく「ズームイン!!朝!」のOP曲だろう。♪チャッチャッチャ~チャララララ~チャチャチャ~ン
今もって朝7時はあの軽快なメロディーを聴きたくなる。

…いや、「おもいっきりテレビ」かも知れない。
幼少時、祖父母の家に預けられれば必ず「おもいっきりテレビ」がかかっていたから。「今日は何の日」やCM明けののBGMは記憶にこびりついてるし(笑)

ともかく、「宮川泰」の名を知る前から、センセイの作ったメロディーは頭にすりこまれていたのは間違いない。

そういえば、小学校2年の時に、学芸会で「宇宙戦艦ヤマト」のテーマソングを鍵盤ハーモニカで演奏したこともあった。
全然これが弾けなくて、幕の間に隠れて吹くマネをしていたのを覚えている。

初めて自分で金を出して買ったサントラも、宮川センセイの「ゲバゲバ90分」(と必殺シリーズ@平尾昌晃)だった。
初めて聴いた時は驚きました、だってバラエティー番組でも夕方情報番組でもニュースでもアチコチでかかってるBGMばかり。

私が本格的に歌謡曲に魅せられる前、クレイジーキャッツ・キ○ガイだった時期がありまして(いや、今もかも…)、その時期でした、ゲバゲバのサントラ購入は。
「スーダラ伝説」「シビレ節」「ウンジャラゲ」「これで日本も安心だ!」…。
子供心にも「宮川泰って人はスゴイ」という認識に相成りました。

初めて宮川センセイをテレビで見たのはいつか。どうしてもこれが思い出せない。おそらく01年~02年あたりだと思うのですが…。
いや、「宇宙戦艦ヤマト」がらみのニュースでもっと以前にお見かけしているのかも知れない。
まあ、気がついたら、「宮川泰=面白いジイサン」のイメージが(笑)。
「鼻の穴に500円玉が入る方」(黒柳徹子・談)
…当然、徹子がチャレンジしたことは言うまでもございませんね(笑)。
映像は持ってないんですが、紅白歌合戦で布施明の応援に、曲の指揮を買って出た(というよりザ・ピーナッツの指揮ついでかも)のはいいが、施明より目立ってしまった…なんてエピソードもありますしね、必然かも(笑)。

どっぷり歌謡曲に漬かった今、宮川作品の魅力は何かと考えると、
1 個性的なゴージャスなアレンジ
2 個性的なメロディー
3 親しみやすい

この3つじゃないかと思う。

特に、編曲・宮川泰のクレジットがあると私は興奮してしまう(笑)。
植木等「スーダラ伝説」(平成元年)
ザ・ピーナッツ「恋のフーガ」(昭和42年)
布施明「愛の終りに」(昭和46年)
特にこの3曲のアレンジは私にとって生涯忘れないだろう。もう私の人生を変えたというべき曲だ。
特に「スーダラ伝説」での第九とスーダラ節の融合は、もはや神といえる出来。
(このネタ自体は79年に「ディスコ・ザ・クレージー」で試みられてます)
他にも小林旭「THE アキラ節-マイトガイ・ヒットパレード」(平成17年)の、熱き心」にと「自動車ショー歌」の融も記憶に新しい。

作曲なら、「銀色の道」(ダークダックスも忘れられない。
歌そのものの経験があるだけに、どれだけはげまされたか…。
ザ・ピーナッツの「恋のバカンス」「ふりむかないで」「ウナセラディ東京」は言うに及ばず。西田佐知子「涙がかわくまで」、沢田研二「君をのせて」も素晴らしい。

ザ・ピーナッツと宮川泰、この組み合わせは歌謡界有数のタッグである。
このコンビの作品には、駄作は無い。
「宮川ダアー」と言わんばかりのド派手アレンジはとにかく聴いていて、文句なしに楽しい。もしかしたら、宮川センセイのすべてはピーナッツで出きっていると言っても過言じゃないくらいやりたい放題(笑)。
(園まりの「逢いたくて逢いたくて」は、もとはザ・ピーナッツの曲であることは一部では有名)
それゆえ、「さようならピーナッツ」(TBS)を見たときは、宮川センセイが気の毒で仕方なかった。

普通の作曲家なら、これでオシマイ。
でも宮川センセイはまだまだ活躍していく訳でして、これがまたスゴイ。
ピーナッツ引退の昭和50年の時点では、私の愛する「ズームイン!!朝!」も「おもいっきりテレビ」も「スーダラ伝説」も世に出てませんしね。
77年紅白でのパフォーマンスは伝説の、ちあきなおみ「夜へ急ぐ人」もセンセイ編曲。ちあきの前に歌った三波春夫「三波のハンヤ節」もセンセイ編曲。
晩年の仕事になってしまったが、NHK朝の連続テレビ小説「てるてる家族」も素晴らしい出来であった。あのドラマの魅力の一つである。
…書き出せばきりが無い。

先日無くなった久世光彦(くぜ・てるひこ)氏同様、亡くなる前日まで仕事をしていて、今月末にはライブの予定もあったという、宮川センセイ。
私に宮川センセイは、音楽の楽しさを教えてくれた。
別れの悲しい曲でも、派手なアレンジで悲しみを吹き飛ばせと言わんばかりだった。
アップテンポの曲を書かせれば天下一品だった。
センセイの新しい仕事が、もう見れないのはとても悲しい。
その一方でまだ信じられない、棺桶の中から「ひっかかったね、ドッキリだョ」と出てくるのではないかとも思っていたりもする。しかしそれは所詮妄想である。
センセイは湿っぽいのは好まない方だった。だから私は明るく〆たいと思う。

「シャボン玉ホリデー」のテーマ、のように素敵な夢をありがとう、と。


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1 コメント

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やった~ (ひばり吹雪)
2006-03-25 21:10:21
始めまして。4月で小6になる演歌好き。投稿者さんは何歳ですか?自分は現在11歳の大阪育ち也。じゃあ,このハンドルネームの意味もわかりますよね・・・
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