一句鑑賞

小鳥来る

ちょっと考え事をするとメモを持ってても見ない。というわけで、お味噌を買うのを忘れました。それで味噌汁を作ろうとしたんだから情けない。

最近はこういう事態に遭遇しても、仕方ないかと軽くスルーするようにしている。以前は自ら老込む、間違い、追い込む風だったが変われば変わるもんだと。

 

台風が過ぎての連休から今日まで忙しく仕事してました。明日明後日とオフで、買い忘れたものを中心に消耗品の補充に走り回ります。それと断捨離の続きを・・・

忘れる事の一つに、同級生の名が出ません・・・午前に郵便局へ歩いてますと同じ方角へ行く女性から笑顔で「こんにちは」・・・一応は笑顔でこんにちはと返しますが、お顔に記憶があるのだが、誰だっけと心の中で(-_-;)。中学同級の〇〇ですよ、とまで言われて数秒、「あぁ、ごめんなさい」。どうもいけませんなー・・・味噌を買うのを忘れるぐらいに、頭の中は忙しい?いやボンヤリと平穏になってるのか?

 

小鳥来る・・・秋の季語ですね。10月上旬から下旬にかけて渡ってくる、尉鶲や連雀、花鶏、鶲、などなど。それから山地から平地へと降りてくるカラ類もですね。これらの鳥が飛び交う景はいかにも秋らしい。と歳時記にあります。

蕪村の句を・・・

小鳥来る音うれしさよ板びさし

この「板びさし」にぴんと来ないと句の鑑賞はできませんね。窓や濡れ縁の上に数十センチほど出ている庇、薄い板を張っただけの簡素なものでしょう。その上を小鳥がカサカサと動いている足音が聞こえるのです。その音が嬉しいと。

わが家の洗濯干し用に出しているビニールトタン(っていうのかな)の上にもいろんな音がします。猫の恋の季節には走り回る音や、カラスがわがもの顔で歩き回る音。夏場にはトタンの下側に入り込んで出れなくなったトンボの羽音。小鳥の軽やかな足音はあまり聞けません。

蕪村さんは小鳥のそのか細い足まで見えているのでしょうね。

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