ガイド日誌 - 北海道美瑛町「ガイドの山小屋」

北海道美瑛町美馬牛から、美瑛の四季、自転車、北国の生活
私自身の長距離自転車旅
冬は山岳ガイドの現場をお伝えします。

DAY43-44 チャリダーは「ねったぼ」に感動する。延岡-宮崎-都城 『日本列島縦断チャリの旅2020』

2020年12月14日 | 自転車の旅 国内


猫の目みたいな信号機をよく見かける。
気になる。


延岡市は川の町。
特に五ヶ瀬川はいい。
名前もいい。


延岡から南へ走っていたら、
ととろ。

以前もココで写真を撮ったが、そのときは周囲に多くの駅利用者の方々がいて、容赦のない冷たい視線を一身に浴びて爆死した。

あらいやだ、また観光客よ
やーねえ。
となりのトトロを連想しちゃってんだよ。ははっ。
メルヘンしてんじゃねーよ。

みたいな。笑


普通の駅だよ。
メルヘンじゃないから。

トトロ駅にいくときは、電車の時間を外そう。
じゃないと爆死する。


駅前には、
トトロ利用者の自転車が並んでいた。


国道10号は日向市に。
ちょっと南国っぽくなってきた。


延岡ー宮崎の中間地点、
日向の道の駅でメシ食う。


あら?
ついてきたのか?


宮崎県はいま大変そうだった。


宮崎市の手前、
「佐土原」からは国道10号が高規格バイパス化するので旧道の県道10号をいく。


県10の様子。


宮崎市街地は自転車道区分けがされていて、割と走りやすい。


翌朝は都城へ。
国道10号は山間部を走るが、難所じゃない。


割と走れる。
特に困るような規制はなかった。


宮崎から都城までは4〜5時間といったところ。
道の駅で、謎スイーツ発見。
さっそく味見だ。


「ねったぼ」という。
やたらネチョネチョの食べ物。
アメーバか?


どれどれ
実食。



『うわあ!うめええ!』

叫んだねオレは。

なんだろう。
餅なんだけど、さつまいも。

さつまいもの香り極めてよろしく、
食感も不思議感覚よろしく、
甘さちょうど良く、
きな粉との絡み具合大変よろしく、

要するに、
想像を絶するうまさだったのだ。

見た目から受ける印象を
軽く超越した、大絶賛スイーツだったのだ!

世界進出、アリだと思います!


まさかの、
おかわり「ねったぼ」

「ねったぼ」は、
薩摩地方※の「芋餅」なんだそうだ。
僕ら北海道民の芋餅は、じゃがいも+カタクリ粉なんだけど、
こちらでは、米の餅に蒸したさつまいもをぶっ込んでネリネリ、ネチョネチョとこねくりまわして完成するらしい。
たぶん、その
「こねくり返し」に愛があり、

美味しくなあれ、
美味しくなあれ、

母ちゃんの愛が餅をどんどん旨くするに違いない。

そう思いをはせ、
遠い目をするチャリダーなのであった。


「ねったぼ」は、
道の駅「都城」で買える。

※都城市は宮崎県だけど、
江戸時代まで薩摩藩だった。
言葉も宮崎よりも薩摩に近い。

現在地
北海道美瑛町美馬牛『ガイドの山小屋』から、
約2400km

DAY41-42 チャリダーは「むしか」を目指す。大分-豊後大野-延岡『日本列島縦断チャリの旅2020』

2020年12月11日 | 自転車の旅 国内



俺はサカナを食いたい。
無性にサカナが食いたい。
サカナに含まれるアミノ酸がたまらなく恋しい。

食わせてくれ、俺にサカナを。

それにしても!

もう、コンビニの唐揚げ弁当は飽きた。
1年間は揚げ物は御免被る気分だ!
なんだってスーパーマーケットの惣菜売り場は、ああも揚げ物だらけなのだ?
金輪際、見たくもないわ!(という気分)

そうだ!
延岡に行こう。
うまい魚を求めて。

ということで、
大分から南へ、延岡に向かう。
そこに、うまい魚があるから。

延岡までの区間は山間部が待ち構える。
ここは避けては通れない。
魚のために頑張る。
頑張るよ俺。

大分から延岡までは3ルートある。

①大分-国道10号宗太郎越-延岡
②大分-国道326号三国峠越-延岡
③大分から、佐賀関の半島、臼杵、津久見などを経由して険峻で長い海岸線を行くルート

①は距離が長いが佐伯から先の交通量は極めて少ない。宗太郎峠も山は深いが標高は低い。全線がJR日豊線に沿っている。

②は距離が短縮され道も広いが交通量があり峠は大きく山は深い。国道10号のバイパスとして整備され所要時間は大幅に短縮されたそうだ。

③を選択するチャリダーはまずいないだろう。

まあ、①②どちらも悪くない。
ボクはどちらかというと宗太郎が好きだが、今回も一昨年同様に三国峠越えを選んだ。

どちらも一泊2日だけど、国道326三国峠越えは100km少々なので、
がんばれば1日で延岡に抜けると思う。

今年の俺は②を進む。
大分から三重町までは、
のんびり山里サイクリングだ。
道の駅「みえ」では、
農家のお母さんたち手作りの農家グルメが楽しめる。
「鶏めし」や、ローカルな謎スイーツが楽しみだ。

三重町からは本格的に登りが始まる。

橋梁やトンネルが多く、大型車を中心に交通量もそれなりにあるが、広い歩道があり安心して走れる。
山中トンネル前後が山頂だったかと思う。

あとは延岡に向け北川に沿って気軽なサイクリングだ。

魚が俺たちを待っているだろう。


大分の朝は忙しい。
市街地から15分くらい走れば郊外に出る。


ご注意。よろしく。


ふむふむ、なるほどご注意。


そして突然ですが!


戸次川古戦場(豊臣秀吉の九州平定)を通る。


ご先祖の誰かが眠っているかもしれないと思い、今年も下車して手を合わせた。


分かれ道。
左へ行くと国道10号。


国道326、三重町経由で延岡へ


きれいなところだ。


九州男児な看板


九州男児なお前。


旧三重町(豊後大野市)に入った。


道の駅「みえ」!


ああ、うめえ。
中に栗が。


謎スイーツ。


その名は「痩せ馬」


翌朝、三国峠越えに挑む。


わ!
びっくりしたなあ!もう!


トンネルは多いが広い。


見事な美林だ。


三国峠あたりの旧道
俺の自転車はね、スタンドないの。


チャリダーひとりぼっち


山のなかに立派な橋
道の駅「宇目」あたり


ほほー、立派やな。
じゃ、まずお前が見本みせてみろよ。笑


秋山小兵衛が居そうな。


延岡市内に入った


延岡のスーパーマーケットにて。
魚市場かよ!


うわー!


ひゃー!


ぴちぴち!


買う!買います!


カールも売ってる!


夢にまでみた晩ごはん。
チャリダーチョイス舟盛り!


延岡の神スーパーマーケット
『むしか』

ここは絶対外せない。


ミディアムレアなチャリダー焼。
ひたすら南に向かって走っているから。

ゴールは鹿児島の桜島。
もうすぐだな。



DAV39-40 小倉から中津、別府、大分へ 『日本列島縦断チャリの旅2020』

2020年12月07日 | 自転車の旅 国内



小倉で4泊5日。
この間に気になる箇所は湿布貼りまくり、
もりもり食って整えたつもり。

さあ、たくさん食って休んだのだから、国道10号を南へ出発たい!

この国道は鹿児島が終点でごわす。
とうとうタイムリミットが決まったのでどこまで行けるかはわからんが、行けるとこまで行こう。

小倉はコンパクトながら大都市さながら。
前回iPhoneのMAPに案内を乞うたが、
かえって道に迷い、時間をロスしたので今回は正攻法。
要するに、道路標識をちゃんと見ろよということ。
失敗がない。

すんなり脱出。
のどかな国道10号の旅はじまる。

2時間ほどで航空基地に至る。
いつもは戦闘機が飛びまくるのだけどこの日は静か。

道の駅「おこしかけ」。
お気に入りの店で腹ごしらえ。

やがて黒田如水が築城した中津城が見えてくる。
川を渡ると、もう大分県だ。

中津はビジネスホテル激安地帯。
1000円台で泊まれるし、2000円台で朝食がつく。3000円台なら至れり尽くせり。
要チェックだ。

翌朝は気が乗らないままダラダラと出発。
中津を過ぎ、宇佐神宮を右手に見ながら何も考えずにペダルを踏んでいる。

山香町に入ると徐々に山間部に入っていく。
このあたりは国東半島の付け根にあたる。

ゆるめの峠をふたつ越えたら別府湾のきらめく海が飛び込んでくる。

別府をすぎ、海沿いに気持ちよく走っているうちに大分市に着いた。



小倉の都心部を脱出する。
目が回りそうたい。


標識に従う。


中津、中津と…


都会怖い。


国道10号。
これでよし。


のどかな国道10号の旅が始まる。


お気に入りの店で貝汁を。


「ああ、うめえ!」


中津のお城が見えてきた。


翌朝、ぼんやり走っているうちに
USAに来ちゃった俺。


というお約束的な。


あれに乗りたいなあ。


ゆるく峠道になる。


九州では時々、明治期の石橋を見ることがある。


2個目の峠に向かう。山頂にあるサンリオのテーマパーク「ハーモニーランド」の観覧車が目印だ。


まるで市街地みたいな峠。
ハーモニー峠ともいう。


別府の、


通天閣やでえ!


「ビッグ ペイン シリ、ヒア」
などとFacebookに書き込んだりする。


なんやかやで気がついたらあっさり大分市。


「かんたん」に来てしまった感じだ。
大分市かんたん交差点。


現在地
北海道美瑛町美馬牛『ガイドの山小屋』から
約2150km


DAY34-36 北海道から九州に到達した! 岩国-熊毛峠-小郡-関門トンネル-小倉 『日本列島縦断チャリの旅2020』

2020年12月04日 | 自転車の旅 国内
齢50を過ぎて知る。
広島は三方を山で囲まれていたのか。

広島の東側は広島のマチュピチュ東広島市の空中都市があり、西側には熊毛峠という、身の毛もよだつ峠が居座っている。

熊毛だよ?怖くない?
知らなかったなあ。

岩国からは、またまた未経験ルートを行こうと内陸ルートを選択した。

よせばいいのに。

海沿いルートは、周防大島を眺めながら大島大橋をくぐり、柳井を経由する明るくあたたかく、健康的な海沿いルートである。それをわざわざ外すのはいかがなものか。

そうは思ったものの、一度は経験しておかなければ今後偉そうなことは言えない。

内陸ルートを走り出した。
俺はその先にある危険なトンネルのことも、熊毛峠のことも知らなかったのである。

岩国の町を出てすぐに山がちになる。
県道15号は欽明道路と言われるらしく、県道なれど主要道なみの交通量があり国道2号を外した意味がなかった。
さほど行かぬうちに峠になり、頂上部のトンネルは恐怖構造だった。あのトンネルは2度と御免だ。
あとは徳山まで下りかと思いきや、前述の熊毛峠が立ちはだかる。地味な峠だが名前がえげつない。

防府かどこかの市街地で出会ったお爺さんには、すれ違いざまに耳元でゲップされる始末。

あー、ついてない俺。

小郡に着いたときは冷や汗がすっかり乾いて塩を吹いていた。
岩国から小郡まで100km。荒れた道、荒れた交通、峠と向かい風。自転車には向かない環境だった。
極めてきつい。

さて。
小郡から先はもう障害らしい障害はない。海沿いに国道199号を65kmほど走れば関門海峡。関門トンネルを自転車を押して歩き、向こう側に出たら九州。

関門トンネル出口から、門司港を経由して国道198号で小倉までは1時間もあればいい。
右側に宮本武蔵の「巌流島」が見えているが、工場地帯のクレーンに押しつぶされそうだ。

九州の道は小倉に通ずる、という。

九州に入るとき、出るとき、
何をするにも小倉は便利な町だ。
鉄道でも道路でも、ここからならば、どの方面へもアクセスできる。悪天候にやられても、ここからならば仕切り直しが出来るし撤退も容易だ。

自分は小倉で何泊か旅の疲れを癒したら、
日本列島縦断チャリ旅のラスト、
九州チャリ旅を完遂したいと思うのだ。

小倉到着の翌日、
まずは太宰府天満宮にお詣りに行った。
日本であれ海外であれ、旅をしていても自分は、
父であり、
夫であり、
経営者であることを忘れたことはない。

娘の受験がうまくいきますように。
しっかりお願いをしてきた。

妻や子供たちが永遠に幸せであるならば、
俺の身体など粉々に千切ってサメに食われても全然構わないと半ば本気で思っている。

現在地
北海道美瑛町美馬牛『ガイドの山小屋』から
約2030km



国道から錦帯橋が見えるかも?
見えなかった。


すぐに峠道


チャリダー殺し、欽明路道路の峠トンネル


なんじゃこりゃあ?


小郡(現在の新山口)はもうすぐ


峠ふたつ、走行距離100km、向かい風、
ヘルメットの内側に被る帽子は塩を吹いた。


ワークマンで買ったシャツを着ているから、現場系で働く男たちで混雑する朝メシ食堂のなかで完全に馴染んでいる俺なのだ。


いや、宇部に行くから。


いや、もう騙されないから。
ちなみに190号線宇部経由では65km。
交通量は少ない。


きたきた。関門海峡!


自転車と歩行者はコチラへ


エレベーターでトンネルへ


関門海峡の海底トンネル。
自転車は押して歩く。


九州にキターーーーー!!!!


この写真を撮るのは結構恥ずかしい。


ご褒美に肉1ポンド食う。


小倉の街角に山本太郎。
師走の町は、せわしない。


JRと私鉄を3本乗り継いで、


太宰府天満宮にきた。


お百度踏んで願掛け、というが、
百度といわず何万回もペダル踏んでここまで来た。
だから神様、
どうか!
どうか!
お願いします!



DAY32-33 まさかの広島山地⁉︎を越える 尾道-東広島-広島-宮島-岩国 『日本列島縦断チャリの旅2020』

2020年12月04日 | 自転車の旅 国内
まさか、山越えだったとは⁉︎

尾道から広島方面へは、明るい海岸線を通る呉経由が良い。
呉の旧海軍博物館が楽しみだし、海軍カレーは美味しいし、空は明るく穏やかで、人はあたたかくお婆ちゃんニコニコ、チャリダーもニコニコ。みんな親切だから別のルートを選択する理由もない。

しかし今年の俺は強気だ。未経験の内陸ルート
「まともに国道2号線」を行ってみよう。
とイキったわけだ。

まあ、だいたい想像がつくので今まで避けてきたのだけど、行ってみないとわからないこともある。

そして予想通り、結果は散々で酷い目に遭ったのであるが。

交通量は半端なく、道はデンジャラス。
おまけにヘンテコな誘導まである。
しかも、まさかの峠越えであった。

尾道から三原までは市街地が続く。
三原から竹原へ、徐々に田園風景へと変わっていく。
竹原から先、東広島(旧西条)までは登り坂。峠道。国道2号は上下線がパラパラに分離して山中で絡み合う。自転車は反対車線の歩道に強引に集められて大変な苦行が待っている。逆走車線の細く僅かな歩道は雑草で埋まり、いまにも消えそうだ。消えたら終わりである。その道は上り線専用なので反対側に移ったとしても逆走なので逃げ場はなく、来た道を引き返すしかない。

はびこる雑草をシバき倒しながら怖々進みクリア。東広島の少し東、三永というあたりが山頂だったように感じたが、国道2号のインターチェンジのような地形でよくわからない。

そのあたりでようやく左車線に戻ることが出来た。死ぬかと思った。

東広島市は標高200〜300mの高原都市。広島のマチュピチュだ。

チャリで行くのはどうかしているが、空が広く空気も澄んでいて、住む、暮らす、学ぶには良さそうだった。

駅前のビジネスホテルに潜り込み一夜を明かす。

翌朝、東広島から広島市へはダウンヒル。
狭くて見通しが効かない、路側もほとんどないのに交通量の多い峠道を決死の思いで下っていく。

無事に広島に着いたら心底安堵するだろう。

広島は都会だけど意外と走りやすい。
国道2号を回避するルートもいくつも見つかる。
旧山陽道に沿って宮島へ、そのまま道なりに岩国に至る。岩国の手前で山口県になる。

ううむ。
悪いことは言わない。
尾道から広島へは、呉ルートを選択すべき。
東広島ルートは、
なにもいいことはないだろう。

広島から先はしばらく穏やかな海沿いの道となるから、岩国まで優しいサイクリングになるだろう。

夕方、
岩国のスーパーマーケットで買い物していたら白人さんを何人も見かけた。
そういえば、岩国には米軍海兵隊の航空基地があるな。

現在地
北海道美瑛町美馬牛『ガイドの山小屋』から
約1870km


国道2号を避けていたら、工場地帯に迷い込んだりする。


尾道から、三原、竹原と経由して道は徐々に内陸部に入っていく。


歩道を走っていたら、あーあ。またか。


変な誘導にハメられる。
この歩道を行けと?
二車線とも逆走なうえ、歩道は消えそうな雰囲気。消えたら終わり、向こう側の車線も逆走だから逃げ場はない。変な汗でる。
これを登り切ったら東広島市。


東広島の朝。


このあたりから決死のダウンヒル始まる。


広島市内は比較的走りやすい。
東広島から広島の区間は停車する余裕なく写真ない。


広島市内の西。国道から少し外したら、旧街道みたいな雰囲気だ。


宮島行きの電車に沿って。


完全に迷い込む。


ようやく脱出、安芸の宮島。


山口県に入る。


ずいぶん遠くまできた。