ガイド日誌 - 北海道美瑛町「ガイドの山小屋」

北海道美瑛町美馬牛から、美瑛の四季、自転車、北国の生活
私自身の長距離自転車旅
冬は山岳ガイドの現場をお伝えします。

DAY30-31 温暖だけど、正直しんどい瀬戸内 津山-倉敷-尾道『日本列島縦断チャリの旅2020』

2020年12月03日 | 自転車の旅 国内
日本海側から瀬戸内側に来たとたん、
天気はガラリと変わった。

雨の心配はなくなったかわりに休みなし。

まずは津山から倉敷まで。
特に障害になるものはないが、どうしても県庁所在地の岡山市に吸い込まれそうになるので「岡山市」を避けながらルート選択するのが面倒くさい。

国道53号は国道2号に接続するはるか手前から高規格バイパス化してしまう。
歩道は消えたり側道化されて曖昧になったり、歩道を走ればあらぬ方向に引き離されて?な場所に放り出されたりするから、その都度停止しては現在地を確認しなければならないから非常に面倒だ。
だからといって車道を走ると無理矢理高速道路を走っている感になってしまうから、そもそもしんどい。

だから別の道を探すけど毎回うまくいくわけではない。iPhoneは万能ではなく、結局はチャリダーの勘と経験則でルートを探す。

人口の多い瀬戸内側は、これから先も九州までずっと似たような環境に苦しめられる。

倉敷に着いた。
市街地の、歓楽街の隙間みたいなビジネスホテルに潜り込んで眠り、
翌朝また走り出す。

流れていく風景。
町の名前は変わるけれど、ずっと市街地が続いていてどこまでも印象は変わらない。
クルマや歩行者や段差を気にしながらペダルを漕ぐ。

なるべく国道2号を走りたくないが、いつの間にか吸収されてしまう。

道路は狭い。クルマは多い。
車道も狭いが、歩道もひどい。
地元ナンバーのプリウスに激しいクラクションを浴びる。

クルマの流れが滞っているから、
そのプリウスには何度も追いつき嫌な雰囲気になる。見るからにきつそうな年配女性が運転席に。

私様が通るわよ!ちょっとアンタどきなさいよキキー!

おー怖い怖い。

尾道が近づくと平野が一気に狭くなる。
山が迫ってきて、並走する山陽本線が国道側に押し出されてくる。

左には海が迫り、
いや、
海が狭すぎて川みたいだ。対岸が近すぎる。

狭い海峡、頭上を「しまなみ海道」の橋が鎮座する。やがて観光客が歩き回る市街地に至る。

また安ビジネスホテルに潜り込む。
観光をするような気持ちの余裕はない。
人とクルマは疲れるのだ。

現在地
北海道美瑛町美馬牛『ガイドの山小屋』から
約1750km



津山盆地は霧の朝


盆地を過ぎると快晴だった。
美瑛もそうだけど、霧の日は晴れ。


水鳥たちが必死で逃げていく
嫌われているのか俺?


道の駅で、ゆずソフト!
チャリダー昼ごはん
快適なサイクリングはこの辺りまでだった。


山陽新幹線の高架下を走る。
国道から解放されて少し安堵。


山陽新幹線とともに倉敷市へ。
それにしても本数が多い。2〜3分ごとにゴー、シュッ、シュッと新幹線が行き交う。


ビジネスホテル夕方の陣。
数少ない乾燥機をめぐり熾烈な争いが繰り広げられる。


狭くてクルマ多い。


通学の高校生。
どうか3年間ご無事に!


頭上に「しまなみ海道」の橋。
対岸は瀬戸内海の向島。


狭い平野部に全てが集中している


尾道。
美しい町だ。


対岸、近すぎ。
平尾容疑者が泳いで渡ったというが、瀬戸内の子供なら平気で泳ぎ切るだろう。
イチローならバックホームで対岸に届くと思う。


これからも、ずっと晴れ。
さすがは瀬戸内だ。

DAY29 中国山地を越える。その名は苦労峠 鳥取-黒尾峠-津山(岡山県)『日本列島縦断チャリの旅2020』

2020年12月02日 | 自転車の旅 国内
日本列島を、北から南まで何度も何度も走ってきたけれど、
まだまだ未経験の道がたくさん残っている。

中国山地越えの「黒尾峠」もそのひとつ。
鳥取市から直で岡山県へと下っていく。

山陰地方の天気が冬型へと移り変わる晩秋、
今年も例外ではなく、この先お天気は期待できそうもないので、山を越えて瀬戸内側へ行く決心をした。

国道53号。中国山地越え。
初めての道だ。

鳥取市の市街地を抜けて、しばらくは綺麗な川に沿った道を優しく進む。
大した登りではない。

やがて智頭(ちづ)町に至る。

知らなかった。

勉強不足だった。
江戸時代の雰囲気を残す街並み、
古い商家、お屋敷。
宿泊して、じっくり歩くべき美しい宿場町だった。

自分はまだまだ知らないことだらけじゃないか。

智頭町を出るとやがて徐々に勾配が増してくる。
しかし、覚悟したほどではなく、2ー2くらいのギアで地味にシャリシャリ漕いでいたら素直に登れる程度。
交通も少なめだ。

標高580mほどで頂上部。
あとはひたすらダウンヒル。

岡山県側も割と穏やかな勾配。
ノーブレーキでも時速50には至らない。

里まで降ると空気感が変わった。
空も明るく、あたたかい。

黒尾峠。
くろお、くろう、苦労?

苦労峠⁉︎

名前にビビって覚悟して挑んだが、
心優しき、美しい峠であった。
また来たい。



「ラピュタ」にこんなロボットいなかった?


中国山地に向かう道


ローカル線に沿って


智頭町。そうだったのか!
勉強不足だった。


おおっ!
智頭の宿場、って感じだ。


おおおっ!


景観と生活のバランスに苦慮しながら、
街並みを残そうとしていることが窺えるじゃないか。


中国山地の雲。
豚バラ肉みたいだ。


「立ち往生多発」に
チャリダーびびる。
なにしろ苦労峠だものな。


側道にときめく。
古道「備前街道」
eMTBで行きたくないか!


黒尾峠はこんな感じの道だ。


頂上部はトンネル


割と明るめ

トンネル出たら、


岡山県だった。


峠からのんびり下ってそのままチャリチャリしてたら岡山県津山市へ至る。
昭和のままの町だった。




DAY27-28 但馬のみち 豊岡-香住-余部-鳥取 『日本列島縦断チャリの旅2020』

2020年11月26日 | 自転車の旅 国内
日本海に沿って走り続けている。
お天気が悩みの種だ。

海沿いとはいえ平地はほとんどない。
峠道が中心で、
集落ー登り坂ー下り坂ー集落ー登り坂…
こういう繰り返しエンドレス

11月下旬のこの時期はさすがに天気は安定しない。
写真は豊岡にて、晩飯の弁当買って帰り道


豊岡の町から10分も走れば再び但馬の山中に吸い込まれる
また峠道だ。


トンネル多い
峠を登り切ったら大抵暗いトンネルがある


トンネル内の歩道?歩道なのか?
油断すると落下する。


海沿いの峠道をシャリシャリ登っていたら
前方にチャリダー?


ぱちり。


但馬のみち、旧道が好き。


在りし日の余部鉄橋。
前回、ボクがここに来たのは列車転落事故(1986年12月冬の強風に煽られて列車が落下した事故)から間もない頃で、この鉄橋だった。


現在の余部鉄橋。
コンクリート橋になり鉄道部分は腰高までコンクリートの壁で囲まれていた。


峠を下ると漁港があり集落がある。
集落には一軒の造り酒屋があったりする。
昔の名残りが生きている。


山城か!
七坂八峠(標高150mくらい?)


鳥取にきた!


でも鳥取市はまだまだ先
ここを下って
その先にまたまた峠道がある


おまえはいいなぁ


ようやく鳥取市。

豊岡から鳥取まで、
旧178号線、香住、余部を経由して90km弱。
この区間は、一昨年の2018年の日本列島縦断では少し内陸の国道9号を走った。
その時と比較して比べ物にならないくらいクタクタになってしまった。

トシかなあ、なんてショックを受けていたんだけど、GPSに記録されていた本日分の「総上昇量」が
1099m!

わお。

たしかにいくつも小さな峠を越えてきたけど、
全部あわせたら
でっかい峠越えに相当するやないか。

どうりて疲れたはずだ。

現在地
北海道美瑛町美馬牛『ガイドの山小屋』から
約1530km





DAY20-22 北陸本線はえらいぞ 富山-金沢-福井-敦賀 『日本列島縦断チャリの旅2020』

2020年11月24日 | 自転車の旅 国内
日本海に沿って走り続けている。

北風の日は寒く、
南風が吹くと向かい風になってしんどい。
基本的には風は海からやってきて、
右頬を撫でていく感じだ。

主要国道は高規格道路になっていることが多く、それはICなどがある構造なので、たとえ禁止されてはいなくても自転車には向いていない。

だから僕はなるべく旧道を探す。
昭和まで主要国道だった道は今は県道になっていることが多くて、たいてい鉄道に沿っている。

北陸本線を探せば大抵旧道が見つかるから、いつも鉄道に沿ってペダルを漕ぎ続けている感じだ。

旧道沿いには城址も多くあり、春日山城以降も富山城、高岡城、金沢城、丸岡城、北庄城などの近くを通過した。

福井を過ぎて北陸本線は長大な北陸トンネルに入ってしまうが、
トンネル完成前、昭和のある時期まで使われていた旧北陸本線跡が今はトンネルなどもそのままで山里の生活道路として使われていて、自転車は鉄橋跡の道を走って山を越えて敦賀に至ることができる。

北陸路はなんともダイナミックだ。

現在地
美瑛町美馬牛『ガイドの山小屋』から、
約1300km



死にたくなければ蛍光ベスト着用だ。


主要国道 


で、歩道を走ればこういうことも。


脇道 


急停止!パチスロのコインだった〜 


福井県に入ると急に国道が荒っぽくなる


福井県あるある


旧道探して鉄道を追う


なんだか妙にレトロなラッセル車が走っていった。


これは近代的なやつ。


北陸本線に沿って走る


これだ!


この場所は、


同じ場所


いまは山里の生活道路になっている


昼メシ持ってきた


なかなかハイクオリティ!