ガイド日誌 - 北海道美瑛町「ガイドの山小屋」

北海道美瑛町美馬牛から、美瑛の四季、自転車、北国の生活
私自身の長距離自転車旅
冬は山岳ガイドの現場をお伝えします。

北海道は雨の季節

2023年07月31日 | 北海道の暮らし・生活
北海道は雨の季節
 
例年、本州が梅雨明けする頃に北海道は雨がよく降る。
だから、
これからお盆にかけては、グズついた天気の日が多いかもしれない。
 
雨の日は、自転車には良くない。
 
雨の日もまた乙なもの
なんて言う人もいるみたいだけど、
修羅場を知らない人だな、って思う。
 
一部の自転車競技系の方たちのなかには
雨天を得意とする方もいて、
それは修羅場に活路を斬り拓くことができる強靭な人たちだから、例外としていい。
やはり、雨の日にはロクなことがないと言い切れる。
 
ボクは現役の海外旅チャリダーだ。
これまでも、いろんなことがあった。
いくつもの修羅場もあった。
 
ひとつ気をつけていることがあるとすれば、
 
「雨の日は行動しない」の原則を守ること。
アウトドアの鉄則と言っていい。
(主観ですよ)
 
雨の日に行動すると、
もう、何もかも濡れる。
パンツまでびしょ濡れ。
まあ、そんなことはどうでもいい。
大変なのは、持ち物だ。
ビニルで厳重に巻いたもの以外は、もれなくびしょ濡れになる。
防水バックだって、関係ないね。
 
また、いろいろ壊れる。
モバイル関係はもちろん、カメラなどもやばい。
レンズなど濡れてしまったら、かなり面倒なことになる。
 
当然、転倒や事故のリスクは
晴れた日とは比較にならない。
ハイリスクだ。
 
自転車旅の場合はさらに自転車本体のダメージが深刻だ。
自転車も油分がすっかり洗い流されて、ギア類もチェーンも砂砂で紙ヤスリ状態になり摩耗してしまう。チェーンは駄目になり交換になる。ブレーキもおかしくなる。
 
すべての荷物を広げて乾かして、
ガイドブックもモバイル関係も。
床に広げて乾燥させなきゃ。
服も雨合羽も、もう全部まとめて洗濯だ。
部屋中にぶらさげて乾かさなきゃ。
また、
自転車の泥泥砂砂を完全に洗い流して、
グリスアップして調整して、
再び走り出すために2日を要したりする。
たった1日の雨天走行の結果、コレだ。
バカみたいだ。
 
観光のサイクリングも似たようなものだ。
びしょ濡れでホテルに帰るのだ。
お化粧はドロドロになって流れ落ち
せっかく作り上げた前髪も、千切れ飛んだワカメになってしまうだろう。
 
コインランドリーで全部洗濯、
メシ食って風呂入って、
荷物は全部取り出して床に広げなきゃ。
こうしてリセット完了したら、もうクタクタだ。
大切にしていた革財布もフニャフニャになっているだろう。
気力もボロボロで、明日に引きずるだろう。
 
いいことがあるとすれば、
虹。
虹はいいね。
昔、ナラボー平原※で悲劇的な雷雨に遭遇して、その日の夕刻、巨大な虹をみた。
いいものだった。
 
一方で、
レンタサイクル屋は儲かる。
お客さんがサイクリングしたい、って言うから黙って貸し出せばいい。あるいは雨天決行。
お金さえ貰えばいいのだから。
 
ガイドの山小屋は、
ボクがオーナーである間は
雨の日は必死で引き留める。
ロクなことないよ!って引き留める。
売り上げは落ちるけど構わない。生憎、食うには困ってないから。
 
ここのところ、雨が多く気温も高い。
ガイドの山小屋の裏は100坪ほどの畑になっていて、夏野菜やスイカ、豆類、それから、
長い冬を越えるためのカボチャや玉ねぎ、じゃがいも、キャベツなども作って自給自足している。
 
農薬も化学肥料も除草剤もつかっていないから、高温多湿が続くと、ちょっと病気がちになってきたりする。
おまけに7月は忙しかったので手入れができず、すっかり藪みたいになっている。
 
遠くで雷鳴が聞こえる。
またドカンと降るだろう。
そして、明日はきっと
カラッと晴れて暑くなる。
 
これで、たぶんまた、
スイカが一気にデカくなるだろう。
 


※ナラボー平原 オーストラリア大陸横断の中央付近にある土漠地帯 1000kmほぼ真っすぐ概ね平坦 砂漠じゃないので想像よりも難易度は低い 水も食糧も入手可能 野生のラクダが歩いている 区間としてはアデレードSAからパースWAまで約3000kmの中間となる
 
下の写真は大陸横断の途中での食糧袋の中身(ナラボー平原)
南オーストラリア州の州都アデレードのチャイナタウンで購入した日本っぽい食材が元気の源だった
他に常時、水を15リットル携行していたけどナラボーは100kおきに農場集落やロードハウス(オアシス 給油、食事、簡易宿泊)があって食糧と水の確保は比較的容易だった 
雨の日はこれらの荷物も水びたしになった 
もちろん防水バッグであることは言うまでもない   
 
下の写真は爆撃のような雷雨が去ったあとの大陸横断ハイウェイ ナラボー平原
ボクが大陸横断ハイウェイをまっすぐ西に向かっていたとき、雷雨に遭遇したのだ
地平線の向こうから雷雲が沸きだすようにやってきて大地を覆うから逃げようもない
落雷はじゅうたん爆撃のようで、周囲に無差別にドシドシ落ちた 戦争かよ
半径100m以内に落ちたらボクはタダでは済まなかったと思う
写真は美しいが、このときのボクはすっかり命をすり減らして全身ボロボロだった
生きてロードハウス(オアシス施設)にたどり着いたとき、
ハイウェイの人たちに拍手で迎えられた。
不思議に思って振り返ると、
西日を真正面から浴びた自転車のボクが巨大な虹を背負って地平線から現れた(ように見えたらしい)ことに気づき、
ちょっと泣いてしまった。

今週の富良野・美瑛

2023年07月07日 | 美瑛・富良野
最近の富良野・美瑛
もう、あっちも、こっちも、

こんな感じ。

富良野駅前、それから
美馬牛駅のガイドの山小屋(美瑛町)で電動自転車借りて、
サイクリング楽しんでくださいねっ!

写真は7月6日富良野市山部の「嶋田農園」さん前にて


美馬牛駅に特急が!?

2023年07月01日 | 美瑛・富良野

 きょうの11時過ぎ、

 

何やら美馬牛駅から聴き慣れない『エンジン音』がするんですよ。

何しろガイドの山小屋は美馬牛駅の裏にありますから、列車の入線など、構内の動きがよくわかるわけです。

 

なんだろ?

ふと見たら、

 

特急?


旭川行きホームに、特急。(驚!)
 
【特急】フラノラベンダーエクスプレス
札幌→富良野→美馬牛→美瑛→旭川(直通)
 
札幌→富良野は、特急。
富良野→旭川は、快速。予約なし普通運賃で乗車できます。
 
旭川から戻ってきたラベンダーエクスプレスを見に行ってきました。
おおー
撮り鉄さんも、いっぱいおるのう。

美馬牛駅に特急、の図

ホームの長さが微妙に足りてない?

ノロッコ号と交互に発車していきました。

富良野まで快速、
富良野から
特急フラノラベンダーエクスプレスとして札幌に向かいます。
 

札幌から美馬牛まで直通だなんて!

 

期間限定運転なんだそうです。

↓チェックですよ!!

 

JR富良野線時刻表 (富良野→旭川)

JR富良野線時刻表 (旭川→富良野)

フラノラベンダーエクスプレス時刻表 (札幌→富良野)

フラノラベンダーエクスプレス時刻表 (富良野→札幌)

 

もちろん「富良野・美瑛ノロッコ号」富良野~ラベンダー駅~美馬牛・美瑛も1日3往復で運行中。
ノロッコ号も予約なし普通運賃で乗車できます。
 

🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 

 

●JR北海道は5月17日、輸送密度が200人以上2000人未満のいわゆる「黄線区」を対象に調査・実証事業を行なうと発表した。

(報道記事から引用)

 

平素のJR富良野線は赤字路線で「単独での維持が困難な路線」に指定されています。

さらには、廃止確実の目安とされる輸送密度(人/キロ/日)1000人の基準をも割ろうとしています。

つまり「将来は廃止される」という意味なのですが、

廃止になってしまったら、僕らは老後ここで暮らしていくことはできなくなってしまいます。

あと10年?

さすがに20年は、ないかも。

いま、移住を考えているひとも、ちょっと考えちゃいますよね。

 

この快速直通運転は、JR富良野線の利用促進のための実証事業なんだそうです。

 

いい方向に風が吹くといいですね。

 

🌸フラノラベンダーエクスプレス 直通運転の日時

 7月の土日祝日 11 日間  
 
●7月1日、2日、8日、9日、29日、30日  
 
   札幌   富良野   中富良野   上富良野   美馬牛   美瑛  旭川
9:45 10:44 11:01 11:16 11:25 12:00
7:41 10:36 10:49 11:06 11:17 11:35

 

  旭川  美瑛    美馬牛    上富良野   中富良野   富良野  札幌
14:31 14:47 15:01 15:13 15:23 18:50
14:07 14:38 14:51 15:02 15:15 16:51

 

●7月15日、16日、17日、22日、23日 (ラベンダー畑に停車)

    札幌   富良野  中富良野  ラベンダー畑  上富良野    美馬牛    美瑛  旭川
9:45 10:44 10:52 11:01 11:16 11:25 12:00
7:41 10:36 10:49 10:54 11:06 11:17 11:35

 

  旭川   美瑛    美馬牛    上富良野  ラベンダー畑  中富良野  富良野 札幌
14:31 14:47 15:01 15:08 15:13 15:23 18:50
14:07 14:38 14:51 15:02 15:10 15:15 16:51

 

expesslounge

写真提供:JR北海道