ガイド日誌 - 北海道美瑛町「ガイドの山小屋」

北海道美瑛町美馬牛から、美瑛の四季、自転車、北国の生活
私自身の長距離自転車旅
冬は山岳ガイドの現場をお伝えします。

自転車NGの町? 長崎

2015年11月30日 | 自転車の旅 国内
長崎は雨だった。

昔の歌謡曲みたいだと思ったが、本当に雨だった。
日見峠という結構なサイズの峠を越え、まだ下り切らないうちに勢いのまま長崎の街へ吸い込まれていった。

それにしても…。

長崎には自転車がいない。

長崎には坂が多いから自転車に乗る人はいない、自転車屋もない、乗れない人も多い、というのはどうやら本当のようだった。

確かに全然、見かけない。
コンビニはもちろん、スーパーマーケットの前にすら、自転車がいない。

歩道には自転車レーンはなく、歩行者用道路標識にも自転車マークがない。

こんなこともあった。

横断歩道のない交差点があった。
かわりに地下道がある。
ここまでは普通だが、
その地下道を通って向こうに行こうとするが、自転車用スロープがないのだ。
驚いた。
これではベビーカーはどうするのだろう?

仕方なく車道の左端を走行するが、かなり高い確率で嫌がらせされる始末。

故意の幅寄せ。

クラクション。

鹿児島など九州では、それらは皆無だった。

長崎。
自転車にはかなり、しんどい町と感じる。

小雨の降る中、町の中心部に入って行く。
路面電車の走る様子が美しい。

今日宿泊予約したホテルを探すが、
人目も厳しく(感じられる)、かといって車道は嫌がらせ地獄、とても自転車には乗っていられないので、押して歩いた。

そのホテルはなんと、商店街のアーケードの中にあった。
ちょっとスタイリッシュなホテルだ。
まあ、安っぽい都会らしさ、というやつだ。
モノトーンでまとめられている。(笑)

ちょっと嫌な予感がするぞ。

そして、
嫌な予感は的中する。

僕はここで自転車旅史上、はじめての経験をする。

そのホテルは、
自転車NGだったのだ!
うーん…。
なんなんだ、このアウェー感、
半端ない。

20年前のスノーボーダーの気持ちが、理解できた気がした。

結局、そのホテルでは、
どうやっても自転車NG。
駐輪は絶対拒否、断固拒否。
預けもNG。

なんもかも、全部ダメ。

じゃキャンセル料100%払いますからと、
他のホテルに移ろうとしても難色を示す。
なんなんだ?

最終的に、分解して輪行バッグに収納して部屋の中に、ということでまとまった。

… 。

なんなんだろう、
この自転車に向けられた敵意は!


本物のカステラ食べて、

元気だして行こう!

長崎は、自転車旅にはおすすめ出来ない。
自転車旅行者など来なくとも、中国人はじめアジア観光客で空前の大繁盛しているようなので、
もう、お呼びじゃないみたいだ。

昔は好きな町だった。
初めての自転車長距離旅行の目的地が、長崎だった。
高校一年の時のことだ。

人生も、
ずいぶん遠いところまで来た。