ガイド日誌 - 北海道美瑛町「ガイドの山小屋」

北海道美瑛町美馬牛から、美瑛の四季、自転車、北国の生活
私自身の長距離自転車旅
冬は山岳ガイドの現場をお伝えします。

長距離チャリダーの旅準備は地味なのだ。

2019年10月22日 | 自転車の旅 海外
エア・ニュージーランドのチケットは今月末だというのに、いまだパンツ一枚用意してない。
それに、
1ヶ月前に申請した電子渡航書NZeTA(オンラインビザ申請みたいなやつ)もニュージーランド入国管理局に無視されたままで、いまだ返信はない。
キウイだもの、ラグビーワールドカップの期間は仕事どころじゃないだろうから気長に待つよ的にゆったり構えていたが、さすがに焦ってきた。 おいおい、72時間以内に返信されるんじゃなかったのかよ?
それなのに、問い合わせ番号を控えるのを忘れてしまった、愉快な山小屋さんなのだ。
俺はサザエさんかよ。

さて。
仕事は果てしなく暇だ。
空を見上げても雪虫ばかり飛んでいて、景気の良さそうな話のカケラも降ってはこない。
カネがないからAmazonで買い物しなくなり、宅急便のトラックはきょうも我が家を素通りする。
いつもの晩秋だ。
黄昏感ハンパない。

こうしていても仕方がないから、
旅用自転車の整備を始めた。
痛んだスポークを交換したり、ディスクブレーキのパッドを新品に交換したり。

キャリアを取り付ける。


下の写真みたいに前後左右にバッグを取り付けるための部品だ。



これを、
ちゃんと水平になるように調整するのだ。そうしなければ荷物が偏り、特定の場所に集中的に負荷がかかって破断の原因になる。
調整には水平器を使う。


調整出来るように、たくさんネジ穴がある。ベストな位置を探るのだ。


やっぱりチューブス(メーカー名)がいい。鉄製なので折れたとき溶接も容易だ。



強度に不安がある箇所は補強する。
あとから泣くのは自分だから。



予備のスポークを収納する。


シートの下は魅力的なスペースなのだ。




さらに、水ボトルを取り付けるホルダーを増設。
ま、たぶん邪魔になって途中で捨てると思う(笑)。



チェーンやスプロケットの汚れを落としてピカピカになったら自転車の準備はオッケーだ。
いつでも出かけられるぞ。


しかし、出入国管理局の承認メールが来なければ、どうしようもないのである。
参ったな。



旅は風まかせ。

2018年08月21日 | 自転車の旅 海外
「旅は風まかせ」
とは良く言ったもので、
風に乗り、風に吹かれてフラフラするのは気持ちの良いもの。

しかし、
風に逆らう旅にはロクなことがありません。

僕たち自転車旅人、
通称「チャリダー」は、
特にそのあたり身に染みています。

今年もお盆が終わり、秋の気配が漂う季節となりました。
まもなくオフシーズン、さらに秋が深まり、北西の季節風が吹くようになればレンタサイクル店の営業は終わります。

冬支度が整い次第、またしばらく自転車旅に出ようと思っていたのですが、
旅先の現地の気象など情報を集める過程でいま問題に直面しています。


ウインドローズと言います。
日本では「風配図」とも呼ばれる、風向きを示す図。
過去数十年のデータの統計から季節ごと時間ごとの傾向が見て取れるので重宝します。

どうも、風に逆らうルート取りになりそう?

チャリダーが大陸を旅する場合、西なら西、東なら東といったん方向が定まれば二週間、三週間、1カ月、2カ月、それ以上、毎日ひたすらその先にある地平線だけを目指してペダルを漕ぎ続けることになります。
それがもし毎日、向かい風だったら!

それは、旅の失敗。おそらくは途中断念を意味します。
チャリダーは風には逆らえません。根性や精神論など無意味です。お天道様には誰も逆らえないのですから。

アウトドアではお天道様は絶対の存在。もし逆らえば最悪、死をもって成敗されるでしょう。

うーむ…

どうしたものか…

窓の外は雨。
明日も午前中は雨が続くといいますから、じっくりと地図とにらめっこをしようと思っています。

雨かあ…

明日はレンタサイクルの営業は無理っぽいです。
やっぱりお天道様には逆らえませんね。

チャリ旅の後始末。=準備?

2017年09月07日 | 自転車の旅 海外
なんだかもう、秋を迎えてレンタサイクル屋はめっぽうヒマになりまして、手持ち無沙汰なことも多くなってくるのであります。

そんなときワタクシは、夏の間に出来なかった作業各種をいそいそと始めるのでありますが、畑作りには遅すぎるし、草刈りも時期を終えているし、花を植えようにも苗はもうないのであります。

まあそんなときにも仕事はいろいろあるもので、きょうはチャリ倉庫の片隅にずっと置いてある埃を被った輪行袋が気になった。気になりだしたらもう中身を確かめたくてたまらなくなるわけで、とうとう鍵を開いて中身を取り出したのであります。

中身は旅用の自転車。これ。分解して梱包してあります。

昨年末にニュージーランドから持って帰ったままずっと置いてあったから、袋を開けたらバババーッと、現地の空気やら何やら得体の知れないモノがどーんと飛び出してきあがった。

旅の埃ってヤツですよ。
そいつを頭から被っちゃった。

したらね、あなた。当然もうひたすら我武者羅に、
「うわー!旅、行きてー!」
となるわけですよ。押忍。

ウイルスかよ。

冬はですね、私ことガイドの山小屋は、本業の冬山山岳ガイドに戻らなきゃいけない。夏のレンタサイクル屋だけで食っていけるはずもないから女房子供を食わせるために働かなきゃいけないのであります。
今年も働きますよ、たぶん。

だからナマっちゃった身体をなんとかせんといかん。
チャリで走るけん!
なんちゃあせんままやいかんけん!
わしはたらくけん!
エーゴもっとがんばるけん!
チャリ旅してきたえてくるけん!

ワタクシはますます決心を固めるわけです。

しかしまあ、世間はひたすらキナ臭いじゃあないですか。
先日は早朝から70年ぶりに空襲警報が鳴り響いた北海道。ああ、やはり報道されてることは現実なんだと改めて思い知らされました。

これから2カ月も旅に出て、ほんまにええんか?
帰られんようになるんと違うか?
いったん開戦したら最後、紛争に巻き込まれること必至、危険な日本に国際線が乗り入れるわけがないですよね。

さすがのカンタス航空も、固唾を飲んで見守るしか出来ないんじゃないか?

そんなことを考えたらもう、今は旅どころじゃない気がしてきました。
例年ならもうチケット確保してる頃なんですが、そんな理由で今年は行き先すら決まっておりません。

奥にある青いのはマウンテンバイクをベースに改良した旅自転車。3年前まで使用してました。

しかしまあ、こうして梱包を解くと、
仕方ないなあ。ダラダラしててもしゃーないけん、とりあえず旅支度でも始めるとするか。
なんて気になってきます。

こうしている間にも、冬は近づいてきますからね。いつまでもダラダラしてばかりじゃあいられない。
別に、海外じゃなきゃいけないというワケじゃないですし。
なんとなく格好がつくけん、と、つい、海外志向になってしまいますけど、日本縦断もなかなかエエもんですよ。食い物はうまいし。

それにしても、
ついこの間まで夕方いつまでも暑くて昼間みたいに太陽ギラギラしてたのに、いつの間にか6時でもヤバイくらい暗い。レンタサイクルのお客さんが真っ暗ななか必死の形相で帰ってきます。

もうすっかり、秋ですねえ。






お盆が過ぎた頃、レンタサイクル屋が考えてることとは?

2017年08月16日 | 自転車の旅 海外
なんだかもう、昨日今日が夏の忙しさのピークだった事が良くわかりすぎるくらい、予約ノートは明日を境に突如寂しくなっていくのであります。

それでもやっぱりワタクシは、自転車の予約があるモノから順番に条件の良い車両を選りすぐり、振り分けていくのです。
つまり、同じ値段でも「予約のお客さん」と、そうじゃないふらりと来たお客さんでは見た目でもはっきりわかるくらい、提供する自転車に差があるのです。
つまりですね、やはり、レンタサイクルは、予約していただいた方がお得だと思うのであります。

やはりといいますか、当オフィスも電動自転車100台以上もありましたら「状態の非常に良いやつ」から順に、「見た目はソコソコでも微妙にイマイチなやつ」まで色々ありますからね。

こっそり言います。やはり予約がお得ですよ。

さて、
世間にレンタサイクル屋など何十人もいるものではないですが、私ことガイドの山小屋の場合は、お盆あたりになるともう、経営的に半年先、冬の営業の見通しなどあれこれ考え巡らせるのであります。
もう今さら、今年の夏まだまだ!もっともっと稼いじゃるで!オラオラオラ!みたいなファイトはないですね。そこまで我武者羅じゃないです。押忍。

冬は、私ことガイドの山小屋は、本来の姿であるプロの山岳ガイドに戻ります。ええ戻るつもりです。たぶん。
まあ、冬山山岳ガイドといっても、決死の登攀とかじゃないですよ。おもろい話などしながら雪山に登って、ドヒャー最高!とか大騒ぎしながらスキーで一気に滑り落ちてくるという、毎日その繰り返しで、遊んでんだか必死なんだかよくわからん仕事なんですけどね。まあ、ちゃんと仕事です。これは素人がやれば簡単に死にますから。でもボクと一緒ならば死なないですよ。むしろ楽しいことばっかりです。絶対ハマりますよ。

でもレンタサイクル屋のオッサンがそう簡単に冬だけ山岳ガイドになれるはずない。いくら経験があるとはいえ、半年のブランクで今のワタクシは身も心もタダのオッサンに過ぎません。ええ、マジでタダのオッサンです。はい。

そこでですね。そこはやはり、レンタサイクル屋なのですよ。自転車が得意。
それに、来年もまた図太い神経で何かと油断ならない中華な人達と闘わなければ、いえ、切磋琢磨しなきゃならない。それも英語で、です。

さあ、明日もきっと叫びますよ!
「ゆー シュッド ぺいメントォー」

もっと鍛えなきゃですね、英語!

英語は武器ですよ。ちゃんとした美しい英語なんか必要じゃないんです。咄嗟に使えるファンキーなやつこそが必要なんです。
それにはですね。旅。
それも、とびきり地味なやつ。
地面を這うようなやつ。3000kmくらい。
旅が一番ですよ。僕はそう思ってます。

はい。前置き長かったです。くどいですね。

自転車旅が一番!って思うんですよ。

身体も洒落んならんくらいキレッキレに生まれ変わりますし、英語も鍛えられるんなら一石二鳥です。ずっと貯まる一方だったマイルを使えば国際線5回くらい乗れるわけだし、つまり飛行機代タダじゃーん。

「やっぱり自転車旅が一番だ!」

最初からそう言えよ!ってかんじ?


便利ですよねインターネット。ポチッと海外のロードマップが買えます。以前は現地に着いてから町の書店で仕入れてました。

こうして、久しぶりにオーストラリアに行こうと思い、あれこれ思案しておるのですが、

あれ?こんなに厳しかった?みたいな感じの壁にぶち当たりました。

無補給700kmとか。

水どこ?
気温45度?

あー、無理かも。(切実)


逃げ場なし。向かい風は生き地獄。2006年11月


北海道のレンタサイクル屋のオッサンがんばってますの図 2006年11月


やっぱアジアとかヨーロッパとかニュージーランドとかとは違いました。

経験あるし大丈夫!って思ったけど、そういえば大陸縦断したのは10年前。その頃ワタクシはキレッキレでまだギリギリ30歳代でした。大陸横断(ナラボー平原とか。こちらは割と楽勝)したのもジャスト40歳。今おもえば、まだまだ若い頃やった。

そもそも、あの時でもすでに極限だったというのに。(涙目)

この10年。差は大きいっス。ちょびっと衰えたかね俺。
これが老いというやつか!面倒くせえ!

まあ、ビビッてばかりじゃ前に進まないのでなんとか計画を進めますが、コース見直し必至な感じです。まあオーストラリア広いですから、どっかで何とかまとまるでしょうけど。

またきっと雨水飲むんだろな俺。(鬱)

夏の終わり、レンタサイクル屋はそんなこと考えながら明日も明後日も予約のメールの返事書いたり(中華なメールはなかなか手強い)ブレーキ修理したりしているのです。

皆様はそろそろ、お盆明けの仕事の段取りなどボチボチ気になり始めたりしているのではないでしょうか。

頑張りましょう皆様。
それぞれの持ち場で、ベストを尽くしましょう。

とりあえず私は、明日もせっせと自転車出したり説明したり、ウロウロしているかと思えばいつの間にか庭に入り込んで立ちションしようとする中華に油断なく目を光らせつつ、ブレーキ調整に余念のない毎日を送ります。

それにしても、
北海道は確かに、秋の訪れを予感させる風が吹きはじめております。

今年も夏が、終わっていきますねえ。











その気になれば、どこにだって行ける自転車の旅

2017年05月08日 | 自転車の旅 海外
今年もレンタサイクルの営業が始まりました。

5月を助走に、6月からの半年近く休日なく働き、多忙を極め、10月に閑散期となり、11月、
初雪の便りとともに、本年の営業を終える。
それが、美瑛の観光の仕事です。

農家に似ています。

冬の僕は、自転車屋さんとはまったく関係のない「山岳ガイド」を仕事にしています。
本来はこちらが本業で、
20年、この仕事をしています。

「そんなもの知らねーよ」って?
そりゃそうですね。

さて、冬山の山岳ガイド。
ただの自転車屋のオッサンができるはずがありません。

間違いなく、死にます。(苦)

死にたくないし、楽しみたいので、ボクはトレーニングをします。
それが「自転車の旅」。
自転車屋さんの11月12月は失業期間。そこが「自転車の旅」に充てられます。

一度にだいたい2千キロ~3千キロを走ります。
身体は旅で鍛えろ。
英語は旅で鍛えろ。(かなりいい加減ですが)
ビジネスのヒントなんかを途中で拾って持ち帰り、パクったりしてます。

パクリかい。

↑実は凄く大事。旅費くらい余裕で稼ぎますから。

今年は、手堅くオーストラリアかなーと思ってます。
オーストラリア大陸。
まだ1周を達成できていないので、できたらいいなと。



オーストラリアはいまのところ
1.大陸縦断
2.大陸横断
この2つをやったに過ぎません。
これから何年かに分けて大陸を1周しようかなと。
そんなこと思ってます。

別に、地球1周とかは目指していません。
本を書いたり講演会するのはボクの目標じゃない。

仕事をやめなくても、いつでも旅に出られますが、
あくまでも旅は仕事の一部である必要がある。
冒険じゃない。
そこが、一般チャリダーと少し違うことろかもしれません。
僕にとってチャリ旅は、「イコール仕事」です。

見方によっては恵まれてる感もありますが、もちろん自費です。
寄付なんかないし、行きたくなくても行かなければ冬の仕事ができないので
ぶっちゃけ強制

ボクは太りやすいので、強制的にチャリ旅に行くことは、健康にいいかも。
キツイですけど、ボクには向いている仕事だと思ってます。

それでもいつかは、仕事ではなく冒険的な旅をしてみたいと思いますが、
それはかなり先のことになりそうです。

さて。

今年の想定コースは、「ダーウィン」から時計回りに3千キロ。
豪大陸を時計に例えるなら、12の位置から2の位置まで。
少し行き戻りがありますが、東海岸ケアンズをゴ―ルにするかなと。
そんなふうに思って下調べを始めました。

走行コースの最初の2週間は10年前の豪大陸縦断のコースと重複します。

一度走ってるから勝手知ってるし、楽勝だな。

身体慣らしにちょうどいい。そんなふうに思って、以前の旅行記を再読しました。
それがコレです。
(↓文字をクリックしたら開きます。)

そこは、灼熱地獄だった。』
Stuart Highway 3080km 
オーストラリア大陸縦断・チャリ(MTB)の旅


わー!
キツい!


10年経つとキツイこと忘れるんですね。
これ読んで、一気にブワッと、いろんなこと、思い出しました。
正直、涙でました。
出発までにまだ5か月あるのですが、
計画段階からいきなりビビりまくり。
先に「冒険じゃない」とか言っておきながら、やばい感ハンパない。

僕、どうなっちゃうんでしょうか。
冒険やだー!
冒険怖えー!(矛盾)

しかし、
最近はいろんなことが弛緩していると感じているので、
ちょっと、根性を鍛え直さないといけないなと、
そんなことも思います。
このままでは、つまらんオッサンになってしまう。

いずれにせよ

自転車ならば、その気になれば行ける。

自転車のそこがボクは好きです。