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Xoom と iPad 2 (アンドロイド Android 3.0 Honeycomb vs. iOS)

2011-04-09 11:13:01 | レビュー

現行の Xoom は6月以降発売中止になる可能性が高い。(モトローラの方で注文をストップしている)
以下の理由で、新しい機種の登場を期待したい。

現行モデルは、価格とソフトウェア(OSとアプリの両方)で大きな欠点を抱えている。
ただ、機能仕様を見る限りでは、モトローラとグーグルの本気を感じる。
次期モデルが大幅に改良されてもっと魅力的なタブレットが今夏にも登場することを期待する。
iPad 2 との相違を見ながらこの予想を検証したい。

iOS と Android はまず、コンセプトが違う。
片や (iOS) 縦置きで下にホームボタンを配置し、アンドロイドではロゴを見る限り横置きを意識している。
もちろん加速度計の(重力を感知する)おかげで画面は自動的に回転するけれど。

最初の画面も片や簡素、片や複雑と対照をなしている。
アンドロイド (Android OS3.0 Honeycomb) の場合、画面設定がカテゴリー別に細かく分類されており非常に複雑だ。
その分カスタマイズできる自由度は高い。
ただ、この煩雑さはアメリカの一般人の許容範囲を超えているようだ。

そのほかの操作についても OS 3.0 はまだ荒削りで、既存のアンドロイドユーザーでも戸惑うかもしれない。
例えば、コンテクスチュアルメニューやオプションは画面上から、通知は右下から登場する。
これまでのアンドロイドOS( Froyo など)を使ったタブロイドは、携帯の延長という感が強かった。
その意味で刷新された今回の Honeycomb はタブロイド用OSとして貴重な一歩を踏み出した、とも言える。

一方、日本の電化製品はマニュアルを読まなければ使いこなすことができないようになっている。
(少なくとも自分の経験ではそう)
日本人の場合煩雑な設定を苦にしないだろう。
その意味でアンドロイドの複雑な操作は日本市場ではマイナスにならないと思う。
むしろ、タブレットを使いたいという人々の間では歓迎されるかもしれない。

次に問題になるのはソフトウェアだ。
タブレット用に開発されたアプリの数がアンドロイドでは悲惨なほどに少数だ。
ただ、メーカーとグーグルが努力を続ければ、この点はいずれ改善されるだろう。
悲観する必要はないと思う。

現在は対応しきれていないフラッシュも努力を続けている姿勢は評価できる。
ただフラッシュはウィンドウズ用に特化しており、他のOSでは使用が難しいという実績がある。
Unix, MacOS, Linux, iOS など、どのOSでもフラッシュはまともに動作しない上に、CPUの酷使とバッテリーを消耗させるという致命的な欠点を抱えている。
モバイル機器で使用されるアンドロイドがどこまでフラッシュに対応できるか見物である。
日本のサイトはフラッシュの依存度が異様に高いので、成功すれば見返りも大きい。

ハードウェアとしては Xoom は魅力にあふれている。
iPad 2 よりは厚めだが、ラップトップと比べれば許容範囲内といえる。
カメラの性能や、外部メモリーの使用などでは iPad 2 を寄せ付けない。
ただ、HDMIについては留意する必要がある。
$129の HD Speaker Dock を買わなければミラーリングができないのだ。
本体や付属品の価格が iPad 2 よりもかなり高くなることは覚悟しなければいけない。

結論としては今、Xoomを買うのは得策でない。
どうしても今タブレットが欲しいなら、未完成の Honeycomb ではなく、iPad 2 を選ぶべきだ。
アンドロイドのタブレットが欲しいなら、数ヶ月待って新しい Xoom を購入するのがよいだろう。
これまでのモトローラやグーグルの動きを見る限り、新しい Xoom は価格も下がり、性能が向上し、OSがもっと安定すると予想されるから。
フラッシュを快適に利用できるようになるには、もうしばらくかかるかもしれない。
アプリが充実するにも数年はかかるだろう。
その意味でも、今慌てて Xoom の現行モデルを入手する理由を見いだせない。