ついに、「私の中のあなた」を見てしまった。
原作とは別物だよと聞いていたので、心して観賞した。
原作で一番気に入っていた部分はジュリアの過去にまつわる話だったが、映画にはジュリアが登場しない。従って、里中満智子的献身愛も省略されてしまった。さらに、ジェシーの悩みと葛藤も全て割愛。様々な形をとっている愛を考えさせられた原作だったが、映画ではわかりやすく家族愛だけを取り上げている。
家族内の軋轢についても、ジェシーやアンナの関わっていた問題が全て病気に関することに集約されている。テーマもすげ替えていることからして、どうやら、理解されやすい題材で思いっきり泣ける映画を作ろうという魂胆だったらしい。その影響か結末まで全く異なったものとなっている。
さて、この改変をどう思うかである。
結論から言うと、この映画で伝えたいことと原作が語っていることは違うと意識すれば、良くできた作品だと思える。俳優達の演技も不自然なところはなく十分楽しめる。ただ、表面的で軽くなってしまったのは仕方ないか。
一つだけいただけないのは、キャンベルが仕事を引き受けた理由を台詞で説明しているところ。
蛇足というか、観客を見くびっているというか。
説明が無くとも十分伝わるが、もし補足するなら台詞でなく、キャンベルの苦悩という形で描写する方が上品だ。
感心したのは、原作者がここまでの改変を承諾した点。
テーマも、描写している葛藤も、登場人物も、そして結論も全く違う。
共通点を探すことの方が難しい。
原作の結末は読み終わった後も考えさせられるが、映画の場合完結している。
その点を著者自身の口から聞いてみたいものだ。
少し探してみようかな。
原作とは別物だよと聞いていたので、心して観賞した。
原作で一番気に入っていた部分はジュリアの過去にまつわる話だったが、映画にはジュリアが登場しない。従って、里中満智子的献身愛も省略されてしまった。さらに、ジェシーの悩みと葛藤も全て割愛。様々な形をとっている愛を考えさせられた原作だったが、映画ではわかりやすく家族愛だけを取り上げている。
家族内の軋轢についても、ジェシーやアンナの関わっていた問題が全て病気に関することに集約されている。テーマもすげ替えていることからして、どうやら、理解されやすい題材で思いっきり泣ける映画を作ろうという魂胆だったらしい。その影響か結末まで全く異なったものとなっている。
さて、この改変をどう思うかである。
結論から言うと、この映画で伝えたいことと原作が語っていることは違うと意識すれば、良くできた作品だと思える。俳優達の演技も不自然なところはなく十分楽しめる。ただ、表面的で軽くなってしまったのは仕方ないか。
一つだけいただけないのは、キャンベルが仕事を引き受けた理由を台詞で説明しているところ。
蛇足というか、観客を見くびっているというか。
説明が無くとも十分伝わるが、もし補足するなら台詞でなく、キャンベルの苦悩という形で描写する方が上品だ。
感心したのは、原作者がここまでの改変を承諾した点。
テーマも、描写している葛藤も、登場人物も、そして結論も全く違う。
共通点を探すことの方が難しい。
原作の結末は読み終わった後も考えさせられるが、映画の場合完結している。
その点を著者自身の口から聞いてみたいものだ。
少し探してみようかな。