ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

アンダーワールド(レン・ワイズマン)

2007-12-05 | Weblog
ストーリー;ええーっと。バンパイアと狼男の一族がそれぞれ長年にわたり戦うということで。新感覚映像とやらが「売り」らしい‥。
出演 ;ビル・ナイ,ケイト・ベッケンセール,マイケル・シーン
コメント ;「元老」となっている老年のバンパイアを演ずるビル・ナイがすばらしい。イギリスではシェイクスピア俳優なのだが、おどろおどろしいコスチュームに身を包んで、なんと格闘シーンまで演じてくれる。そのサービス精神と怪演技ぶりは、さすがに演技の本場英国精神だ。ケイト・ベッケンセールのチマチマした走り方が嫌だったが、美人なので許す。そのほかの俳優は特にどうしようもないが、やはりビル・ナイに尽きる映画だ。アクションシーンは陳腐そのものだが、雨の日の地下鉄ってそれなりに味わいがあるなあ、と感慨をもよおす冒頭の銃撃戦はよしとしよう。ストーリーはまじめにみてると疲れる映画だと思われ。

ビューティフル・マインド(ロン・ハワード)

2007-12-05 | Weblog
ストーリー;実在の数学者ジョン・ナッシュのプリンストン大学在学時代からノーベル賞受賞まで。
出演 ;ラッセル・クロウ ,ジュニファー・コネリー ,エド・ハリス
コメント;DVD を購入したためこの映画は定期的に何十回も見直している。そのたびごとに新たな発見があり、当分手放せそうにない。映像技術については監督のロン・ハワードは定評があるところで古くは「コクーン」からかなり高い評価を得ていたと思う。俳優の演技はラッセル・クロウの大仰な演技が鼻につくがアメリカ映画とは思えないほど繊細だ。数学が軍事に活用されていたころの時代でもあり、ゲーム理論の導入ともなる。書籍で、アダムスミスの論理をうちくだく瞬間の映像が紹介されていたが、現代の「交渉」といった場面でナッシュの名前は避けて通れない。単なる勝ち・負けではなく、全員が勝ち、最大多数の幸福を獲得することはできないのか。それを日常の場面から想起する瞬間はたまらなくスリリングだ。

ドリームキャッチャー(ローレンス・カスダン)

2007-12-05 | Weblog
ストーリー;スティーブン・キング原作。テレパシーと生物化学と宇宙人到来モノのごちゃまぜ.昔の細菌パニック映画「アウトブレイク」を彷彿とさせる場面も。
出演 ;モーガン・フリーマン, トーマス・ジェーン ,ダミアン・ルイス
コメント;スティーブン・キング原作の映画化作品としては「最高傑作」といううたい文句だが、個人的には「IT」、社会的には「ミザリー」という映画がある。これまで数多くのスティーブン・キングの映画をみてきたが、その多くがおどろおどろしい宇宙人が主人公というのがほとんど。この映画も「スタンドバイミー」的な要素があるものの基本的には宇宙人もの。最後はトンデモナイ意外な結末となるが。それでもまだモーガン・フリーマンが意味不明の熱演をみせてくれるところにプロ根性をみる。長い独白の後に銃を取り出す姿は圧巻。登場シーンはそれほどなく「目で語る」シーンが多いが存在力は圧巻。あまりコトコトシイ演技やせりふはこうした名優には必要ないのだろう。こうした俳優を無理してでも出演させるところに料金分のサービスをしようという製作者側の良心が垣間見える。撮影では降りしきる「雪」が見事。これまでのハリウッド映画にはなかなかみれない繊細な雪がみれる。と、いうところか。おそらく数年後には東京12チャンネルの午後2時くらいに放映されると思われる。
 あ、あと「記憶倉庫」と名づけた頭の中の「書庫」のアイデアが見事。記憶の階層化を見事に演出している‥。
 監督は「白いドレスの女」「偶然の旅行者」のローレンス・カスダン。「白いドレスの女」では、キャサリーン・ターナー、ウィリアム・ハートといった役者の個性的な演技に負けない夏の暑さを画面で表現しきっているテクだったのだが。この映画では「におい」「音」「雪」がポイントか。ドリーム・キャッチャーはネイティブアメリカン(旧名称インディアン)の一種のお守り。現在では観光センターでも入手できるようだ。

キルトに綴る愛(ジョセリン・ムーアハウス)

2007-12-05 | Weblog
ストーリー ;修士論文を書きに祖母の家にいったところ6人の女性がキルトをつむぎながらそれぞれの過去を明らかにしていく‥
出演 ;ウィノナ・ライダー ,アン・バンクロフト,エレン・バースティン
コメント ;バークレーで学び修士論文を書くという設定ではウィノナ・ライダーはある種の才媛ということになるのだろう。ただし、このチンチクリンのタレントがなぜにここまでもてはやされているのかは全く不明。キルトの伝説は、映画「ドク・ハリウッド」にも描かれていた。朝目覚めて一番最初に出会った人と結婚するという伝説だ。「勇気さえあればよい」「ルールは何もない」といったテーゼはある種危険性もある。映像もストーリーもいまひとつだと思ったがこれは年齢や社会経験によって個人差が出てくる映画かもしれない。風が吹いて紙が舞い上がるシーンはもう少し演出上の工夫が必要。こうしたシチュエーションは過去いくつも撮影されているが本当にすごいというシーンは「現金に体をはれ」のラストか。1993年の映画だけあって音楽はカセットテープで再生している。この11年の間にメディアもCD、MDそしてi-podへと大きく変化したことに気づく。

カンパニーマン(ビンチェンゾ)

2007-12-05 | Weblog
ストーリー;「南太平洋」のガイドブックを取り出され検査される場面から始まる。産業スパイとして脳検査を受け試験にパスした男は、ミッション未定のまま飛行機に乗る‥
出演 ;ジェレミー・ノーザム, ルーシー・リュー ,ナイジェル
コメント;監督はあの「CUBE」の人。出だしの白と黒のコンストラクトが強い演出は、「未来世紀ブラジル」を連想させる。話の中身はとあるデジタルデータファイルが一つ。ディスクの受け渡しが鍵となるが、出てくる機械装置は、すべてアナログに演出されているところが面白い。テリー・ギリアムの影響が強く、演出には明らかにヒチコック的要素も入ってきている。「何も知らない男」というコンセプトは「めまい」にも似ているが、ヒチコックがブロンドの美女が対象だったのに対して、この映画では中国系アメリカ人であるルーシー・リューが謎の周辺に出入りする。脚本自体はかなり細密に計算されており、本、タバコ、飲み物の種類、メガネといった小道具が効果的に演出されている。最後はメガネをはずすのでもなくつけるのでもなく、サングラスに変貌するが、そのときこそ映画の最後の秘密が明かされるということになる。
 プレゼン会場のバーでルーシー・リューとジェレミー・ノーザムがはじめて会話をする場面があるが、そのときの会話がはじめて生きてくる瞬間でもある。なぜルーシーは婚約指輪にこだわったのか、その理由も最後には明らか。話の構築も見事だし、大人の会話も最後は生きてくるというところでは脚本は最高。また演出もデータハウスの階段やとてつもないヘリコプターの曲線的な飛行が艶かしさすら感じさせて最高だ。

 ジェレミー・ノーザムは英国俳優だがハリウッド映画にもたまにでてくる。「アミスタッド」ではカソリック信者でもある若き裁判官、「ゴスフォード・パーク」ではイギリスの貴族階級の腐敗を演じるハリウッドスターを演じ、映画中でピアノと歌も披露している(全部ではないが一部は自分自身でピアノも演奏したようだ)。また「エニグマ」では、諜報機関の将校の役を不気味に演じきり、この映画では微妙なさじ加減で三役とそのハザマを生める演技を披露した。ある意味では「エンゼル・ハート」的な演出もあり、それをジェレミー・ノーザムが抑えた演技の使い分けで巧みに演じきったともいえる。ただし相手役のルーシー・リューがいまひとつ。いまどき顔に整形を施さないのは評価できなくはないが、やっぱり相当なブスの部類ではないか。「チャーリーズ・エンジェル」でもよくわからない動きをしていたが、「キル・ビル」でも得たいのしれない中国系日本人を演じてしらーっとなり、この映画では「謎の美女」という設定のようだが、そもそもアップにすると顔の造作が相当につらい上、ハイヒールなしのところでは身長がそれほどないことや足の短さが画面に展開されてつらい。ひとえに脇役が充実しているだけに、もう少し別の女優を起用してほしかったのが難点。ただし十分楽しめる映画だし、大人向け娯楽映画としてそれなりのできばえ。キッチュをめざした特撮はやはり個人的には相当好きだなー

8マイル(カーティス・ハンソン)

2007-12-05 | Weblog
ストーリー;デトロイトの8マイルより北側はプアホワイトの住む町。そして南側は黒人の住む町。北側に住むプアホワイトのジミーはピザ屋の仕事をクビとなり、母親と住む。そして母親は高校の先輩と同棲。プレス工場で暮らす彼は思いのたけをヒップホップにゆだねて‥
出演 ;エミナム ,キム・ベイシンガー ,メキー・ファイアー
コメント;「ナイン・ハーフ」のキム・ベイシンガーが母親役かーなどと感傷にふけるまもなく、貧困・人種・暴力・セックス、しかしその中にあるなんともいえない「古臭さ」が懐かしいものを思い出させる。滞納して立ち退きを迫られる母親。かなり年齢の離れた妹。やや精神に不具合がありそうな友人。デビューのためにすべてをかける女性。映像は地下室やさびれたデトロイトをぼんやり写し、その中をラッパーがさびしく歩くシーンが印象的だ。ミシシッピーバーニングでは人種差別が全面に描かれたが、ここでは8マイルを超えようとして超えられない孤独な男がマイクをもって毒舌をライムにのせて没頭する。そうテーマは「没頭」ラストシーンで主人公はまた一人で歩き、プレス工場へと歩く。それは勝利か敗北か。あるいはそれを超えたものか。主題歌も連続12週で全米トップ。俳優はキム・ベイシンガーが見事な枯れ役。笑えるシーンは少ないぞ。