「マカ」は、強壮作用があり、不妊症や生理不順、更年期障害、冷え性などの改善作用がある、美容にもよいと宣伝され、男女を問わず中高年層に大人気です。
マカは、南米ペルーの海抜4,000メートルの高地に植生するアブラナ科の植物の根のことをいいます。インカ帝国の時代からマカは、滋養強壮食材として広く利用されてきています。
マカの強壮効果について科学的に証明しようとしたのが、ニュージャージー州にあるビュア・ワールド・ボタニカル社のゼンダ博士だそうです。ゼンダ博士は、マカの強壮効果を、マウスを使って調べ、強壮効果が認められる結果を、雑誌「泌尿器科学」で報告しています。
その報告内容は、マカを22日間経口投与した雄のネズミを、処女のメスのネズミと同じカゴに入れて、3時間での性交回数を観察したものです。それによると、3時間での回数が67回で、偽薬による22日間の経口投与した雄ネズミの性交回数は21回だったそうです。また、性交後の不応期から回復までの時間が、マカを投与したネズミのほうが短かったと報告しています。
この結果によれば、マカの強壮効果がネズミには認められるようです。
ただし、ネズミに投与したマカの量を、体重60kgの人間に換算すると108gに相当し、非常に大量の投与であり、通常、人間が経口する少量時の強壮効果を調査してみないと強壮効果があるとはいえないようです。
人間の男性でのマカの強壮効果について、ベルー大学のゴンザレス教授が調査し、2002年に、その結果を「男性病学」という雑誌に報告したそうです。
その調査内容は、21~56歳の健康な男性45人を、15人の3つのグループに分け、1日に1500mgのマカを、4、8、12週間服用するグループ、1日に3000mgのマカを4、8、12週間服用するグループ、偽薬を同じように服用するグループで比較したものです。
その調査結果は、マカを服用したグループでは4週間まで性欲に変化がなかったが、8週間後から変化があらわれた。それに対して偽薬グループではどの期間も変化がなかったということです。マカの服用量による明確な差異がなく、結果が同じであったと報告されています。
また、テストテロンなどの性欲を高めるホルモンの値を測定したが、どれも上昇していなかったということです。 マカの強壮効果については、遅効性がありながらも、上記結果から一定の男性機能回復効果が認められるのではないかといえそうです。
服用量による強壮効果に差異がないことやどんな仕組みで男性の性欲が高まるのかについては解明されておりません。つまり、適切な服用量や効果の仕組みが、科学的に解明されていない段階は、摂取を避けた方がよいと考えられます。
さらに、女性の不妊症、生理不順、更年期障害などに対する改善効果の科学的な根拠は見つかっておりません。そのため、女性の方は効果を期待しないほうが得策です。