ぶらっと 水戸

水戸の見て歩き

水戸・好文亭の板戸

2021-04-01 20:08:06 | 水戸

 贅沢禁止令が強くいわれていた時期に建てられた好文亭ですから、全体的に質素につくられているようです。そのせいなのか、板戸がいくつもあって目を引きます。このほかにも、厠の板戸などがあります。好文亭は戦災で全焼していて、戦後に復元されたそうです。あまり写りのよくない写真ですが、ごらん下さい。

好文亭平面図
 見学の順路に従って番号をつけました。

 

①-1

 

①-2


 太鼓廊下華灯口の間にある板戸です。廊下側は長くのびたタケノコの絵のようです。(①-1)
その裏側の華灯口側は、3つの扇面にモミジアオイ?、ユリ、ケシボウズがそれぞれ描かれているようです。(①-2)

 

②-1

 


②-2

 歌の短冊や色紙が描かれています。梅の花を詠んだ歌が多いようです。(②-1)
その裏側には、よく見えませんが山水画が描かれているようです。(②-2) この板戸と、辞書の板戸(④-1)では、引き手が中央から開けるようになっていて、室内の様子を見ることができる工夫がなされています。

 

 御座の間の隣にある板戸です。現在裏は壁になっているようです。花を咲かせている梅の老木が描かれているようです。これら梅、竹、山水を描いた水墨画の多くは、須田珙中(すだきょうちゅう)が、戦災前にあった萩谷遷喬(はぎのやせんきょう)の絵を復元したものようです。

 

④-1

 


④-2

 


④-3

 漢詩を作る時に平仄(ひょうそく)という中国語の漢詩作成ルールがあり、それに従って漢字を選ばなければいけないそうで、そのヒントになる辞典を板戸に書き込んだのだそうです。何となく徳川斉昭らしいといった感じがします。この辞書は国語学者・上田万年が選んだようです。

 

 こうしたものを階段箪笥、箱階段などというようですが、この場合は、タンスではなく引き戸をつけて収納スペースにしているようです。これも大名の御殿では絶対に見ることのできないものでしょう。ここには竹の絵が描かれています。この階段を昇ると展望が見事な楽寿楼があります。

 

 これも梅の木らしいものが描かれています。そう古い絵ではないようなのですが、どれも劣化が進んでいるようです。


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