贅沢禁止令が強くいわれていた時期に建てられた好文亭ですから、全体的に質素につくられているようです。そのせいなのか、板戸がいくつもあって目を引きます。このほかにも、厠の板戸などがあります。好文亭は戦災で全焼していて、戦後に復元されたそうです。あまり写りのよくない写真ですが、ごらん下さい。
好文亭平面図
見学の順路に従って番号をつけました。
①-1
①-2
太鼓廊下と華灯口の間にある板戸です。廊下側は長くのびたタケノコの絵のようです。(①-1)
その裏側の華灯口側は、3つの扇面にモミジアオイ?、ユリ、ケシボウズがそれぞれ描かれているようです。(①-2)
②-1
②-2
歌の短冊や色紙が描かれています。梅の花を詠んだ歌が多いようです。(②-1)
その裏側には、よく見えませんが山水画が描かれているようです。(②-2) この板戸と、辞書の板戸(④-1)では、引き手が中央から開けるようになっていて、室内の様子を見ることができる工夫がなされています。
③
御座の間の隣にある板戸です。現在裏は壁になっているようです。花を咲かせている梅の老木が描かれているようです。これら梅、竹、山水を描いた水墨画の多くは、須田珙中(すだきょうちゅう)が、戦災前にあった萩谷遷喬(はぎのやせんきょう)の絵を復元したものようです。
④-1
④-2
④-3
漢詩を作る時に平仄(ひょうそく)という中国語の漢詩作成ルールがあり、それに従って漢字を選ばなければいけないそうで、そのヒントになる辞典を板戸に書き込んだのだそうです。何となく徳川斉昭らしいといった感じがします。この辞書は国語学者・上田万年が選んだようです。
⑤
こうしたものを階段箪笥、箱階段などというようですが、この場合は、タンスではなく引き戸をつけて収納スペースにしているようです。これも大名の御殿では絶対に見ることのできないものでしょう。ここには竹の絵が描かれています。この階段を昇ると展望が見事な楽寿楼があります。
⑥
これも梅の木らしいものが描かれています。そう古い絵ではないようなのですが、どれも劣化が進んでいるようです。
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