ざっと見ただけですが、水戸には大谷石で造られた農村部に多い石蔵以外に、純粋に石で造られた建築物はほとんどないようです。(七ツ洞公園のフォリーは石だけのように見えますが。)それでも、石の持つどっしりとした存在感を持つ建造物は、水戸ではあちこちで見られます。
石蔵(小吹町)
水戸で、石造建築の代表は石蔵だといってよいと思います。大谷石は、流紋岩質溶結凝灰岩(りゅうもんがんしつようけつぎょうかいがん)という柔らかくて加工しやすい石で、帝国ホテル旧本館で使用されて全国に広がった石材そうです。水戸では、火災に強く、産地が近いということなどで、大谷石が蔵の材料として使われたのでしょう。写真は小吹町で見た、堂々とした石蔵です。
旧三菱東京UFJ銀行水戸支店(泉町3-2-4)
この建物はかつての川崎財閥傘下、川崎銀行水戸支店だったそうで、その後三菱東京UFJ水戸支店になったようです。新家孝正の設計で、明治42年に竣工したものだそうです。外見は石造りですが、鉄筋コンクリート造りだそうで、当時としては最新の建築物だったそうです。アダストリアが買収したという話を聞きました。この建物がどのように生かされ使われてゆくのか楽しみです。
三の丸庁舎(三の丸1-5)
県庁として建築されていた時、昭和4年に水戸で陸軍特別大演習が水戸で行われたため、天皇の行在所(あんざいしょ)としてその建物が使われて、県庁としてはその翌年完成したそうです。そのせいかどうかわかりませんが、入り口部分は、石をはりつけた、重々しい感じの造りになっています。
茨城県立歴史館(緑町2-1-15)
明治百年記念事業として昭和50年に開館した、茨城県の歴史資料の収集、研究、展示を目的とした施設だそうです。設計は森京介建築事務所だそうです。講堂外側の壁面は太陽のように丸く石が貼られていて、たいへん印象的ですが、本館部分も四角い石が貼られているようです。
七ツ洞公園(下国井町2243)
イギリスの庭園様式でつくられた公園だそうです。フォリーという、役に立たない・装飾的といった意味の、石を積んだ模造廃墟(模造の模造と言った方が正確なのでしょうか)がつくられています。
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