今回は、名字が書かれたらしい棟木で、その名字が比較的少数派のように見えるものを選んでみました。少数派といっても、多分その地域では多い名前なのでしょう。
雨谷(あまがい 平須町)
八角形にした棟木です。名前の彫られた板を棟木にはっているようで、これは新発想のようです。
市毛(萱場町)
棟木に漆喰を塗って、正面に枠をつくって地を低くして、文字部分を盛りあげるというスタイルのようです。
大図(おおず 牛伏町)
漆喰を塗って、正面部の地を黒くして文字と枠を白くして見えやすくしているようです。四方に面を取った、変型八角形をしています。
反町(五平町)
縦に細長い棟木です。ここでは文字と枠を白く、地を黒くしています。遠くでよく分からないのですが、もしかすると、正面の枠は鉄板をはっているのかもしれません。
友部(杉崎町)
棟木の側面は黒い漆喰になっていますので、文字も多分黒だったのでしょうが、はげてしまったようです。上の市毛もそうですが、このようになっているところをときどき見かけます。
中庭(河和田)
棟木の上部を丸くして、下部は直線にして、両側を面取りしていますが、この形が一般的のようです。
塙(はなわ 飯富町)
はなわは、茨城では台地の端(はな)という意味で、塙という漢字は「土」と「高」をあわせた国字だそうです。水戸を歩いているとときどきお目にかかる名字です。
細谷(小林町)
正面の地を黒く文字と枠を白くしています。漆喰は棟木の出ている部分全面にほどこされているようです。この蔵は、なまこ壁になっています。
谷津(たにづ 杉崎町)
ここも上部曲線、下部直線面取りの形です。棟木の下にある窓の軒下には蛙股がついています。
矢ノ倉(上国井町)
八角形に面取りをして、突き出た棟木の前方部に薄く漆喰を塗って、墨で名字を書いているようです。