神社の立て看板に「昭和23年生まれは古希(70歳)」とあった。
まだ満69歳だが、数え歳では70歳になるからだ。それを見て愕然。
子供の頃、尺八吹きといえば、ヨボヨボの爺さんばかりで、
印象が悪かった。60歳になったら尺八はやめようと思って
いた。老醜をさらすのはみっともないからだ。
それが今 69歳。「老練の極み」「熟成された芸」と言って
くださる方もいるが、ホンモノを理解してくださる方は少ない。
そんな思いの中、Youtubeで『砂の器』を観た。加藤剛の
劇場映画版と、中居くんの連続テレビドラマ版。いずれも何度も
見ているが、乞食姿に身をやつして放浪する父子の姿に
人並以上に反応する私。虚無僧で全国放浪して人知れずに
朽ち果てたいという思いはつのる。
過去をすべて消し去ろうとした「和賀英了」こと「本浦秀夫」。
「宿命は変えられる」という言葉に感化されて、私も 過去の
遺物をすべて捨てることに 決心がついた。
過去を捨て去って、それは私の人生の終わりになるのか、
新たなスタートになるのか。神のみぞ知る。