現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

隻手の音声

2009-06-12 11:45:16 | 虚無僧日記
今朝の朝起会でのご本読み。「隻手の音声」。これは白隠禅師の
示した公案のひとつ。これを解くのはなかなかに難しい。

ネットでみると
「隻手とは“両手”のこと。拍手は片手では鳴らない。両手が
あってこそ音が鳴るという意味」なんて書いたのもある。
とんでもない間違いだ。

“隻手”とは“片手”のことだ。両手が無ければ拍手は鳴らないが、
その“片手”だけの音を聞くことはできるか」という命題なのだ。

TVで「えなりかずきの一休さん」という単発ドラマがあった。
一休さんが現代にタイムスリップしてきて、学校の問題を解決する
という話。モンスターペアレンツの教育ママに、手を打って「さて
右手と左手、どちらが鳴ったでしょう?」と問いかけをして、「学校
と家庭(父母)両方が一体となって子供の教育ができるのです」と
諭す内容だった。

これはこれで解りやすい。しかし、白隠禅師の問いは「隻手の音声を
聞け」というのである。「片手では鳴らない」という固定観念を
打ち捨てて、片手では鳴らない音なき音を聞けというのだ。

実践倫理の上広会長は、その著書『倫風随想』で、少し触れている。
「夫婦愛和は、まさに両手で手を叩く共同作業のようなものだが、
一方の思いだけで叩いても良い響きはしない。お互い相手の気持ちを
慮ることが必要」と。なるほど、「相手の(片方の手)の声なき声を
聞け」ということか。


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「尺八と一休語りの虚無僧一路」のホームページも見てください。

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