ある企業の「コンプライアンス(法令遵守)」研修で、
「“お客様は神様です”というが、顧客の言いなりになれば
いいというわけではない。そもそも、“お客様は神様です”の
真の意味は・・・・・」 という話が出たので、“真の意味”を
調べてみました。
「三波春夫」のオフィシャルサイトでも書かれていました。
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三波春夫にとっての「お客様」とは、三波の歌を真剣に聞いて
くださる聴衆・オーディエンスのことです。
しかし、このフレーズが真意と離れて使われる。例えば
買い物客が「お金を払う客なんだからもっと丁寧にしなさいよ。
お客様は神様でしょ?」と、いう感じ。店員さんは「お客様は
神様です、って言うからって、お客は何をしたって良いって
いうんですか?」という具合。
“クレーマー”の恰好の言いわけ、言い分になってしまって
いるようです。
三波春夫自身が「お客様は神様です」と言ったことについて
著述している文章をご紹介いたします。
【~なぜ神様なのか~】
◆三波春夫著『歌藝の天地』(1984年初刊 PHP研究所)
「お客様は神様です」という言葉が流行ったのには、びっくりした。
皆さん 面白がって、「お客様は仏様」だの、「うちのカミサンは
神様です」とか、「選挙民は神様じゃ」などといった言葉になって
広まっていった。
振り返って思うのは、人間尊重の心が薄れたこと、そうした背景が
あったからこそ、この言葉が流行ったのではないだろうか?
私が舞台に立つとき、敬虔な心で神に手を合わせたときと同様に、
心を昇華しなければ、真実の藝は出来ないと 私は思っている。
私がただ単に歌を唄うだけの歌手だったらならば、きっとこんな
言葉は生まれなかった。
浪花節という語り物の世界を経てきたからではないだろうか。
われわれは いかに大衆の心を掴む努力をしなければいけないか、
そしてお客様をいかに喜ばせなければいけないかを 考えていなくては
なりません。お金を払い、楽しみを求めて、ご入場なさるお客様に、
その代償を持ち帰っていただかなければならない。
お客様は、その意味で、絶対者の集まりなのです。天と地との間に
絶対者と呼べるもの、それは「神」である。
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ウ~む。その通り。芸人はそうでなければならない。
三波春夫は大正12年生まれ。私の母と同じ。満州に出兵、
シベリア抑留も体験している。軍隊生活でも、抑留中も
歌と浪曲で仲間を癒し、また鼓舞し、ソ連兵にまで愛された。
その“力”がすごい。“神様”が降りてきたとしか言いようがない。
2001年(平成13年)4月14日逝去。
昭和39年の「東京オリンピック」に合わせて作られたのが、
三波春夫の「東京五輪音頭」と「世界の国からこんにちは」。
次期オリンピックで これを越える歌は 作られるのだろうか。
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