江戸時代、中国地方に虚無僧寺は、石見銀山で知られる
島根県大田市大森町銀山に「西岸寺」が1カ寺在ったのみ。
それも江戸時代半ばには「無住」となっていた。
山口、広島、岡山には虚無僧寺は無かったので、虚無僧は
居なかったと思われるのだが、今回の旅で大発見。
下関から19号線を海沿いに萩へ向かう途中、川棚温泉駅を
右に折れ、車で15分ほど、下関市豊浦町中小野に「虚無僧墓」
というバス停があった。道路脇に、屋根つきのしっかりした
お堂があり、中に虚無僧を祀った墓がある。天保(1830~1834)
の頃、どこから来たのか一人の虚無僧がやってきて住みついた。
その虚無僧は、大酒飲みで、村人たちは敬遠していた。
ところがある時、村の娘が山賊に襲われた時、救ってくれた
のが件の虚無僧。弘化3年(1864)虚無僧は頭を患って死んだ
ので、村人たちが供養のお堂を建てて祀ったとか。弘化3年
は、「幕府による虚無僧の取り締まり」が厳しくなった年だ。
これも虚無僧の霊に呼び寄せられたか。一曲手向ける。
なんと、その近くには「小野の小町」の墓も。小町も諸国
流浪の末、ここに流れてきて没した。それで村名を「小野」
というとか。ただし、小町の墓は全国に28カ所もあるそうな。
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