現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

小林秀雄 『鍔』

2013-02-08 15:35:11 | 社会問題
予備校も驚く「小林秀雄」出題…センター国語(読売新聞) - goo ニュース

大学入試センター試験の 国語で、小林秀雄の『鍔』が出題されたそうな。
「小林秀雄」については、私も名前しか知らない。昭和を代表する
“文芸批評家”だそうで、1902年(明治35)~1983年(昭和58)の人。

『鐔』は 1962年(昭和37)に書かれたもので、文芸批評というよりは随筆。
小林 60歳の作品。刀の「鍔」字も読めない、本物を見たこともない
若者には、難解だったようだ。

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人間はどう在ろうとも、どんな処にでも、どんな形ででも、平常心を、
秩序を、文化を捜さなければ生きて行けぬ。

魅力に共感する私達の沈黙とは、発言の期を待っている伝説に外なるまい。

鐔の面白さは、鐔という生地の顔が化粧し始め、やがて、見事に生地を
生かして見せるごく僅かの期間にある。その間の経過はいかにも自然だが、
化粧から鐔へ行く道はない。

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たしかに難解だ。こんな文章の読解力まで、今の高校生に要求する
必要があるのだろうか。逆にこれが解けるとしたら、今の高校生って、
こんなにレベルが高いのかと驚き感心する。

私個人としては、「鍔」とか「時宗・遊行僧」「田辺尚雄」「説教琵琶」と
知ってる“ワード”がいくつも出てきてうれしい。だが、問題を見て
驚く。本分の理解力を問うのだろうが、あまりにも「受験テクニック」が
要求される出題ではないか。本分を理解し得ても、問題が解けるか否かは
また別問題。そのギャップに驚く。



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