取り込んでいた幾つかの仕事が大体目途が着いて来たので、今日は夕方から横浜駅前のショップを巡って、デザインの調査・マーケッティングをした。
随分前から、ディテールの設計に行き詰った時にはとにかく町へ出て色々なものを見ながら歩いているとフッとアイデアが浮かんでくることが多かった。
今設計している住宅のシアタールームのインテリアで吸音パネルと壁クロスの見切り材、其の色、収め方トータルな雰囲気を考えているので、其のヒントを求めながらの探索である。
横浜高島屋の2階に海外ブランドのショップが集中している。
アルマーニ、エルメス、シャネル、ダンヒル、カルチェ、ブルガリ、ルイ・ヴィトン、サルバドーレ・フェラガモ等々皆立派なショップである。
材料は、石か木をメインの素材にして後はディスプレイ家具のデザイン、短期間に施工をしているので、高級ブランドと言えども、ディテールは単純なものがほとんどだ。
むしろテクスチャーや色彩感覚に見るべきものが多い。
ここではやはりアルマーニ・メンズショップの色彩感覚が秀逸。
日本でショップデザインが脚光を浴びたのは、もう20余年程前のニコル、ビギ、コムデギャルソンなどの店舗が出てきた時であろう。
ニコルは当時売れっ子のデザイナー横田良一を擁して、シンプルなインテリアで人気を博したものであった。
彼のデザインはそれ以降ファッションショップの定番となった感がある。
私が本社ビルを設計したミレーヌ・トモダの友田社長と一緒に横田氏のデザインオフィスに行ったことがある。
商品陳列が主流であった当時の店舗に対し、彼は空間を売ると言って、商品の数を少なくし店舗を広く見せる独特の手法を持っていた。
現在のショップデザインは、高島屋などを見ても、やはり商品主流でショップの空間デザインで売っているものはほとんどない。
最近著しい躍進ぶりの東口そごうへ往く。
同じ海外ブランドショップが2階にあるが、ルイ・ヴィトンのショップが目立っている。
例の何枚かのガラスを重ねて模様のモアレを造ったファサード。唯一の空間を売る店舗である。確か建築家の青木淳のデザイン。
このあたりでは、東口のルミネにたくさんのショップが集まっている。
有名ブランドではないが、小さいながらも個性的でまとまったデザインの物販店舗が多い。
照明や、ガラスの使い方、商品棚に参考になる店舗が多い。
1階の喫茶室のインテリアが良好。バックのカーブした壁パネルが効いている。
色々歩いて、考えている間にアイデアが湧いて来た。
臙脂と黒のストライプ壁面にゴールドのL型金物の見切り材ではどうだろう。
やはりウエスチンホテルの黒と赤茶とゴールドのイメージ。カーテンの選択が課題だと思う。