木村 和美 Architect

建築家木村和美の日常活動とプロジェクトについてのブログ

六甲の山並みと海

2007-04-20 22:41:11 | Weblog
今日は神戸の六甲に出張、久し振りの良い天気で快適な出張であった。
新大阪から、JR神戸線で六甲に向かう。天気のよさに加えて私の好きな沿線の風景を楽しみながらの旅である。こちらの電車はほとんどベンチシートで、お互いの顔を見なくてすむし混雑も余りない。適度な人口密度で快適である。

西宮、芦屋を過ぎて六甲の山並みが見えて来た。中腹にマンションがたくさん出来ている。安藤忠雄の有名な打ち放しコンクリートの集合住宅が見える。其の周辺にもマンションが増え、電車から見るとこの名作も其のマンション群に埋没していた。それにしても建物が増えたものだ。

この海側には、神戸市がポートアイランドと共に、21世紀の街として造った六甲アイランドがある。もう随分前になるが安田信託銀行と付き合いがあった頃、この六甲アイランドのプランの事業コンペに応募したことがあった。ポートアイランドが外側のみで、海に接しているのに対して六甲アイランドは、島の中に水を引き込んで街を造ることを提案した。
要は当時夢中になっていたヴェネツイアのような街を作る案だったが、コストがネックであったようで入選にはならなかった。ただその骨格は採用され現在の中心交通網となっている。そんなわけで六甲アイランドはポートアイランドのように一般的に注目された計画とはなっていない。
当時は人工島が流行した時代であったが、その後関西新空港のオープンとその後の問題の顕在化、バブルの崩壊と地価下落を受けて、そのころたくさんあった人工島の計画も今はほとんどなくなってしまった。結局この神戸の二つの人工島が残っているだけである。大切に街づくりをして欲しいと思う。
至近距離で山と海の魅力を両方味わえるのは神戸を除いてそれほど多くはないのだから、、、。

六甲や芦屋地区は、大阪とも神戸とも少し違う独特の雰囲気を持った地域である。神戸の震災で大きな被害を受けたが、今はほぼ元通りに回復し美しい街並みを形成しているし、そこに住む人たちも魅力的である。
今日の出張で改めてそのことを感じ取ることが出来た。