木村 和美 Architect

建築家木村和美の日常活動とプロジェクトについてのブログ

●韓国スピード・スケートの実力

2010-02-22 20:36:10 | Weblog

 

 

バンクーバー・オリンピックが佳境に入って来て、連日熱戦が繰り広げられているがお隣韓国勢の勢いが止まらない。

スピードスケート男子と女子の500メートルはいずれも韓国勢モ・デモム(男)とイ・サンファ(女)が制した。

 

昨日、日曜日にショート・トラックの競技を見ていたら、1000メートルと1500メートルの両方とも韓国のイ・ジョンスが金メダルを取ったが、これも抜群の強さであった。

合計9個のメダルは、今のところアジア・トップである。

 

何故韓国はこんなに強いのだろうか? 

大方の見解はこれらの選手は1988年ソウル5輪の年かその後に生まれていて、その雰囲気とその後の経済成長の恩恵を受けている事、又政府による手厚い援護、メダル獲得者には終身賞金まで出るという。

さらに特別な養成施設の存在とサムソン等財閥のバックアップを上げている。

 

フィギャアスケートのキム・ヨナも1990年生まれで同様な世代。

スケートばかりでなく、今ゴルフでもサッカーでも国際的に日本は韓国勢の後塵を拝するようになった。

 

経済成長と若者の元気に関係があるとすると、確かに日本はここしばらくの低迷で、2%からマイナス成長を行き来しているのに、韓国は中国ほどではないにしても5%前後の経済成長を続けているからわからない事ではない。

もう一つあえて言えば中国との関係で、このところの韓国の中国との貿易は急成長であり文化的な人材の交流も激増と聞く。

政治的にも日本のような中国脅威論はなく、そのつながりは益々増えていくようである。

 

改めて地図を眺めてみると、韓国と中国は黄海を挟んで一体であることが良くわかる。

近代の地政学で言うと、明治以降の帝国主義の時代は日本はアングロサクソンと組んだ時のみうまく行ったという岡崎久彦氏のような意見もあり、アジア諸国との協力関係が単純でないところだが、今後はより関係を深めていかざるを得ないだろう。

 

 しかし、スポーツの強さまでお金や政治が左右するというのは何となくやりきれない気持ちである。

それが現代だと言ってしまえばそれまでだが、”参加する事に意義がある”という言葉の発端は、かのクーベルタン男爵が、祖国フランスがワーテルローで英国に敗れたとき、その原因はパブリック・スクールに於ける心身の鍛錬の違いにあることに気づき、スポーツによる訓練を目的に近代オリンピックを創設した事と聞く。

 

 ”自己を知り、自己を律し、自己に打ち克つ事こそがアスリートの義務であり、最も大切な事”という彼の言葉と、その結果勝利の女神が微笑む事を、今信じたい気持ちで一杯である。


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