南米チリで、27日にマグニチュード8.8と言う大地震が起こった。
今年1月にはカリブ海のハイチで、マグニチュード7.0の地震が起こり死者約22万人を出している。
南アメリカでのだび重なる地震が続いている。
チリの海岸沖に、海側のナスカプレートと陸側の南アメリカプレートが重なっており、ここは1960年にもマグニチュード9.5と言う世界最大の地震の被害に襲われている。
そのときは死者1700人、日本にも津波が押し寄せ142人が死亡、行方不明になったとされている。
チリの建物は南米ではトップクラスの耐震性を持っており、ハイチのように街全体が崩壊するようなことはないとのことだが、これから徐々に被害が広がっていくだろう。
日本の耐震設計は、1981年に新耐震設計法が施行され、関東大震災級の地震に耐えるよう保有水平耐力という概念の基、塑性設計法を採用、神戸の震災でも倒壊したものは多くは旧設計基準のものであり、新耐震設計の有効性が証明された事となった。
昨年暮れから、耐震設計や構造計算の問題で議論することが多かったが、姉歯事件以降まだまだこの問題に対する世間の不信感が払拭されたわけではない。
耐震設計や、耐震補強と言う言葉も現実に出来上がった建物を後から補強することなどは、そこに住んでいたり、営業している人が多いと不可能で、多くはそのままとなっているケースが多いのではないだろうか。
私が改修に携わった建築でも、第二次耐震診断を行い、最悪のケースでも倒壊や人命に被害は及ばないと言うシミュレーション結果を踏まえて、すべての補強は断念せざるを得なかったことがある。
と言う事で地震国日本の建物の危機管理も、十分とは言えないが幸い神戸以降大きな地震が襲ってこないことで表面化していないと言える。
天災は人災であるとよく言われる言葉だが、建築に関係ある立場から言うと日々の業務や仕事の進め方に、今一度注意深くかつ慎重に取り組まなければと思うことしきりである。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます