昨日は久し振りに、デューデリの仕事で、大阪に出張した。
生憎の雨模様でコンデションは良くはなかったが、移動する行為は人間の気分を随分と変えるものだと思う。
新幹線の中で、名古屋までは資料に目を通し、その後は車窓の移り行く風景を眺めながら思いにふけったが、静止して物事を考えるよりリフレッシュして余程発想が豊かになれるような気がする。
”ホモ・モーベンス”を提唱していた黒川紀章さんは、私が接していたころは、事務所にいる時間は半分で、後は海外か地方出張で文字通り”動民”を地で行っていた。
忙しく変化する生活態度の中でこそ、他人には出来ない発想が出てくるのだと言ってはいたが、東京の日常性でイヤな事があっても、すぐ海外や地方に出ると切り替えて忘れられると時々は本音も漏らしていたものだ。
デ・センターのデとは、位置をずらすと言う意味で、気分転換と言い換えてもよいだろう。
一方で氏は旅に出なくても、精神をトリップさせ発想を豊かにする事で創造的な仕事が出来ると言って、それを”魂の旅”と呼んでいた。
読書や異質な人との対話の積み重ねの中で精神の旅は十分出来る事を言っていた。
大阪都心と、空港を結ぶ大阪モノレールに初めて乗ってみたが、周辺の風景を見ると随分と高いところを走っているようで、もう一つしっくり来なかった。
旅の印象についてはその移動手段も大きく影響する。
最近森ビルが、六本木のアークヒルズのヘリポートから成田空港まで30分でいけるヘリコプターを運行している事を聞いた。(写真)
これは内装をフランスのエルメスが担当したヘリコプターらしいが、アークヒルズ周辺を、アジア有数の国際的な街にしたいと、更に広い範囲で再開発を目論む森ビルらしい作戦だと思う。
政権交代はしたが、何かと不安定な時代の空気を感じさせるこの頃、意識的にデ・センターを心掛け、心身ともに旅をしてそれぞれの人生を生きて見てはどうだろうか