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「菅リスク」排除、首相の指示権を限定 原子力規制委法案で民自公合意

2012年06月15日 | 福島原発事故
民主、自民、公明3党は13日、新たな原子力規制組織「原子力規制委員会」の設置関連法案の修正協議で、原発事故が発生した場合、原子炉への海水注入など専門的な判断は規制委が下し、首相の指示権は規制委の判断を促すことなどに限定する修正案で合意した。他の主要な論点もほぼ合意し、事実上、新たな規制組織の姿が固まった。今後、議員立法で新たに法案を提出し、今国会中に成立する見通し。

 修正案では、自公案に沿い、国家行政組織法第3条に基づく独立性の高い原子力規制委員会を新設。政府・民主党案にあった原子力規制庁は規制委の事務局組織に位置づける。規制委の委員は首相が国会の同意を得て任命する。

 原発事故などの際、ベントや海水注入といった技術的・専門的な決定は規制委が行い、首相がその決定を覆すことはできない。首相の指示権が及ぶ範囲は、規制委の決定を「追認」することと、技術的な判断が遅れている場合、判断を急ぐよう「促す」ことの2点に限定する。自衛隊や消防への出動要請は規制委の判断に基づいて首相が行う。

 東京電力福島第1原発事故では、菅直人前首相がベントや海水注入をめぐり現場に介入を繰り返し、作業の妨げになったことが民間事故調や国会事故調の調査などで明らかになっている。

そうした「菅リスク」を念頭に、自公は緊急時の首相の指示権制限を主張。一方、政府・民主側は「危機管理上、最低限かつ最後の手段であり、首相の指示権は不可欠だ」(野田佳彦首相)として調整が難航していたが、最後は指示権の大幅制限で譲歩した。指示権が及ぶ対象を規制委に限ったのは、菅氏のように事業者に直接指示を出すことを防ぐためだ。

 ただ、危機管理対応に必要な資質は専門性だけではなく、規制委の人選次第では極端な規制に走る可能性も排除できない。発足にあたっては慎重な人選が求められそうだ。

 このほか3党は、原発の運転期間を原則40年とする規制強化策について、規制委が発足した後、改めてその妥当性を判断させることでも合意。また規制庁発足に伴っては、経済産業省などから移籍する全職員について、原則として出身省庁に戻さない「ノーリターン・ルール」を適用することも確認した。



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