夜7時頃だったか… 某住宅地から数名のお年寄りが乗車した。最後に乗ってきたお婆さんが助手席にカバンを載せて中をゴソゴソと… 財布か何かを探しているようだった。
そして、見つかった財布から200円を出して運賃箱へ入れた。すると、車内後方から「一日券を買えばいいがや!」と言うお爺さんの声が聞こえた。お婆さんは「もう入れちゃったけど…」という独り言に続けて、「一日券(850円)を下さい」と私に言いながら千円札を出した。
私が「こんな無駄な200円はないよなぁ… こういう場合は…」と考えながら350円を用意していたら、お婆さんが「あっ! あったあった」と言いながらフリーパスを見せたのである。
私は「それじゃ、一日券はいらないですよね」と言いながら200円を差し出した。すると、お婆さんが「千円… 私の千円…」と言った。私は慌てて「あぁ~! すいません。そうでしたね」と言いながら、一旦は預かった千円札も返し、二人で笑った… 一つのことに頭が行っちゃうと、もう一つのことがねぇ… こりゃ死んでも直らんわ。