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カール12世の遺体、再調査へ?

2009年12月12日 22時15分09秒 | 大北方戦争+軍事史
仕事にかまけてチェックしていなかったが、ストックホルムのリッダルホルム教会に安置されているカール12世の石棺を開け、その遺体を再調査する計画が持ち上がっているようである。(実施されれば、今回で5回目の石棺開放となる)
以下はその詳細。原文はスウェーデン語なので、訳は英訳以上に適当なのでご了承願います。

カール12世の遺体、再調査へ?

DN.se 2009/10/21

http://www.dn.se/nyheter/sverige/karl-xiis-grav-far-oppnas-igen-1.979230

現在、研究者たちによりカール12世が眠る石棺の蓋が開けられようとしている。その目的は、最新の技術を駆使して、1718年に王を死に至らしめた弾丸の材質を明らかにすることにある。

しかしこの計画は資金不足により中断あるいは中止に追い込まれるかもしれない。

スウェーデン宮内庁(Riksmarskalk)はすでにストックホルムのリッダルホルム教会に安置されている王の石棺を開ける許可を出している。しかし最終許可は、作業の詳細計画を提出した後でなければ下りない。

カール12世は1718年に軍を率いてノルウェーに侵攻した。そして王は11月30日に左のこめかみを撃ち抜かれて、ノルウェー国境ハルデンで命を落とした。それ以来、歴史家たちは、その死の真相について議論を戦わせてきた。つまり、王を死に至らしめた弾丸はノルウェー軍からのものだったのか、それともスウェーデン側からの暗殺者からのものだったのだろうか? ということである。

この論争に終止符を打つため、昨年、研究者たちはリッダルホルム教会のカール12世の遺骸について、歴史学と法医学の見地から調査したいと願い出ていた。たしかに、これまでに王の石棺は4度開けられており、最後の試みは1917年に実施されている。しかし、近年の技術の革新は目覚しく、今度こそは新たな発見が期待できると思われている。

王立科学院(KTH)の専門家たちは、電子顕微鏡を用いれば、頭蓋や周囲の骨の欠片に残されていると思われる金属酸化物や金属残留物を見つけることができるだろうと述べている。そして仮に、鉄や鉛の痕跡が発見されれば、ノルウェー軍の弾丸による戦死説は説得力を増すだろう。そして、もし真鍮の痕跡が発見されれば、それは暗殺説にとって極めて有力な証拠になると思われる。というのも、伝承によれば、王は自らの軍服についていた真鍮製のボタンを弾丸に仕立てたものによって暗殺されたとされているからである。

「我々は弾丸の構成材料についてあらゆる調査を行い、最終的には王を死に至らしめた原因についてのあらゆる推論についての議論に終止符を打ちたい」と、この計画の提唱者の一人である王立科学院の元研究技官ベングト・グリセル氏は述べている。

しかしこのDNA分析までも含んだ計画は資金不足により瀬戸際に立たされている。グリセル氏らの試算によると700,000から800,000SEKにおよぶ資金が必要で、特に重い大理石の蓋を持ち上げる難しい作業に多くの資金を要するとのことである。

そのため「現状の第一の課題は、計画に資金を提供できる人物を探すことである」とグリセル氏は語った。

もし彼らが発掘と分析にかかる資金の問題を解決できたならば、計画は来年にも実施される予定である。そして、すべてが計画通りならば調査は14日間で完了する予定である。

PO Lindstrom / TT

【コメント】
実施されれば、かなり興味深い結果が得られるだろう。現状では戦死説が有力だが、果たして結果はどうなるだろうか。資金繰りが厳しいようだが、何とか実現して欲しいものである。

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1 コメント

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