ヴァンスの次に隣町のサンポール・ド・ヴァンスに向かった。来る時と同じ路線のバスで15分ほど引き返すだけで到着する。
この町も14世紀に造られた城壁に囲まれた山岳都市だ。朝一で出かけてきたので、少し腹もすいてきた。
外壁からはどこからでも見晴らしの良い風景が広がる。それで、周辺の景色を眺められる高台に腰掛けて少し早い昼食。
といってもブリオッシュ、バナナ、ジュースといった軽食だけど・・・。気分が良くなってここから日本の自宅へ遠距離電話をしてしまった。
この町にはモディリアニ、ボナールなどの芸術家も訪れたし、シャガールも1966年にこの地にアトリエ兼住宅を構えている。
サンポール・ド・ヴァンスの町は山岳の頂点に教会があり、傾斜と共に住宅群が連なる。その周囲を緑が囲み、柔らかい陽光が街全体に降り注いでいる。
シャガールはこの光を「最も美しい光」と称賛している。
当時、2番目の妻ヴァレンティナ(通称ヴァヴァ)との生活を始めており、1985年3月に97歳で息を引き取るまでこの地で創作活動を続け、亡くなった後もこの地で眠り続けている。
共同墓地は城壁の外にあった。南側の外れで、墓地には門があったがカギが開いておりすんなり入ることが出来た。
墓石には一番上にシャガールの名前、その下にヴァヴァ、一番下には彼女の弟の名前が記されていた。
ヴァヴァとは、最初の妻ベラが亡命先のアメリカ滞在中に急死、失意の中でフランスに戻った際に知り合った。晩年のシャガールを献身的に支えた女性だ。
墓石のうえには小石が載せてあった。これはユダヤ人の習慣なのだという。
ここも高台にあり、墓からコートダジュールのはるかな風景を見渡すことが出来るロケーションになっていた。
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