明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。新年もコートダジュール企画を続行して行きます。
シャガール編に続いては同じくこの地域に住んだ画家アンリ・マティス編を開始します。
マティスにもゆかりのヴァンスには、ロザリオ礼拝堂がある。マティスが晩年に心血を注いだ礼拝堂だ。
この礼拝堂には感動的なエピソードがある。
マティスがこの仕事を引き受けたのは77歳の時。きっかけは、ジャック・マリーという、ある修道女からの相談だった。彼女はかつてマティスが病に倒れた時に、手厚く看病してくれた人物で、モデルも務めたことがあった。彼女はその後修道女となっていて、新しい礼拝堂の建設を計画したが、なかなか実現は難しい状況だった。
それを聞いたマティスは、この話を「神からの贈り物」と受け止めた。そして病弱な体をものともせず、1948年から3年をかけて完成にこぎつけた。
そんな心のこもった礼拝堂にやっと会える!
地元の人に「ロザリオ礼拝堂は?」と尋ねても通じなかったが、「マティスの教会」と言ったらすぐにわかった。
少し歩くと坂の上にその姿を発見した。白い外壁がまぶしいほど。屋根も青と白のすっきりした色彩だ。
坂を上って、ようやく目の前に礼拝堂が現れた。
壁には聖ドミニコと聖母子の姿がマティス独特のタッチで描かれている。
窓はステンドグラスの光を跳ね返してキラキラ。
十字架を表現した屋根の上の柱が金色に輝いている。
マティスは献堂式で「この作品は、私の芸術家人生のすべての結果です」と語ったという。
さあ、いよいよ礼拝堂に入ろう!と入口に回って見ると、
何と「22日まで休み」の張り紙が。日本出発前にホームページでチェックした時には「12月は17日まで休み」とあったので、18日に訪れたのだったが・・・・。20日にはニース出発なので、残念ながら今回は難しい状況になってしまった。
仕方なく、窓から透けて見えるステンドグラスのデッサンを覗いたり、
光を受けてシルエットとなった十字架を写真に撮ったりして、
何度も振り返りながら、礼拝堂を後にした。
(なお、トップの礼拝堂内部の写真は、絵葉書の複写です)
昨年は、お写真と記事に癒されて、元気をもらえた年でした。
今年も、まだ旅行などは思いきれないので、記事を楽しみにしたいと思います。
外観からでも、温かみを感じますね。
エピソードを読んだからかもしれませんが、絵やステンドグラスのデザインがほっこりするタッチだからかもしれません。
新年おめでとうございます。
また新型株の流行で遠出は難しくなってきたので、変わらず昔の旅を連載します。
この時の旅は天候もイマイチの上予想外のことが起きて大変でした。でも、今となっては良い思い出だけが残っている感じです。
今年もよろしくお願いします!