新イタリアの誘惑

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パリを歩く⑬ サルトルからゲンズブール、ボードレールまで。墓地なのに華やかな場所になっていたモンパルナス墓地

2019-04-02 | パリ・街歩き

 パリ出発日の朝、電車の時間まで時間があったので思い立ってモンパルナス墓地に行ってみた。

 入ってすぐのところにあったのが、あの哲学者ジャン・ポール・サルトルとボーヴォワールの墓。実存主義の第一人者出あり、「嘔吐」などの著書を持つサルトルと、「第二の性」で知られ、女性解放運動の草分けであるボーヴォワールはお互いを認め合う仲。ボーヴォワールの故郷であるモンパルナスに住み、近くのカフェで語り、作品を記す姿がよく見られたという。

 ‟信者”も多く、この日も花束が添えられていた。

 これはジーンセバーグの墓。ハリウッドスターだったセバーグは「悲しみよこんにちは」でセシルカットというショートヘアで颯爽と登場した。その髪型は大流行したことでも知られる。その後も「勝手にしやがれ」の主演などで活躍したが、後年うつ病にかかり40歳で自死するという悲劇的な最期を遂げた。

 花束の前には彼女自身の明るい笑顔の写真が備えられていて、ほっとする気持ちにさせられた。

 こちらはセルジュ・ゲンズブールの墓。歌手、作詞作曲家、俳優とマルチな活躍でフランス女性を虜にしたスーパースター。ジェーン・バーキンと事実婚をし、ブリジッド・バルドーとの付き合いも話題になった。

 ここには何枚ものポートレート額入りで飾られ、相変わらずの人気ぶりだ。

 数年前に彼の自宅前を通った時、家の壁が沢山の落書きで埋め尽くされていたことを思い出す。

 マンレイの墓。画家、写真家、彫刻家の顔を持つ、シュールレアリスムの旗手。以前彼がアトリエにしていたビルを訪れたことがある。何度か結婚、恋愛を繰り返したが、今は最後の妻となったジュリエット・ブラウナーと一緒の墓に入っていた。

 あちこち探してやっと見つけたボードレールの墓。通路と面しておらず、横向きに墓が立っており、わりと地味な造りになっていた。

 墓碑には口紅のような赤い印がついている。

 供えられていた見事な花束。

 ようやく青空が広がり、心地よい空気が周囲を包み始めてきた。


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