東京国立博物館。現在の帝冠様式の建物は1939年に鉄骨鉄筋コンクリート造で完成した。中央階段はまさに日本を代表する博物館の正面に相応しい姿だ。 どっしりと入場者を抱え込むかのような、大きな包容力で出迎えてくれる。
設計は渡辺仁。横浜のホテルニューグランドなども彼の設計だ。
斜め横から見ると、1階から踊り場を経由して2階に伸びる手すりの折れ曲がり具合も観察できる。いい具合だ。
2階に上った。見下ろすと、階段の幅広さがゆとりと安定感を実感させる。
1階と2階をつなぐ踊り場も、余裕をもって造られているのがよくわかる。
正月明けに訪問した時には、その踊り場に生け花が飾られて華やいだ雰囲気が漂っていた。
国立博物館のすぐ脇にある黒田記念館。日本の近代洋画界を代表する画家黒田清輝を記念する館だ。ここの螺旋階段には赤じゅうたんが敷かれて重厚な趣だ。
ただ、最下階にはそれがなく、上から見下ろすとかえってその色彩のコントラストも面白く感じられた。
木製の手すりが、使い込まれて黒光りしている様も観察出来る。ここでは黒田の代表作「智・感・情」などの絵画が定期的に公開されて鑑賞できる。
コメント有難うございます。階段紀行の東京編ですが、今回から数回は上野公園周辺の階段特集になります。
というのは、上野には美術館、博物館など凝った建物が多く集まり、それぞれに面白い階段が存在しているからです。表慶館や東京文化会館などの素敵な階段も順次アップしますので、楽しんでください。