都庁舎のプロジェクションマッピングは、4月末までは午後7時から30分ごとに5回、午後9時まで行われている。
各回の上映時間は15分程度で、次回の開始まで15分の休止時間が設けられている。
確かに色彩的には華やかで、スクリーンの大きさが桁違いなので迫力も感じられる。
ただ、個人的な感想は「・・・・」。
映像に何の一貫性も、全体を貫くテーマというものも感じられなかった。
私はフランスでいくつもの大聖堂をスクリーンにしたプロジェクションマッピングを見てきたが、それらにはしっかりしたテーマがあった。
象徴的なものはルーアン大聖堂のプロジェクションマッピング。この地は、印象派の巨匠モネが住み、睡蓮の大作を残したジベルニーの近くにあり、大聖堂そのものも何作も作品に残している。そんな背景を生かして、映像はモネの作品をテーマに制作していた。
また、あの中世のヒロイン・ジャンヌダルクが火刑された場所でもあり、ジャンヌの生涯を象徴した作品が上映されていた。
常設の上映ならばなおのこと、こうした地域と歴史が融合された内容を盛り込んだものこそ、インバウンド需要も含めて各界の注目を集めるものになるのではないのか、と感じる時間だった。