グッピオは中部イタリア・ウンブリア州の斜面にある古い町。人口3万人の小さな町だが、美しい景観を持つ地域でもある。
そのランドスケープ・コンソリ宮殿(執政官宮殿)は14世紀のゴシック様式。正面の階段は、上部が直線だが、下部は半円形の波のような広がりを持つ洒落た姿にまとめられている。
横から眺めても、なかなかに美しい。
この宮殿の前は広場になっており、そこから下の市街地を眺める見晴らし台にもなっている。薄茶色の建物が広がる光景もまた、いかにもイタリアらしい雰囲気だ。
高低差の大きな町だけに、階段、坂道はあちこちに。こんな長い長い階段も当たり前のように見かけられた。
従って、犬の散歩もまた、階段を避けることは出来ない。2匹も犬を連れたご婦人、坂道も何のその勢いで、階段を上り下りしていた。
そんな町だけに、高台にある教会へはケーブルカーが設置されていた。といってもかごのようなものに一人一人立ったままで乗る仕掛けで、スリル満点。ちょっと足元がぶるぶる来る感覚を覚えてしまった。
この街に来たのは「キリストの死の行進」を見るため。町外れの教会から「死せるキリスト」の像が町に出発するところを現場で目撃した。後ろのマリア像に見守られながら出発する光景は荘厳なものだった。