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ー白銀の巫女ー桂木透子ー
宇宙戦艦ヤマト2202外伝
第四十一話
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大帝であるズォーダーの逆上によって、自らの民をも犠牲にしてまで,滅びの方舟を完全復活させた。
崩壊する都市帝国から、辛うじて脱出した私は、古代の質問に答えた。
「懐妊しているわ。私もあの傀儡もね。」
私のお腹の子は、クラウス・キーマンの子。
あの傀儡の子は、大帝ズォーダーの子。
初代のズォーダーこそ、性器を持たなかった。
しかし、代を重ねる毎に全てを引き継ぐ過程で、少なからず疑問も生まれる。
そんな中、その少しずつ蓄積された疑問を、解決するべく、ズォーダーを継ぐ者は、先代からの遺伝子細胞を改良、性器を造り出した。
元々、私の初代シファル・サーベラーは人間。
地球人類と何ら変わらない人間。
性器も元々から存在している。
滅びの方舟を起動させるには、人間の裁定が必要だった。
不幸にして初代シファル・サーベラーは命を落としてしまった。
けれども、ズォーダーは諦めはしなかった。
理由は、さっき私がズォーダーに突き返した台詞そのまま。
それだけでは無かったけどね。
ゼムリア人の死滅とアケーリアスの残した遺産、人間の根絶。
それを成し遂げる為に、クローンを持ち要り、起動を試みた。
しかし、結果は起動しなかった。
クローンの人間が駄目なのではなく、人間として、子孫を生み出す機能を有して、はじめて人間と認めるものだったから。
代が代わり、ズォーダーはその事に気がついた。
気がついたズォーダーは、初代シファル・サーベラーの遺伝子細胞を操作する事欠く、"純粋体"をクローンではあるけど、造り上げ、また、サーベラーが失敗した時の為に自らも、性器を有する身体へと改良した。
裁定者として、哀しみを心に秘め、云わば志し半ばで死んでいった純粋体として、蘇ったシファル・サーベラーを捧げた。
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そして、大帝ズォーダーの読みは当たり、私たちが都市帝国と名付けた滅びの方舟は起動した。
だけど、性器を得た事で、純粋体の全てを引き継ぐ私が、彼のズォーダーの深層に潜む"企み"を知る事を恐れ、記憶を操作し、地球へと赴かせた。
赴かせたと云うのは、ズォーダーにとって、表向きの事。
私は本来、三年前に送り出されるはずだった・・・
ガミラスと地球とで戦争をしていたあの三年前にね。
理由は簡単、戦果に巻き込まれ、居なくなれば事幸いとね。
けど、"ヤマト"という存在を知り、それは見送られた。
そんな時、地球は、ヤマトはガトランティスの興味深い敵となったわ。
ここからは古代、貴方も知っている通り、私は死ぬこともなくカラクルムを利用して、地球へ地球人に成り済まし、ヤマトへ乗り込だ。
「この傀儡は裁定者の予備として造られ、純粋体のズォーダーを造り出しす為に、大帝と性を交えた。」
「このサーベラーもまた、私同様に白銀の巫女シファル・サーベラー。」
「古代。このサーベラーは私が預かる。」
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私は古代の顔を真っ直ぐに見つめ、告げた。
古代は口を開く事は無かったが、「解った。」と判断出来る顔を見せた。
「古代。ヤマトへは送るが、あとを追うな。」
「滅びの方舟は……滅びの方舟は大帝ズォーダーの魂。」
「その魂を撃ち抜け。」
「その時こそ、この宇宙にテレサの願う宇宙全体の平和が、訪れる!」
「一発で仕留めろよ。二度目はないぞ。」
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自らが引き起こし、得た結果がもたらしたもの。
愛を常に口にするけど、愛を本当の愛を知らない。
歪んだ愛を愛だと思い込み、産まれた滅びの方舟=大帝ズォーダーの魂。
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「純粋体……シファル・サーベラーよ。」
「何故、わたしを助けた?」
「わたしは敵なのだぞ。」
「貴女は人間。それ以上でも、それ以下でもない。人間だから助けた。」
「理由に成ってないかしら?」
「……人間。人間か。」
「いい響きだな。」
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つづく。
使用している画像はイメージです。
一部、ネット内に出回っている拾い画像を使用しています。
この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
一部、公式より引用。