鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

ー復讐のスワン③ー攻殻機動隊外伝

2018-09-14 04:40:54 | 攻殻機動隊二次創作


ー復讐のスワン③ー
攻殻機動隊外伝


【カウントダウン】


「私が乗っ取った旧式の潜水艦は、草薙素子、お前の事だから、もう気がついているであろう、戦略大陸間弾道核ミサイルの発射準備は既に整っている。」

「20基のミサイルの内、1基だけが核ミサイルだ。」

「そして、その核ミサイルの標的は首都:新浜ではない。」

「このチャンスを生かすも殺すも、お前たち次第だ。」

「さて、カウントダウンを始めるとしようかね。」

「ウフフ。」
素子を前にして、不適に笑うオデット。

だが、この時オデットは1つの活火山の映像を一瞬だが、思い浮かべてしまったのだ。

「核の目標は新浜では無いだと。」
素子が呟くように発した。

素子のバックアップをしていたイシカワは、その一瞬の映像をダウンロードしていた。

「少佐!!奴は、オデットの核ミサイルの目標は「アイスランドの火山だ!!」

「今、オデットの一瞬だが、思い浮かべてた火山の画像と、世界にある活火山を照合した!!」

「アイスランドのラキ火山だと!?」

「仮にラキ火山だとして、残りの19基のミサイルは何処へ向かわす気だ?」

「おそらく日本、「浅間山」だ!!」

「ミサイルの誘爆を利用して浅間山を噴火させる気だ!!」

「なんだと!!」

「それでは奴は、オデットは現首相のよう子・Kaburgi・ジークフリート氏の暗殺だけが目的では無いと言うことか。」

オデットの目的は「人類」そのものを抹殺する事が目的であったのだ。

素子はロングボウ(改)にガンナーとして搭乗する「鷹の眼」を持つスナイパーであるサイトーへ、電脳回線を使い、核ミサイルを含む20基全ての推進部を狙い、「大東京湾」内に撃ち落とすよう命じた。


◆◆◆◆


《ラキ火山》

アイスランド南部の単成火山。
スカフタフェットル国立公園内のキルキュバイヤルクロイストゥルの近くにある。
ラキはグリムスヴォトン火山、エルトギャゥ、カトラ火山などと火山帯を構成している。
この火山帯は北東 - 南西方向に横たわり、ミールダルスヨークトル氷河 とヴァトナヨークトル氷河の間に位置している。
934年に大規模に噴火している。1783年にはその横のグリムスヴォトン火山と相次ぎ噴火して、大量の溶岩と火山灰を発生させた。

更に、1783年6月8日、地下水がマグマに触れて水蒸気爆発が発生し、長さ26kmにわたり130もの火口が誕生した。
線状噴火だ。
そして、噴火規模は次第に収まり、プリニー式噴火、ストロンボリ式噴火、そして溶岩流を主体とするハワイ式噴火へと変わっていった。
この噴火でスカフタ川の炎(Skaftáreldar または Síðueldur)と呼ばれ、約15 km³の玄武岩溶岩と0.91 km3のテフラ(火山灰など)を発生した。
溶岩噴泉は高さ800-1400mに達したと推定される。
溶岩の噴出は5か月も続いて終わったが、噴火自体は断続的に1784年2月7日まで続いた。

ラキ火山近郊のグリムスヴォトン火山でもまた1783年から1785年の間に噴火が起きている。双方の噴火により、800万トンのフッ化水素ガスと1億2000万トンの二酸化硫黄ガスが噴出し、付近の羊の80%、50%以上の牛と馬を殺し、住民の21%の命を奪った飢饉が発生した。
噴煙は噴火対流によって高度15kmにまで達した。
この粒子の影響で、北半球全体の気温が下がった。ヨーロッパでは「ラキのもや」と呼ばれた。イギリスでも火山灰が降り、1783年の夏は「砂の夏」(sand-summer)と呼ばれた。

アイスランド国内への影響 は、
アイスランドには壊滅的な被害をもたらした。
噴火後の飢饉で21%の住民が死亡した。
そして羊の約80%、牛の50%、馬の50%が、放出された800万トンものフッ素化合物により歯のフッ素症と骨のフッ素症が原因で死んだ。
それだげではなく、溶岩が流れ出すと氷河が溶け出して洪水のような水が下流域の集落に流れ込み、21の村が破壊され、241人が亡くなった。
更にはヨーロッパへの影響 も報告されている。
空気中に1億2000万トンもの二酸化硫黄が放出された。
これは、1991年のピナトゥボ山噴火に匹敵し、ヨーロッパにおける2006年工業製品生産量の3倍に相当する。
この二酸化硫黄粒子は西ヨーロッパ全体に広がり、1783年から1784年の冬までの間に何千もの人が死んだ。

1783年の夏は記録的な猛暑で、アイスランド上空に巨大な高気圧が発生し、南東方向に風が吹いた。毒の雲はデンマーク=ノルウェーのベルゲン(スカンディナヴィア半島先端)に到達し、6月17日にはボヘミアのプラハに、6月18日にはベルリンに、6月20日にはパリに、6月22日にはル・アーヴルに達した。6月23日にはイギリスに達した。
あまりに霧が深かったため、船が港から出られなかった。また、太陽は「血の色 (blood coloured)」と呼ばれた。
人々は硫黄化合物のガスを吸い込み、肺の柔組織が腫れ上がったため、呼吸困難になった。
フランス中部のシャルトル市の死者数は8月と9月に40人ずつ増加し、局地的死亡率が5%ずつ上昇した。
イギリスの記録では、屋外労働者の死者が増加し、ベッドフォードシャー州、リンカンシャー州など東部沿岸の死亡率が2~3倍になった。8月、9月にイギリスで中毒死した人は23,000人と推測されている。

雹を含んだ激しい雷雨を引き起こし、秋に収まるまでに多くの牛が死んだ。
さらに1784年の冬には寒波をもたらした。ハンプシャーのセルボーンに住むギルバート・ホワイトは、氷点下の気温が28日間続いたと記し、以下の記録を残している。

「一発の核でこの悪夢が甦がえっちまうんだ!」

「驚く事に遠く離れた日本にも影響があったんだ!」

日本では、1783年(天明3年)の浅間山の噴火と重なって冷害が発生し、合わせて天明の大飢饉の原因になった。って訳よ。

「だから、奴はアイスランドのキラ火山と日本の浅間山を狙ったんだよ!」

「解った。」

「イシカワ。他に拾えた情報は無いか?」

「今、探ってる。」

「解ったら教えてくれ。」
そう云うと素子は一度、電脳回線を切った。


◆◆◆◆




「トグサにパズ。久しぶりだな。」

「大筋の事態は把握している。」

「少佐に貸与している艦(ふね)では戦力的にキツイ。そこでワシの権限だけで動かせる艦隊を出撃させた。」

「お前たちは総理の警護にあたれ。」

「内閣官房長官にはワシから連絡済だ。」

荒巻国防大臣の全面協力にはより、トグサとパズは総理の警護にあたり、援軍が大東京湾へ向かっている事を少佐に、電脳回線を使い報告を済ませた。

《第一防衛艦隊:戦術指揮空母:赤城&護衛巡洋艦:山城》イメージ

『日本国防海上自衛軍=国防海軍』第一防衛艦隊旗艦:戦術指揮空母:赤城
同じく、第一防衛艦隊:護衛巡洋艦:山城の二隻が少佐率いる情報収集艦: 『陸上自衛軍最新鋭:セミオート情報収集艦:レヴァイアサン』援軍として赴く。


◆◆◆◆


《魔女のロット・バルト》

「さぁ~て、そろそろオデットの呪いの魔術を解いてやるとするかね。」

「オデットが子を宿したその時、再びこの人間の世界に災いを招く事になるけどね。」 

「ウフフ。」

「オデットが宿すその娘(こ)は、あたしの愛娘『オディール』。」

「楽しみだわ。」

「ウフフ。」




◆◆◆◆





「ミサイル初弾の発射を確認!!」



『陸上自衛軍最新鋭:セミオート情報収集艦:レヴァイアサン』:オペレーターが叫ぶように素子に報告した。
その報告とほぼ同時にバトー、そして国防海軍:第一防衛艦隊司令から迎撃に向かうと報告が素子に飛び込む。

「こちらバトーだ!!少佐。なんとか間に合ったみたいだな。」

「元課長も行動力は衰えてねぇみたいだ。」



時を同じくして。



「第一攻撃機隊及び第一迎撃隊は、全機発艦せよ!!」

「繰り返す、第一攻撃機隊及び第一迎撃隊は全機発艦せよ!!」

戦術指揮空母:赤城の非行甲板は、朝夕の通勤ラッシュ並み、いや、それ以上の慌ただしい情景が繰り返す。

「目標を捕らえた。迎撃に入る。」

「C.I.C了解した。健闘を祈る。」



「バトー。私は奴の、オデットの潜水艦に乗り込む。」

「ミサイルの迎撃は国防海軍へ任せ、私の援護を頼む。」

「了解した。」

「ロングボウ(改)をそっちへ向かわす。」

素子は搭載してきたヘルハウンドへ搭乗し、接舷したオハイオに乗り込んだ。
オハイオの上空は第一攻撃隊、六機が取り囲むように旋回する。
素子はオハイオの司令塔に潜入するが、そこにはオデットの姿は無く、代わりに小さな赤ん坊が暖かそうなブランケットにくるまれて、艦長シートをベッド代わりにすやすやと寝入っていた。



「……この子が!?」

「この子がオデットだと!?」

「まだ義体化もされていないこの子が、オデットなのか?」

素子は辺りを見回した。艦内調査の為、ボーマをオハイオへ呼び出し艦内をくまなく探した。
司令塔のシートに眠る赤ん坊以外に人、アンドロイドやロボット類は見つからず、また、外部から遠隔操作されている様子も伺えない。
素子はオハイオを素子たちの援軍として任務に付く国防海軍に任せた、新浜港への帰路についた。


◆◆◆◆


「ところで、この赤ん坊は誰が育てるんだ?まさか、お前じゃないよな?少佐。」

「それも有りかもな。」

「マジかよ!!」

「大きな声を出すな。起きちゃうだろ。バトー。」

「総理が養女として、育てる事になったよ。」

「さて、一仕事の後のレクリエーションタイムだ。」

「みんな。休憩室で私のポールダンスを披露するぞ。」


いづれ人類は抹殺される……

「ん!?今、誰か何か云ったか?」

レクリエーションルームに集まる仲間たちは、誰一人とし首を縦に振る者は居なかった。

「気のせいか……。」



イメージ曲安室奈美恵より。《want.me want.me》

エンディングイメージ曲
攻殻機動隊より。


~fin~


《トグサの愛用銃》「マテバ」

種類 回転式拳銃
製造国 イタリア
設計・製造 マテバ社
仕様
種別 リボルバー
口径 .357
銃身長 152mm
ライフリング 6条/右回り
使用弾薬 .357マグナム弾
.44マグナム弾
.454カスール弾
装弾数 6発
作動方式 ダブルアクション
全長 275mm
重量 1,350g
銃口初速 548.64m/s(1,800ft/s)
歴史
設計年 1997年
製造期間 1997年-2005年
テンプレートを表示
マテバ 6 ウニカは、イタリアのマテバ社(MA.TE.BA, Macchine Termo-Balistiche)が1997年に開発した回転式拳銃。

特徴
銃身の跳ね上がりを抑えるために弾倉の一番下の弾を発射するという構造を持ち、用途によって自由に銃身を換装できる。リボルバーでありながらオートマチック機構を備えているため(他にもこの機構を備えているリボルバーはあるが)「オートマチックリボルバー」とも呼ばれる。

本銃でいうオートマチック機構とは、初弾をシングルアクションまたはダブルアクションで発射し、その反動で銃身からシリンダーまでがわずかに後退することで撃鉄を自動的に起こし、シリンダーを回転させるというもの。リボルバーの機構的な信頼性と、自動拳銃並みの引き金の軽さによる命中精度の両立を目指している。

機種名の6Unicaは、6も含めてイタリア語読みで「あなただけのもの」という意味を持つ。



《パズの愛用銃》「44オートマグナム」


種類 自動拳銃
製造国 アメリカ合衆国
設計・製造 AM社
TDE社
HIGH-STANDARD社
AMT社
性能
口径 .44口径
銃身長 149mm
ライフリング 8条左回り
使用弾薬 .44AMP
装弾数 7発
作動方式 ショートリコイル
ターン・ボルト方式
全長 295mm
重量 1,600g
銃口初速 396m/s
オートマグ(英:AutoMag)は、1969年に発表、ハリー・サンフォードにより設計され、1970年からオートマグ・コーポレーションによって一般発売された世界初のマグナム弾を使用する自動拳銃である。後継機種として発売されたオートマグシリーズと区別する意味で「.44オートマグ」とも呼ばれる。

特徴
回転式拳銃にマグナム弾薬が使用される製品ができた事に対し、オートマグ・コーポレーションは、当時の新技術だったステンレス鋼を使用する事でマグナム弾の使用に耐え、メンテナンスもしやすくなる事を目指した。

ボルトの閉鎖機構には、自動小銃で用いるような「ターン・ボルト・ロッキング・システム」を採り入れ、閉鎖不良を回避するためのボルトアクセロレータも取り付けられている。ステンレスモデルのみの発売であり、大型のレシーバー一体型銃身は上部にリブが設けられ、大型のクーリングホールが開けられている。使用実包は.44AMP(.44 Auto Mag Pistol)。

自動拳銃の利点である装弾数や反動軽減、発射ガスの利用効率の良さなどから、当時世界最強の拳銃とされていたS&W M29を超えるとの期待もあって、先行予約では8,000丁の受注があったとされる。 しかし、後述のさまざまな欠点により「オートジャム(作動不良)」という蔑称が生まれ、商業的には失敗し、AM社は1年余りで倒産した。その後もメーカーが売却や合併を繰り返したため、刻印が「AM」、「TDE」、「HIGH-STANDARD」、「AMT」(AMTが少数販売したカスタム用レシーバーは「Auto-mag Corporation」を表すAMC刻印)などに変化しながら製造販売され、1983年に生産中止となった。

1998年-2000年にかけて、亡くなった設計者の追悼の意味も込めてオリジナル刻印復刻レシーバーの限定販売が行われたが、マネジメントを担当したAMT-Galena社が倒産、70丁前後の出荷で終わっている。総生産数は16,000丁ほどと推測されているが、正確な記録は不明。

欠点
レシーバー、チャンバー内の汚れにより閉鎖不良を起こすため、頻繁な手入れを必要とした。
ステンレス鋼の加工技術が未熟だったため、内部の細かな仕上げミスも動作不良の原因となった。
ステンレス鋼に合う潤滑油が流通していなかったため、動作不良を招いた。
リムレスの.44AMP弾専用であるが、この弾丸の供給が遅れたため、.308winの薬莢を切り詰めて使用するという自作の弾が使われ、動作不良の原因となった。また、後に販売された弾丸もメーカーごとに品質に差があり、これも動作不良を起こす原因となった。
発射時の銃身の跳ね上がりが大きく、銃の握り具合によっては閉鎖不良を起こした。
ボルトを動かすのに銃後部のコッキングピースを使うしかなく、握って引く事ができないのに加え、コッキングスプリングのレートが高いため、強い力を必要とした。
装弾数は7発となっているが、7発目で弾倉が底付きする寸前になるため、7発入れると弾倉を傷める。



《草薙 素子》

幼少の頃に、脳と脊髄の一部を除く全身を義体化した女性型サイボーグで、公安9課の実質的なリーダー。冷静沈着な性格に加え、判断力、統率力、身体能力(義体制御能力や戦闘能力)において突出した才能を発揮する他、高度なハッキングスキルにより、荒巻には「エスパーよりも貴重な才能」と評されている。
なお、原作では「草薙素子」という名前も偽名であることが示唆されている。
押井守による映画版での押井個人の設定では、年齢は47〜48歳。神山健治による『攻殻機動隊 S.A.C.』シリーズでは、第1作の時点で25〜26歳。

直感による判断を「ゴーストの囁き」と称している。

世界でも屈指の義体使いであり、法を尊重する立場でありながら、事件を解決するために非合法な手段を使うことも躊躇せず、必要とあらば課員にもゴーストハックを仕掛けたり、枝(電脳への侵入経路)を付けたりする。遠隔操作式の予備義体である「デコット」を複数所持している。
過去に軍に所属していた経歴から、課員からは「少佐」と呼ばれており、パーティーや法廷等の公の場では略綬のついた礼服仕様の軍服を着用している。
女性型の義体を使っていることもあって、身長は168cmと9課の中では小柄であるが、これは任務上、外見的な支障をきたさないように配慮しての事である。ただし、外観は一般流通している量産型義体と同様であっても、メンテナンスを始め、ボディの素材や義体制御ソフトは通常では手に入らない超高品質の物ばかりで、骨格には強化や高出力化が施してあり、中には法に触れるようなマテリアルまで採用している。

なお、サイボーグ化した経緯と時期についてはシリーズにより異なり、『攻殻機動隊2 MANMACHINE INTERFACE』エピローグでは、幼少時に事故か病気で生身の身体を失い義体化した事が示されている。『攻殻機動隊 S.A.C. 2ndGIG』では、幼い頃に「航空機事故」に遭って家族を失い、生き延びるために全身義体を選んだ事が明らかにされている。(同じ神山監督のアニメ『東のエデン』においては、2011年2月14日に羽田沖で「11発目のミサイル」が旅客機を直撃し、6歳の男女2名を除く乗客乗員236名が死亡する大惨事が起きているが、この時に奇跡的に救出された男女2名の6歳児は、幼少時の素子とクゼ・ヒデオである事が示唆されている。)小説版『攻殻機動隊 S.A.C. SSS』でも、素子本人の回想で、幼い頃にミサイル攻撃を受けた飛行機墜落事故に巻き込まれ乗客乗員236名が死亡し、当時6歳の素子と、もう一人同じ歳の男の子だけが生き残り、生きるために素子が全身義体化したことが本人の回想で明らかにされている。 『攻殻機動隊 ARISE』では、まだこの世に生を受けていない胎児の状態で、両親共々化学兵器テロに巻き込まれる。
母体は既に死亡していたが、救助に訪れた特殊部隊が「全身義体サイボーグの生命維持装置を他人の救命のために流用する」という技術「ドクトル・バケルの緊急医療システム」を有していたことにより、胎児の草薙の脳を全身義体に組み込むことで命を救われた。以来、軍の特殊機関「501機関」に所属し、年齢に相応しい義体に換装しながら生きている。

同性のセックスフレンド達(電脳ドラッグを用いた違法ヴァーチャルソフトの編集や販売の共犯者)がおり、原作1巻では電脳空間上のベッドで全裸になり、違法ソフト作成を行なっているシーンがある。

原作1巻の最後で人形使いと融合、事あるごとにネット上に変種(素子同位体)を流すようになる。2巻では宇宙にある託体施設「眠る宇宙」にて物理身体を保管している。
また原作(特に1巻)での性格はとても表情豊かで、明るくお転婆である。

『S.A.C.』3部作では、基本的な人物像は変わらないものの、コミカルな表情や反応、冗談や軽口をたたくことはやや少ない。
服装も、原作1巻では私服は露出度を抑えたパンツルックで軍服以外ではスカートは着用していなかったが、『S.A.C.』3部作においては露出度の高い服装をとっていることが多く、私服の時にはスカートも履いている。
常用している義体の瞳は赤く、予備義体も赤い瞳をしたものが多い。原作と同じ顔ぶれのセックスフレンドが登場するシーンがあるが、彼女達とそういう間柄であるという具体的表現はない。

映画版では、『S.A.C.』3部作以上にストイックな性格、言動になっている。
原作と同様露出度の低い服装だが、遠目では全裸に見えるインナースーツ状の光学迷彩服をまとっていても、あまり気にしていない様子である。
原作で行なっていた違法電脳ソフトの編集や販売といった副業は行っていない。



《パズ》

元々は陸軍警察の潜入調査員。

階級は中尉。

潜入捜査であるバーにいた時に近づいてきた素子を路地裏で襲うが失敗。

素性を素子に明かしてマムロ殺害に関わった組織の情報を素子に伝える。その後、荒巻の依頼で第六演習場で窮地に陥った素子たちを装甲車で救出した。

オールラウンダー。クールで無口な愛煙家。身長177cm。

聞き込みや内偵調査が得意分野だが、ネットでの情報収集も行なう。時には前衛も担当する。ナイフを用いた格闘術が得意である。

義体化率は高い。かなりの女好きで「同じ女とは2度寝ない主義」を貫く。後にこの主義が原因で『2nd GIG』にて殺人事件に巻き込まれ、地元警察からは事件の犯人だと疑われた。

※元公安九課に所属。現在は8代目で、警視庁第一課に所属。同僚はトグサである。



《トグサ》

※元公安9課に所属する。

身長178.5cm。9課のメンバーの中では唯一の妻帯者である。「S.A.C.」シリーズでは高層の集合住宅に住んでいる。

元々は警視庁捜査一課特務班(おそらく特殊捜査班のことと思われる)の刑事であったが、草薙に引き抜かれる形で9課に移籍した。また、「S.A.C.」シリーズ前半では、非正規活動部隊である9課に移籍したことは家族には知らせておらず、表向きは民間の警備会社に再就職したことにしていた。

格闘戦や電脳戦に関しては他のメンバーに劣る部分が多いため、バトーとコンビを組んでバックアップを務めることが多い。原作において草薙が去った後は、後輩のアズマとチームを組み捜査進展に貢献した。

元刑事ということもあり、情報収集能力・推察力・直感力に優れている一方、感情的に揺さぶられる傾向にある。

原作では序盤からかなり粗野な言動が目立ち、我を通そうとして空回るような面も多かったが、草薙が去った後は人間的に成長したのか、かなり落ち着いた性格になっており、後輩を窘める面がしばしば見られる。

※現在はパズと同様に8代目である。元々の警視庁捜査一課に転任。同僚はパズ。



《荒巻モトコ》

※元々は「モトコチャン」と呼ぶフチコマで草薙素子専用「A.I」ではなく「ゴーストを持つ電脳」が組み込まれているフチコマ型の義体
※画像はイメージです。

現在は「荒巻モトコ」を名乗り、「新起動」する公安九課の課長を務める。
「草薙素子」と共に姿を消していた。草薙素子同様、8代目である。



《バトー》

公安9課所属。男性型高出力義体を持つパワー型サイボーグ。
身長187cm。

原作1.5巻では「専門は電子戦」と豪語しているが、原作1巻では戦闘サイボーグのコイルと互角以上に格闘戦を行っている。

9課に所属する以前はレンジャー4課(陸上自衛軍レンジャー部隊)に所属し、海外での特殊な戦闘任務にも参加していた。

ほぼ全身を義体化したサイボーグであるが、草薙ほど義体化率は高くない。

レンジャー4課時代に任務特化した特殊な義眼レンズ(センサーアレイや、サーモセンサー等を有する)を、9課移籍以降もそのまま残しており、小火器から重火器までの幅広い武器の扱いにも長けている。

サイボーグの人工筋肉は発達しないにも関わらず筋トレが趣味であり、『S.A.C.』では脳まで筋肉にしないよう草薙からのツッコミを受けている。

原作版では、道の真ん中で車の解体を始めるなどのコミカルで少々下品な一面と、戦闘訓練所の教官として教え子の死に激昂する一面など、性格のメリハリがより顕著に描かれている。草薙に対しては単なる同僚という程度。 

劇場版では一貫してハードボイルドなキャラクターで、彼女に対して好意に近い特別な感情を抱いており、彼女への気遣いを怠ることはない。

普段は彼女のことを「少佐」と呼んでいるが、彼女が死んだかと思われた際には感情を剥き出しにし、「素子ォ~!!」と名前を叫んだ。 『S.A.C.』シリーズでは、大まかには原作版に近い性格だが、劇場版と同じく草薙に対して特別な感情を抱いている。

また、メカに対しての個人的なこだわりや思い入れが非常に強く、タチコマは特定の一機を愛用したり、専用機に天然オイルを与えたりしている他、自家用車には年式の古いスポーツカー(ランチアのストラトスによく似た車)を好むなどの傾向がある。9課正式採用の拳銃を使わず、FN ブローニング・ハイパワーの45口径モデルを愛用するなど、武器に対するこだわりもあるようである。16話にて「抜題 仏哲(Batou Buttetsu)」という偽名を使用したことがあり、作られた家族写真に写っている妻は草薙そっくりだった。

GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊

.50口径のジェリコ942FSというベビーイーグルの派生銃を使っている。

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX
機械類に対し並々ならぬ愛情を注ぐ傾向があり、搭乗するタチコマも特定の一機に限定している。

愛用する銃はFN ブローニング・ハイパワーM7カスタム(9課制式拳銃はセブロM5)。『タチコマな日々』で眼のレンズが取り外し可能となっているらしいというエピソードが紹介されている。筋トレ(義体の性能向上にはつながらない)が趣味で、様々な筋トレグッズを通販で購入している。トグサからの呼び名は「ダンナ」。度々ひょうきんな一面を見せることがある。

攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG
レンズ状の義眼に関しては、レンジャー隊員特有の装備と説明される。

過去に国連軍の一員として草薙、イシカワと作戦行動を共にしていたことがあり、この時イシカワに「新入りが」と罵られている。

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society
草薙素子が失踪した後、荒巻からリーダー就任の要請があったが断っており、トグサが9課のリーダーとなって以後、「個人的推論にのっとった捜査方針」による単独での行動が多くなった。その軋轢から「訓練教官の職に専念するか、俺の指示で傀儡廻の捜査に加わるか」とトグサに窘められる場面も。失踪から2年が経っても草薙への想いを断ち切れずにいる。草薙が傀儡廻の正体なのではないかと疑念を抱きながらも、大阪の病院で草薙と出会ったことをトグサに報告しなかったりと、個人的な感情と職務の間で苦悩している。

攻殻機動隊1.5 HUMAN-ERROR PROCESSER
「FAT CAT」以外の話に登場。草薙が去った後の実質上のリーダー格。

原作の彼は草薙に特別な好意を抱いていないので、葛藤や性格の変化はない。「MINES OF MIND Part.1」と「LOST PAST」においては電脳空間にて交際中の女性の存在も描かれている。髪型が各話ごとに違っている。



《イシカワ》

主にネットでの情報収集を担当している電脳戦のエキスパート。素子との付き合いは9課メンバー中で最も長く、彼女を「戦闘の天才」と評価している(「メスゴリラ」と呼んだ[1]こともある)。元軍属。課員から「ご老体」と呼ばれたり、自分のことを「老体」と呼んでいるため、おそらく9課の中では比較的高齢である。副業で、この時代では老人の娯楽とされているパチンコ店を経営している。身長180cm。『タチコマな日々』で髭が付け髭らしいというエピソードが紹介されている。



《サイトー》

狙撃のプロフェッショナルで、第四次非核大戦時は傭兵として活動していた。身長172cm。

左眼は「鷹の眼」と呼ばれる義眼となっている。狙撃時には人工衛星とリンクして狙撃のための様々な情報を得ることができる。義体化部位は左眼の他は左腕のみで、9課の中ではトグサに次いで少ない。

9課所属以前はメキシコ暫定政権を味方する義勇軍「赤いビアンコ」で傭兵をしており、2020年夏に素子との戦いに敗れた後、その能力を見込んだ素子にスカウトされたことが『2nd GIG』で語られている。但し、本当であることは示唆されているものの後に本人が「全部作り話だよ」と言っている為本当かどうかは不明。

『S.S.S.』では、当初は傀儡廻(くぐつまわし)の捜査に参加しておらず、アフリカでのPKOを終えた後に合流。元々トグサに次いで義体化率が低かったが、アフリカの環境に備えて心肺機能を義体化により強化している。

ポーカーの腕はかなりのもので、『攻殻機動隊1.5 HUMAN-ERROR PROCESSER』(以下:1.5)では対戦相手から「もう9課員とは遊ばない」と言われ、『2nd GIG』でも最後にストレートフラッシュを出し勝ち抜けている。



《ボーマ》

スキンヘッドが特徴的な義眼の大男。その外見とは裏腹に電脳戦を得意とし、イシカワと共にネットでの情報収集に従事する。

ダイブルームの外ではパズと組んで行動することが多い。軍に所属していた時「爆弾を仕掛けるのが専門」であったため爆発物に詳しい。身長200cm。

『2nd GIG』にて「個別の11人」ウィルスに感染、発症しかかったことから、少なくとも義体化した時点では童貞だったと思われる。

原作『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』(以下:攻殻1)では、前半でイシカワと共に車で犯罪者を追跡していた。
『攻殻1.5』でも1話しか登場せず、プロトと組んで情報整理を行っていた。



《》

元公安九課課長の荒巻大輔。
現国防大臣である。
公安九課解散から国防大臣に就任したのは、8代目と成る荒巻のクローンである。
※私設定です。

内務省公安9課の部長(9課設立以前は公安部に属していた為)、『S.A.C.』シリーズでは課長。かつては陸自情報部に所属しており、現在も自衛軍に太いパイプを持つ。「赤鬼一等陸佐」の異名を持つ殿田大佐の愛弟子、”殿田塾三羽烏”の一人で、優秀な軍情報部員だった。
義体化は行っていない。電脳化については作品によって扱いが異なり、劇場版と『イノセンス』以外では電脳を用いるシーンがある。身長153cm。

優れた政治的手腕と、豊富な人脈により、潤沢な予算の確保と、扱いが難しい政治絡みの犯罪への迅速な対処を可能にしている。軍情報部員であったことから、戦術など軍事的な知識や指揮能力にも秀で、時には現場に出て直接指揮を執ることもある。
権力欲や出世欲がなく、私情では動かない事をモットーとしており、自らの信じる社会正義の貫徹に心血を注いでいる正義漢。
課員からの信頼も厚く、親しみを込めて「猿オヤジ」「オヤジ」と呼ばれることもある。
原作1巻や『S.A.C.』では草薙素子の能力を「エスパーより貴重な存在」と評し、信頼しあっている。
また、『2nd GIG』には、行方知れずの双子の兄の荒巻洋輔が登場する。





使用している画像はイメージです。

この物語りは架空です。攻殻機動隊の二次創作です。
物語りに登場する人物、団体、一部兵器類などは架空です。
実在の人物、団体、兵器類とは関係ありません。
※一部、『白鳥の湖』より、引用。

ー復讐のスワン②ー攻殻機動隊外伝

2018-09-13 23:38:41 | 攻殻機動隊二次創作


ー復讐のスワンー
攻殻機動隊外伝

第一話


通報により、駆けつけた元公安九課のトグサとパズは顔を見合わせ、嘆くように呟いた。

「鑑識さん。死因は?」

「電脳にウイルスが蓄積していた形跡がありましたので、ウイルスが原因の自殺かと。」

「自殺!?に、しちゃ異常だぜ。」
先にパズが口を開いた。

「だからウイルスによる電脳汚染が原因なでは?」トグサが被せて来る。

「まぁ、それもそうだな。」
パズがそう呟いた時であった。

「何時からお前たちは、そんな一般的な刑事(デカ)に成り下がった?」
聞き覚えのある声だった。
ざわつくトグサ、パズ。
その台詞(セリフ)を発した一人の女性が姿を表した。
女性には違いないが、まだ、年齢が二桁にも届かない幼女である。

「しょ、少佐か!?」

その姿に驚くトグサ、パズ。

「あたしは少佐じゃないよ。」

「公安九課の課長。荒巻モトコだよ。」

「素子ちゃん(少佐)も側に来ているよ。」

「久しぶりだな。トグサ。パズ。」

荒巻モトコのすぐ後ろに、"草薙素子"が熱光学迷彩を解除し現れた。

「パズ、トグサ。遺体をよく見てみろ。」

「仮に自殺だとして、利き腕もしくは、もう片方の腕はどうやって身体から引き離すんだ?」

そう言われてみればそうであった。
頭部、両足、片腕までは自分で外せても、もう1つの腕は身体から外せない。
この事によって、殺人事件と断定された。
殺人事件となれば、捜査一課の管轄になる。
パズとトグサはフル稼働を強いられた。

死因が電脳ウイルスによる汚染も関与している事から、電脳ウイルスに特化した九課もまた、この事件ので調査に加わる事になった。
以前に比べ、かなり規模を縮小された「公安九課」。
メンバーは課長の荒巻モトコと特殊捜査官の草薙素子だけである。
九課を再建するにあたって「力」を貸してくれる人物がいた。

それは元公安九課課長の荒巻大輔。
現国防大臣である。
公安九課解散から国防大臣に就任したのは、8代目と成る荒巻のクローンである。
そう。草薙素子もトグサもパズも8代目のクローン。
再建された公安九課ではあるが、表向きは「陸上自衛軍情報部第九分室」と長ったらしいが、いかにも公務員(役人)が好きそうな部署名である。
軍の施設である為、国防費の予算から賄われている。
最新式の義体メンテナンスをはじめ、文具品まで無償で提供されている。

そして、現段階で最大の提供された物。
それは『陸上自衛軍最新鋭:セミオート情報収集艦:レヴァイアサン』『最新鋭思考A.I搭載型戦車:ヘルハウンド』そして、『最新鋭思考A.I搭載型戦闘ヘリ:アパッチ・ロングボウ(改)』である。
最新鋭情報収集艦:は草薙素子と荒巻モトコのセーフハウスでもあり、職場でもある。


◆◆◆◆


《陸上自衛軍:洋上戦隊・最新鋭セミオート情報収集艦:レヴァイアサン》イメージ

排水量 満載:1 3,000t

全長 230.0m
全幅 28.5m

機関 CODAG方式, ウォータージェット推進(4軸)
ロールス・ロイス plc MT30 ガスタービン (36 MW/48,000 hp) 2基
フェアバンクス・モース・コルト-ピルスティク 16PA6B STC ディーゼル (6.4 MW/8,600 hp) 2基

速力
最大: 47kt(87 km/h)

乗員 15名(アンドロイド)

兵装
Mk.110 57mm連装速射砲×2基

Mk.31 GMWS 近SAM21連装発射機×1基

Mk 46 30mm機関砲×8基

各種ミッション・モジュール

艦載機
思考A.I搭載型AH-64D アパッチ・ロングボウ(改) 1機

搭載車輌 陸上自衛軍最新鋭思考戦車:ヘルハウンド10両(予備車両を含む)

他、上陸用クルーザー 1艇

C4I COMBATSS-21 戦闘情報システム

レーダー TRS-3D

3次元対空捜索レーダー

他・不明(機密事項)




【序曲へ】


「バトル・ロワイアル殺人事件」と名付けられたこの事件の容疑者の絞り込みには、さほど時間がかからなかった。

「にしても、トグサ。バトルゲームで、ここまで恨みを募らせるものなのか?」

「わからんよ。恨みをと言うより、怨みに近いような気がするよ。」

そんな会話をしている内に、容疑者の住むマンションの一室にたどり着くトグサとパズ。

容疑者宅のドアの前でトグサは愛用銃「マテバ」を上着の内側から取り出し、ドアが開く反対側へ立つ。

「代が変わっても、まだ、「マテバ」かよ。

「そっちこそ、骨董品じゃねぇか。」

「古き良き時代の代物だ。」
お互いにそう台詞(セリフ)を発した。

パズは「44オートマグナム」を取りだし、パスワードキーパネルに照準を合わせ、トリガーに指をゆっくりと滑らす。
一発の銃声が響き渡る。
パスワードキーの辺りから「ビキビキ」と火花が散り、ドアが左右に開いたり閉じたりしている。
電子ロックが破壊され、制御が効かないためだ。
トグサがドアが開いたところで、閉じないように押さえ、パズが先に容疑者の部屋へ足を運びいれた。
一歩遅れてトグサも、パズのあとに続いた。

部屋へ踏み込んだトグサとパズの目に先ず飛び込んで来たものは、薄暗い部屋の真ん中に置かれた明かりを放つ大型タブレットPCの明かりであった。
トグサはそのタブレットPCの録画を再生させた。
再生された内容は、あの殺害された被害者とのやり取りから殺害までが一部始終録画されていた。

だが、録画はそれで終わりではなく、続きがあった。

「警察の皆様。ここへたどり着きましたか。」

「でも、一足違いでしたね。」

「彼は死んで当然なのです。僕の愛する「オデット」を再起不能にまでしてしまったのだから。」

「彼は不正アクセスしてまで、私利私欲の為に、コツコツと育ててきた僕のオデットを僕は拒否したにも関わらず、再起不能になるまで何度も何度も、対戦させらた。」

「しかも、彼は僕へだけの不正アクセスではなく、ゲームサイトまでも、この事実が無かったと隠蔽した。」

「だから僕が裁き、罰を与えた。」

そこで録画された映像が終わった。

トグサとパズは背後に気配を感じた。

容疑者の少年が「ニヤリ」と笑いながら立っていたのだ。

「お疲れ様、警察の皆様。」

「僕を逮捕したところで「オデット」の復讐はこれからが本番だよ。」

「エッヘッへッへッ。」容疑者の少年は不適に笑うと、その場に倒れた。

「さて、今度こそお前には、オデット本体の居場所を吐いて貰うぞ。」
トグサは倒れた少年が偽者で"人形"だと解ると、少年の延髄辺りにある端末に自白用電脳システムを接続し尋ねた。

「オデット様の居場所か。」

「フッ。今頃、知ったところでもう手遅れだ。」

「手遅れだと?」
二人のあとをつけた素子が聞き返した。

「冥土の土産に教えてやろう。」

"人形"=ホログラフィー・生命体= ミクトランシワトルはこう語った。

「私はミクトランシワトル。オデット様の忠実なるしもべ。」

「オデット様は『魔女のロット・バルト』の魔術によって白鳥に姿を変えられてしまった。
その魔術は来世で解けるはずだった。
だが、来世でもその魔術は解ける事はなく、今日(こんにち)までに至る。」

「しかも、あれほどまでに固く誓った愛をジークフリートは何時しか忘れ去った。」

「ジークフリートを永遠に抹殺する為に、ジークフリートの末裔が住む、この世界を葬る事にしたのだ。」

「どうやらオデット様は準備が整ったようだ。」

「アッハッハッハッハッ。」

ミクトランシワトルは高々と笑いながら自爆した。
自爆の兆候を見抜いた素子が二人に伏せるように告げていた。
幸い、二人はかすり傷程度で、事なきに終えた。

「パズ。トグサ。もうそいつは、ただの脱け殻のデコットに過ぎない。」

「今から本体へダイブする。」

「本体?」

素子は返事を変えず事なく、タブレットPCに接続ダイブした。

「まさか!?」

「あらあら。見破られてしまったみたいね。」

「流石は《超ウィザード級》の実力を持つ"草薙素子"ね。」

素子がダイブするとすぐに本体である「オデット」が現れた。
そんなオデットは草薙素子が、遅かれ早かれ、現れる事を知っていたかのように、余裕綽々な態度を見せた。

「お褒め頂きありがとう。」

素子もまた、余裕を噛ます。

「余裕を見せたところで草薙素子、貴女(あなた)に勝ち目はないわ。」
オデットはネットワーク内に自分の分身とも言える「デコット」を2体、放出したのだ。

「草薙素子さんね。お手柔らかに。」

「ウフフ。」

「素子さん。生憎だけど、私には時間が無いの。」

「その二人(デコット)が貴女のお相手をするわ。」

オデットはそう言い放なすと姿を眩ました。

「逃げるのかッ!!」

姿を眩ますオデットを追おうとす素子。
だが、行く手を遮る二人のデコット。



《デコット》

デコイ+ロボットの造語。



言わば脳殻の無いサイボーグのようなもので、外部からのコントロールによって動作するため、自然に振舞うには使用者にかなりの電脳スキルが必要とされる。
タブレットPC内で激しい電脳バトルが繰り広げられているのは、外(三次元の世界)に居るパズとトグサにも分かった。
タブレットPCは激しく光を点滅し、訳のわからない単語や記号が乱列に書き込まれている。

時折、タブレットPCに端末を繋いだ素子本体が激しく揺れ、義体からは火花が散る。

「しゃくにさわるッ!!」

「此方もデコットにはデコットで対抗させて貰うッ!!」

苦戦を強いられる素子もまた、ネットワーク内に自分のデコット(電脳ポリス)を放出した。

「お前たちの相手はこの私の分身が相手する!!」

バトル当初はゲームに例えるなら、蛍光ピンクや蛍光グリーン、蛍光イエローなどと、色こそ違うが差し詰め「オセロ」と言ったどこらだろう。
カラフルな輝きが起きる度にあらゆるネットウイルス、ネット防壁が張り巡らされ、お互いの行く手を遮る。
やがてネットワーク内バトルは激化、大戦当時(第四次世界大戦)の戦場並みに拡大していった。

「やっ!!ヤバいぞ!!」

「少佐のは衣服が燃え出したぞ!」
トグサがあわててパズに指示を飛ばした。

「パズ!!少佐の端末ケーブルをタブレットPCから抜くんだ!!」

少佐の着用していた衣服はタブレットPCと素子と激しくショートしまくった事によって燃えてしまう。

幸にして、側に居たパズとトグサが機転を効かし、素子は大事に至る事は無かった。

パズとトグサは素子をセーフハウスでもある『陸上自衛軍最新鋭:セミオート情報収集艦:レヴァイアサン』送っていった。

素子は新しい義体に交換する為、義体メンテナンスルームへと足を運んだ。

素子が新しい義体へ換装する間、トグサとパズは、課長である「荒巻モトコ」の案内で、 陸上自衛軍最新鋭:セミオート情報収集艦:レヴァイアサンの内部を見て回った。



本艦は、自衛用の最低限の装備を基本として、これに加えて、任務に対応するための各種装備を柔軟に搭載することを計画している。これらの装備は、艦のC4ISRシステムを中核として連接され、システム艦として構築される。

C4ISRシステム
アメリカ軍の新しい戦闘指導原理であるネットワーク中心戦 (NCW)コンセプトに準拠して開発された本艦にとって、最重要の装備といえるのがC4ISRシステムである。
戦術情報処理システムとしては、新開発のCOMBATSS-21が搭載される。
これは、艦隊で運用されてきたイージスシステム (AWS)、艦艇自衛システム (SSDS)、AN/SQQ-89統合対潜システムを元に開発されたオープンアーキテクチャ化システムであり、本艦のほかにもズムウォルト級ミサイル駆逐艦やバーソルフ級カッターにも搭載される予定である。

また、通信システムについても、きわめて充実している。
作戦級システムとしてはGGGS-Mを搭載し、戦術データ・リンクとしては従来のリンク 11および新しいリンク 16を搭載、特殊用途のS-TADIL Jにも対応する。

また、共同交戦能力にも対応する予定である。
一方、レーダーとしては、比較的簡素なTRS-3D 3次元対空捜索レーダーを搭載する。

また、ソナーについても、近距離での機雷探知に重点が置かれており、長距離の探知は難しいものとなっている。

Mk.110 57ミリ単装速射砲
本艦は、従来の艦艇自衛システム(SSDS)に準じた自衛防空システムを搭載する。

主砲として、ユナイテッド・ディフェンス社のMk.110 57ミリ単装速射砲を前甲板に1門装備する。この砲は、高発射速度・長射程の中口径速射砲であり、優れた対空・対水上火力を提供する。なお、この砲はアメリカ沿岸警備隊のバーソルフ級カッターでも採用された。

近接防空用としては、Mk.31 GMWS(Guided Missile Weapon System)を搭載する。
これはRIM-116 RAMを使用した近接防空ミサイル・システムで、近距離において巡航ミサイルや攻撃機などの航空脅威に対処するため、SSDS搭載艦に広く配備されているものである。

また就役後、小型艦船への対応の強化のため、船体後部に30mm機関砲2基が追加された。

本艦は、最低限の自衛用装備のみを搭載して就役した。
しかし、要求される多様な任務に対応するため、各種の装備を追加搭載できるように考慮されている。
前甲板のMk.110 57ミリ単装速射砲は、必要に応じて、Mk.41 VLSと交換可能である。
これに合わせて、TRS-3Dレーダーも、AN/SPY-1K 多機能レーダーに換装できる。

また、沿岸の敵地上目標に対する対地精密射撃のため、NLOS-LSシステムの搭載が考慮されている。NLOS-LSは、アメリカ陸軍の将来型戦闘システム(Future Combat Systems, FCS)計画と共同で開発されたもので、非装甲車輌、装甲車輌、掩蔽物、その他必要に応じた目標物に対して使用される。



「で、ここが発令所だ。」

「簡単に言えばブリッジだ。」

そこには、九課でもお馴染みの女性型アンドロイドオペレーターが数名、モニターを見詰めキーボードを叩いていた。

制服が陸軍の制服に変わっただけで、その中身は変わらなかった。
当たり前といえば当たり前だ。
量産品なのだから。

この下に『C.I.Cルーム』だ。
※C.I.C

戦闘指揮所(Combat Information Center)
アメリカ陸軍防諜部隊(Counter Intelligence Corps)

通信情報制御監視装置(Centralized Information Control) - 列車無線電話や旅客案内情報処理装置(PIC)などの、各種設備の監視・制御を一元的に管理するシステム。

「そして、ここが格納庫。」

《思考A.I搭載型AH-64D アパッチ・ロングボウ(改) 》

格納庫に入ってまず、目に飛び込んできたものは、やはり 《思考A.I搭載型AH-64D アパッチ・ロングボウ(改) 》であった。

そして、次に10両並ぶ《陸軍自衛軍最新鋭思考A.I搭載型戦車:ヘルハウンド》が目に入る。

その横に小部屋がある。
この小部屋が、簡易的ではあるが義体用メンテナンスルームである。

一通り、艦=内の説明が終わり、課長のモトコとトグサ、パズたちは艦内に設置された休憩室へ足を運んだ。
休憩室の中は軍艦らしくない雰囲気で街中にあるちょっとコジャレたbarになっていた。

その他、この休憩室の壁際にはビリヤード台とダーツの台が置かれている。
おまけに休憩室のほぼ真ん中に、床から20センチメートルほど一段高く円形の台が設置され、真鍮製と思われるポールが天井まで伸びている。
リクエストがあれば、いつでも踊れるよう、2体の踊り子タイプ:アンドロイドが待機している。

時折、素子も趣味と気分転換を兼ねて、この踊り子たちとポールダンスを踊る事がある。



「二人とも助かったよ。」

「ありがとう。」

義体換装を終えた素子は二人に礼を言う。

その場に姿には目を丸くし、赤面するトグサ。

「なんだよ。トグサ。」

「私の裸体を観たのは初めてでも無いだろ!?」

「今更、恥ずかしがるな。」

「まぁ……そうだけど、隠す所は隠せよ少佐。」

「ところで話は変わるが、情報は掴めたのか?」

トグサは話題をオデットの話題に変えた。

素子は「ニコリ」と微笑む。

「苦戦を強いられ本体(オデット)は残念ながら逃したが、デコットの一体は捕獲した。」

「今から此方の端末からダイブして、本体の居場所を聞き出す。」

「本気(マジ)かよ!!」

「今、新しい義体に換装したばかりだろ。」

「大丈夫よ。私が設定したオリジナルのネットワーク空間を構成する端末だから、防壁も攻性防壁以外にも防壁迷路や身代り防壁。腐るほど有るから。」



攻性防壁
外部からの有害な情報やハッキング行為を遮断、同時に相手に攻撃するセキュリティ機能。
軍事または政府機関以外の使用は法律で禁止されている。
これにより電脳を焼かれて死亡するケースもある。



身代わり防壁
対攻性防壁のデバイス。
U字形で首の後ろにある端子につけて使用するものや、ウエストポーチに入った箱型のもの、円柱状で、その側面から伸びたケーブルにシステムを繋げて使用するもの。

この道具を通しての通信であれば、攻性防壁による攻撃を受けてもこれが身代わりになってくれるため、攻性防壁が張り巡らされた危険なシステムや、軍事機関、政府機関等にハッキングする際に使うことがある。
攻性防壁の攻撃を受けると焼けてしまうため、身代わりとして機能するのは1回限りである。
"アクティブプロテクト"とも呼ばれるものもある。



防壁迷路
システムや電脳に不正アクセスしてきたハッカー等を防壁内に取り込んでしまい、システムや電脳を守るプログラム。
ただ防壁に取り込むだけで時間稼ぎにしかならない低度な物から、かかった者に幻覚(擬似現実)を見せる高度な物まで存在する。



素子は再び、本体=オデットの居場所を聞き出す為、ネットワークダイブをした。


◆◆◆◆


【復讐の核】


「捕獲したって?」

「けど、少佐。ネットワーク内に実体化したデコットなど、不可能では?」

「あぁ。私は『ホログラフィー・生命体(ネットワーク内デコット)』と呼んでいるけどね。」

「ホログラフィー・生命体?」

「そうだ。ホログラフィー・生命体だ。
簡単に言えば、遠隔操作又は自我を持つ又は、その両方を備えたホログラムってとこかな。」

「つまり、『映像』自体に思考能力が在るって事か。」

「そう言う事だ。トグサ。」

「バックアップ頼むぞ。」

「バックアップって、俺とパズだけでか!?」

「心配するな。まもなく元、仲間のイシカワとバトーも来る。」

その言葉を聞き「ホッと」するトグサであった。

援軍であるイシカワとバトーが来る前に素子は大きな声を出し、ダイブから戻った。

「核を使うだと!?」

「穏やかじゃねぇな。少佐。」

「バトーか早かったな。イシカワも。」

「だけじゃないっスよ。」

「ボーマ、サイトーも揃ったか。」

「懐かしい挨拶は後回しだ。時間が無い。」

素子は懐かしい挨拶も無しに、作戦の説明に入った。

作戦の内容は「第四次世界大戦で9割以上が水没した旧首都:東京。現在「大東京湾」と名称が変わる。その「大東京湾」洋上に浮上したオデットの座乗する「旧戦略型原子力潜水艦:オハイオ」から発射されようとしている、戦略大陸間弾道核ミサイル発射の阻止を目標とするものであった。

バトーとサイトーにはアパッチ・ロングボウ(改)にて大東京湾へ急行するのよう素子は命じた。
イシカワとボーマには情報収集のバックアップをそして、トグサ、パズには荒巻国防大臣の所へ向かわせた。
緊急回線を使えば移動の手間が省けるのだが、盗聴やハッキングを回避する為の措置である。

素子は、移動にヘルハウンドを使わせた。
それは首相を護衛する為である。核ミサイル迎撃に成功すれば、オデットに命を狙われる確率が高いからである。

《現首相のよう子・Kaburgi・ジークフリート》

「ジークフリート」の末裔。それは現首相のよう子・Kaburgi・ジークフリートであるからだ。

素子は素子で、再びネットワーク内にダイブし、オデットを捕らえる為、新開発された「ハイパーバトルスーツ」へ着替えた。

「オペレーター。最大船速で大東京湾へ向かえ。」
素子は指示を飛ばした。

「了解。」

素子のダイブを待っていたかのように、オデットは待ち構えていた。

「草薙素子。待っていたぞ。」

「お前たちにチャンスをやろうと思ってな。」

「チャンス!?」

「あぁ。そうだチャンスだ。」

「私が乗っ取った旧式の潜水艦は、草薙素子、お前の事だから、もう気がついているであろう、戦略大陸間弾道核ミサイルの発射準備は既に整っている。」

「20基のミサイルの内、1基だけが核ミサイルだ。」

「そして、その核ミサイルの標的は首都:新浜ではない。」

「このチャンスを生かすも殺すも、お前たち次第だ。」

「さて、カウントダウンを始めるとしようかね。」

「ウフフ。」
素子を前にして、不適に笑うオデット。


第二話
つづく。




ホログラフィー(英語: Holography, ギリシア語の ὅλος (全体の) + γραφή (記録) から)は、3次元像を記録した写真(ホログラム)の製造技術のことである。ホログラフィーは情報の記録にも利用することができる。

概要

200ユーロ紙幣のホログラム
ホログラフィーは1947年にハンガリーの物理学者ガーボル・デーネシュによって発明された。彼は1971年にノーベル物理学賞を受賞しており、この発明に関する特許権も保有した。この発見はイギリスのウォリックシャー州ラグビーにあったブリティッシュ・トムソン・ヒューストン社にて電子顕微鏡を改良する研究をしていたときの思わぬ結果によるものだった。しかし、レーザーが1960年に発明されるまでは研究があまり進歩することはなかった。

最も初期のホログラムは透過型ホログラムと呼ばれる。これは、レーザー光をホログラムの裏側から照射しないと観察できなかった。

その後改良が進み、表側に白色光をあてれば観察できるレインボーホログラムが作られるようになった。レインボーホログラムは金属箔によって反射された光が像を再生する。ただし、「レインボー」の名の通り虹のようにさまざまな色の縞模様となる。クレジットカードや紙幣に見られるホログラムで偽造防止に利用されている。

ほかに白色光反射型ホログラムがある。ガブリエル・リップマンの天然色写真と原理がよく似ているため、日本ではレインボーホログラムと区別してリップマンホログラムと呼ばれる。レインボーホログラムと同様、観察者と同じ側から自然光をあてることによって再生することができる。レインボーホログラムとは異なり、金属箔の反射を利用するのではなく、ホログラムそのものの回折によって反射させる方式である。白色光反射型ホログラムの中にはフルカラーの3次元像が観察できるものがあり、実物と見分けがつかないほど精巧なものもある。

近年は、安価な固体レーザーを用いた大量生産が期待されている。以前は大きくて高価な気体レーザーがホログラフィーに必須とされたが、DVDなどにさまざまな応用がなされている安価で小さい固体レーザーでもホログラフィーの製造が可能になってきている。そのため、研究費の乏しい研究者や芸術家、熱心な愛好家でも手が出せるようになってきている。

原理
白黒の写真は光強度(単位面積あたりの光のエネルギー)が記録された点の集まりで、どの点も光強度という1つの情報しかない。カラー写真はさらに、光の三原色に相当する3つの光の波長の情報が加わる。

ホログラムでは光の電場の振幅や波長の情報だけでなくそれに位相の情報が加わる。写真では位相の情報は失われるが、ホログラムでは光の電場の振幅と位相が記録される。通常は単一波長であるが、カラーも可能である。像が再生される時にできる放射光は完全な3次元像となる点が、写真との違いである。また、写真と違い、像を反射率の違いで再生できるだけでなく、記録したホログラムを漂白することで屈折率の違いでも像を再現できる。

製造

ホログラムの記録
ホログラフィーでは、各点について、参照光を用いて光波の位相を記録する。参照光は、記録の対象となる物体を照らす物体照明光と同じ光源から来ている。物体光と参照光とは、コヒーレンス(可干渉性)をもつ。参照光と物体光の重ね合わせによる光の干渉によって干渉縞ができる。これは普通の写真フィルムと同じ撮影技術であるが、干渉縞の微細な像を記録する必要があるので、専用のフィルムを使い、除震台を使うのが一般的である(ただし、パルスレーザーを光源とする場合には除震台は必須ではない)。これらの干渉縞は、フィルム上に回折格子を形成する。

ホログラムの大量生産法として、スタンパからの転写が用いられる。金属板上に塗布された光硬化樹脂に干渉縞を露光し、離型用に硝酸銀の還元反応によって銀メッキを施し、表面に無電解ニッケルメッキ(カニゼンメッキ)を施して耐久性をもたせてから、裏面を銅の電鋳によって裏打ちする。完成したスタンパから樹脂に転写する。

再生

ホログラムの再生
一度フィルムが現像されると、参照光が再度照射されたときにフィルム上の干渉縞によって回折が起き、光強度と位相が再現された物体光ができる。光強度と位相が再現されているため像は3次元となる。観察者が動くと映し出された像は回転しているように見える。

ホログラフィーは物体光と参照光の干渉が必要となるため、コヒーレンスな光波が必要であり、記録・再生にはレーザーが使われる。レーザーが発明されるより前のホログラムは、水銀灯のような不便なコヒーレント光源を利用していた。

光のコヒーレンス長によって像の最大の深さが決まる。レーザーは通常数十センチメートルから数メートルのコヒーレンス長を持ち深い像を作ることができる。レーザーポインターはホログラフィーに利用するにはコヒーレンス長が短すぎるとされてきたが、小さなホログラムであれば作ることができる。大きなアナログホログラムはレーザーの電力が低すぎてレーザーポインターでは作ることができない。デジタルホログラフィーを利用すればこの問題に悩まされることはない。



《陸上自衛軍最新鋭思考戦車:ヘルハウンド》

全長:9.42m

全幅:3.24m

全高:2.30m

重量 約44t(全備重量)

懸架方式 油気圧式

速度:70km/h(前進・後進速度)

武装
12.7mm重機関銃M2(2基)

装甲 複合装甲(正面要部)

増加装甲(砲塔側面)

エンジン 水冷4サイクルV型8気筒ディーゼル
1,200ps/2,300rpm

乗員 1名


《思考A.I搭載型AH-64D アパッチ・ロングボウ(改) 1機》

メインローター直径:14.63m

全長:17.76m

全高:4.95m(FCR頂部まで)

回転円盤面積:168.1m

空虚重量:5,352kg

設計ミッション総重量:8,006kg

最大離陸重量:10,107kg

GE製 T700-GE-701C ターボシャフト×2

エンジン推力:1,409kW

超過禁止速度:197kt/364.8km/h

水平速度:149kt/276km/h

上昇率#541m/min

ホバリング高度限界:4,172m(地形効果内)/2,889m(地形効果外)

航続距離:490km(機内燃料のみ)/1,896km(フェリー時)

乗員:2名(前席:射撃手兼副操縦士/後席:操縦士)

固定武装
M230Aー130mmロング機関砲×1

通常武装:AGM-114ヘルファイア

対戦車ミサイル

AIM-92スティンガー空対空ミサイル

ハイドラ70ロケット弾ポッド



使用している画像はイメージです。

この物語りは架空です。攻殻機動隊の二次創作です。
物語りに登場する人物、団体、一部兵器類などは架空です。
実在の人物、団体、兵器類とは関係ありません。
※一部、『白鳥の湖』より、引用。

ー復讐のスワンー攻殻機動隊外伝:プロローグ

2018-09-13 16:02:25 | 攻殻機動隊二次創作


ー復讐のスワンー
攻殻機動隊外伝


~17世紀~


ードイツ北部ツヴィッカウ王国ー


秋を装う澄んだ空。

この地に住む少女オデット。
演芸酒場の踊り子でもあるオデット。
今日は昼の部の演舞もお休みの休日。
そんなオデットのこの時期の楽しみは、花の首飾りや花冠を作ること。
オデットはいつもの休日となんら変わらず、花畑で花冠に使う花を摘んでいた。今の時期は色とりどりの秋桜(コスモス)が人々の目を楽しませる。

そんな秋桜で花冠を編むオデットの頭上が一瞬、暗くなると「ヒラヒラ」と黒色(こくしょく)の羽が落ちてくる。
「何かしら」とヒラヒラと落ちてくる羽を目線で追うオデット。
そのオデットは自分の眼を疑った。
ヒラヒラと落ちてくる羽はやがて黒色鳥に変わったかと思うと「人」の形にその姿は変わり、オデットの目の前に舞い降りた。
オデットは摘んでいた花を静かに足元に置き、両手で目を擦る。
擦ったせいなのか、目の前にがぼんやりする。
オデットは目をぱちくりさせた。

「あらあら。驚かせしまったかしら」とオデットの目の前に舞い降りた『魔女のロット・バルト』が現れ、「ニコリ」と微笑みながら大きな石の上に腰掛け語りかけた。

「うん。ちょっとだけビックリした」

「でも大丈夫よ」

「貴女(あなた)は妖精さん!?」




オデットが尋ねると「私は黒色鳥の化身。魔女のロット・バルト」と答え、手にする杖を使い呪いの魔術をオデットに掛けたのだ。

「将来、私の邪魔になる存在は早い内に摘み取る事にしたのよ」

「恨むなら自分の運命を恨みなさい」

オデットを白鳥に変えてしまったのだ・・・・・


王宮の前庭。


今日は『ジークフリート王子』の21歳の誕生日。

お城の前庭にはジークフリート王子の友人が集まり祝福の踊りを踊っている。
そこへ王子の母が現われ、明日の王宮の舞踏会で花嫁を選ぶように言われてしまう。

まだ結婚したくないジークフリート王子は物思いにふけり、友人達と共に白鳥が住む湖へ狩りへと向かった。
静かな湖のほとり。
白鳥たちが泳いでいる。月の光が出ると、その中の一羽が、娘の姿へと変わっていった。
ひときわ美しいオデットに王子は惹きつけられる。
彼女は夜だけ人間の姿に戻ることができ、「この呪いを解くただ一つの方法は、まだ誰も愛したことのない男性に愛を誓ってもらうこと」王子に告げた。

それを知った王子は明日の舞踏会に来るようオデットに伝え、その場をあとにした。
王宮の舞踏会。
世界各国の踊りが繰り広げられているところへ、『魔女の娘オディール』が現われる。
王子は彼女を花嫁として選ぶが、それは魔女のロット・バルトが魔法を使ってオデットのように似せた娘のオディールであり、その様子を見ていたオデットは、湖へ走り去って行く。

魔女に騙されたことに気づいた王子は嘆き、急いでオデットのもとへ向かう。
破られた愛の誓いを嘆くオデットに王子は許しを請う。
そこへ現われた魔女のロット・バルト。

「来世までその呪いの魔術は解けなくてよ。」

「フッフッフッ。」

魔女のロット・バルトはそう言い残すと、闇夜に消え去った……
オデットの呪いは来世まで解けない。絶望した王子とオデットは、来世で結ばれる事を誓い、湖に身を投げた……

そして1000年の時が流れた……


ー西暦2700年ー


「よーし!!レベルアップと。」

「これでレベル992まで上がった。」

「このゲームをはじめて僅か3日。不正したけど僕の『オデット』は最強のバトルコマンダーに成長した。」

"バンドルネーム":ジークフリート。

16歳の少年。

16歳のこの少年は『電脳体感型:バトル・ロワイアルゲーム』に夢中になっていた。

この少年が実は、この『バトル・ロワイアル』ゲームをはじめたのは約三ヶ月前であった……

先ず、ゲームをはじめるには、このゲームサイトにユーザー登録したあと、早ければ三時間後にゲーム内キャラと連動するバトルプロテクターが届く。
そのバトルプロテクターを自身が装着し、電脳に端末ケーブルを繋げばゲームに参加が可能である。
レベルに合わせてバトルコロシアムが設定されている。

そのコロシアムに育てたバトルコマンダーとファイトマネー(仮想通貨)をエントリーすれば、あとは同じレベルで同等又はそれ以上のファイトマネーをエントリーしている対戦者(ユーザー)がランダムに現れ、バトル開始である。

一度対戦した相手とは二度対戦する事は出来ない。
※ただし、『バルト王座決定戦』等のイベント開催時には再び対戦する事が可能。
『バトル・ロワイアル』方式である為、エントリー者が多ければ勝者には多額なファイトマネー(仮想通貨)を手にする事が出きる。
勝者は敗者からエントリーしたファイトマネー(仮想通貨)を受け取り、バトルスーツを強化し、トレーニングメニューから選んだトレーニングをこなす(仮想通貨が必要。)
ただし、体感型なので、電脳を通じて自身も疲労感もあれば痛みも感じる。
従って対戦相手が異性の場合、意図的に触れれば反則となりペナルティを課せられる。
悪質な場合、強制退会させらて尚且つ、同じ電脳ではユーザー登録する事が出来ない。

又、不正が認められた場合、そのバトルは無効。
さらに不正者の仮想通貨と強化パーツ、スーツ等は対戦者に分配され、不正者は強制退会になります。
※強制退会についての一切の意義申し立ては、受け付けません。
又、威力業務妨害で訴える場合も有ります。

この少年はのんびりマイペースで、ゲームに参戦。マイキャラを育てて遊んでいた。

ある日、少年は腕試しのつもりで、バトルにエントリーした。

対戦者はただ一人だけであった。

同じレベルでのエントリーであった。だが、しかし、相手のコマンダーはとてつもない攻撃力を有していたのだ。

「あり得ない!!レベル5で攻撃力:100.000power 防御力:500.000shield。だと!!」

「不正に作られたユニットだ!!」

少年はバトルを拒否、コロシアムを退場しようとするも、コントロールまでもが不正にアクセスされ、1ミリたりとも動かない。

ボディーにワンパンでK.Oされた。

ムカつくが、この相手とは二度と対戦する事はないのだから、今日のところは我慢して諦めようと思っていた・・・・

だが、悲劇は始まったばかりであった。

少年の操るオデットはコロシアムから退場出来ない。
そればかりか、再びエントリーされ、更にファイトマネーまで倍額に羽上がり、強制的に対戦させられたのだ。

「うゎゎゎゎゎぁーーー!!」

「やめろ!!やめてくれ!!」

「僕の……僕のオデットがぁぁぁぁぁーーー!!」

この状態が幾度も続き、少年の仮想通貨は全て巻き上げられ、ここまで育てたオデットは、手足をもがれ、あどけない顔は青ざめ、口からは血反吐を吐き、装備するプロテクトスーツは、見るも無惨に剥がされ、再起不能にまでされてしう。

「こんな……こんなの無効だ……」

「ゲームサイトに不正された事を「チクってやる」泣きながら少年はゲームサイトに今のバトルの無効を訴えた。

十分後、ゲームサイトから審議の結果報告が届く。

「バトルの映像を確認しましたが、不正は認められません」との返事であった。

その一時間後、少年はこのゲームサイトを退会した……
※イメージ曲:チャイコフスキー白鳥の湖


~1ヶ月後~


少年はこのゲームサイトに戻って来た……

『オデット』の復讐の為だけに……

「よーし!!レベルアップと」

「これでレベル992まで上がった」

「このゲームをはじめて僅か3日。不正したけど僕の『オデット』は最強のバトルコマンダーに成長した」

バンドルネーム:ジークフリート。


【新起動】


ーバトル・ロワイアルゲームサイトー


「バトルコマンダー:オデット」起動。起動と同時にオデットの眼が紅く光。

「さてと、先ずはあの糞野郎を血祭りに上げてやる」

バンドルネーム:ジークフリートは不正アクセスにより、以前、対戦しオデットを再起不能にまで落とし入れた対戦相手を検索、探しだした。

「まだ、レベル5で悪さしてんのか」

「オデットの仇きを取らせて貰う」

ジークフリートを名乗る少年は不正アクセスの操作により、強制的にオデットを再起不能にしたプレイヤーユニットをコロシアム内に引きずり込んだ。

否応なしにバトルは開始される。

ジークフリートの眼前には「you.win」の文字化された映像が何度も浮かび上がる。そんな中、何時しか強制的に参戦させられているユーザーは恐怖に怯えていた。

「なんだよ。怯えているのか?」

「お前、自分がやって来た事だぞ!!」

相手のバトルユニットを通し少年はオデットを再起不能まで落とし入れたユーザーの電脳にアクセスした。

勿論、この行為はゲームサイトに限らず違法行為である。

「ベキベキ」とバトルユニットのプロテクトスーツを剥がし、腕と足をもぎ取る。
勿論、この感覚はユーザーである本人にも伝わっている。

だが、実際は本人に対して怪我や痛み、疲労感等が残る事は無く、ゲーム終了と同時に、その感覚は消える。
ましてや実際に腕が「もげる」事などない。
しかし現実には、この相手ユーザーの腕も足も、はもぎ獲られてしまう。

「うぐっ!!」

「ぎゃぁぁぁぁぁーーーッ!!」

あまりの激痛に悲鳴すら上げる暇もなく、気を失ってしまう。

「ふん。気を失うのはまだ、早い」

「起きろッ!!」

少年は相手ユーザーの電脳へアクセス、強制起動させ、苦痛を与え続けた。

「やっ、やめてくれーーーッ!!」

「お願いだ!!たすけ……

「フッフッフッ。自分の運命を呪うがいい!」

「フッフッフッ。あとは電脳にウイルスを仕込めば完了だな」

電脳にウイルスを注入された復讐のターゲットのユーザーはその後、死亡した。
勿論、ゲームサイトにはこの記録は残っていない。
これもこの少年が操作して隠蔽していてたのだ。


~数日後~


このユーザーの住む隣人から異臭がするとの通報により、この事件が発覚する。
隣人の通報通り、部屋の中は遺体の腐乱した臭いが充満、異臭が立ち込めていた。

「うへッ。こりゃひでぇーな」


◆◆◆◆


第一話
つづく。


使用している画像はイメージです。

この物語りは架空です。攻殻機動隊の二次創作です。
物語りに登場する人物、団体、一部兵器類などは架空です。
実在の人物、団体、兵器類とは関係ありません。
※一部、『白鳥の湖』より、引用。