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ー白銀の巫女ー桂木透子ー
宇宙戦艦ヤマト2202外伝
第四十話
ガトランティスの王:大帝ズォーダーと対面を果たした。
古代は、そのズォーダーに停戦、和平を申し入れた。
「ガトランティス王、ズォーダー。」
「自分はヤマト艦長古代だ。」
「もう、無駄に血を流す事を止めにしないか?」
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「いつぞやの青年か!?」
「お前が、あのヤマトの艦長だったとはな。」
「戦いを止める?」
「勝利を目前に止める?」
「戦いをやめてもいいが、それは地球人類が、我々ガトランティスの奴隷として誓える事を意味するぞ。」
「地球の王は、未だに頭(こうべ)を垂れんが、お前ごときが説得出来まい?」
古代は奥歯を噛みしめ、ズォーダーを見つめるだけで、返す言葉がなかった。
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「話は終わりだ。ヤマトの艦長古代よ。」
大帝ズォーダーは、そう告げると指を「パチリ!」と鳴らした。
ガトランティス軍最高幹部の一人、ゲーニッツが姿を表す。
20人ほどの近衛兵が大帝ズォーダーをぐるりと囲い、腰に備えた剣(つるぎ)を一斉に抜き、胸の高さに構えた。
ゲーニッツが告げてくる。
「ヤマトの指揮官よ。諦めて我々ガトランティスに跪づけ!」
「お前一人で、我ら近衛兵たちを倒す事は不可能。」
「多勢に無勢だ!」
「大帝に代わって、この者がお相手いたす。」
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「あ~ら。そうなの?」脱ぎ捨てた諸刃の鎧の端切れで、応急的に止血処方を施し、私は、古代がズォーダーと対面する玉座の間に姿を現し、挑発口調で告げた。
「白銀の巫女サーベラー……」ゲーニッツは震える声で口を開いた。
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「ゲーニッツ。儂の前から兵を引かせろ!」
うろたえるゲーニッツに大帝ズォーダーの声は届いていなかった。
大剣を抜くズォーダーは「ムクリ。」と玉座から立ち上がると、正面を固める近衛兵を切り倒し、その勢いで、最高幹部のゲーニッツをも切り倒した。
「この程度、うろたえる者など、要らぬわ!!」
「サーベラー。いや、桂木透子。地球へ送り込んだ白銀の巫女シファル・サーベラーよ。」
「この儂と刺し違えるつもりか?」
「ギロリ。」と目を細め、私を睨み付けるズォーダー。
そのズォーダーは、こう告げてくる。
「お前と愛を育み、溺愛した我らの児ミルの事を忘れたか?」
「ミルは、サーベラーお前といっしょに殺されたのだぞ。」
「そして、儂の代を引き継ぐミルもまた、殺されたのだぞ!」
「何故、"人間"の味方をする?」
私はその言葉に動揺を隠せずにいた。
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心の隙を突いてくる大帝ズォーダー。
そのズォーダーは更に告げてくる。
「人間を滅ぼす為にお前は、滅びの方舟を目覚めさせる裁定者と成ったのだぞ!」
「今更、後戻りは出来んのだ!」
「さぁ!その諸刃の剣(つるぎ)で、この目障りな古代を殺せ! 」
「……滅びの方舟を目覚めさせたのは、間違いだった。」
「目覚めさせるべきでは無かった。」
「あなたの……あなたの心の中にはミルしか居なかった……。」
「私が何も知らなかったとでも?」
ー三年前ー
銀河の海原を一隻の恒星間航行宇宙船が、アケーリアスの巡礼地:シュトラバーゼを目指し、航海をしていた。
だが、何の前触れもなく、その悲劇は襲い掛かった。
銀河の中でも、辺境の地と呼ばれる宙域に"ジレル"と呼ばれる惑星が存在した。
この海原を航海する宇宙船は、そのジレルの民を乗せ、惑星シュトラバーゼを目指していた。
そこへ、同じくシュトラバーゼを目指すガダガームを名乗るガトランティスの軍勢と遭遇、襲撃されてしまう。
感応波や読心術と特殊な能力を持つジレルの民だと知ると大帝ズォーダーは皆殺しを止めさせ、数名を連れ帰るようダガームに命じた。
こうして、囚われたジレルの民はズォーダーの命(めい)により、初代シファル・サーベラーの細胞と掛け合わされ、強制的に産み出された"第二の白銀の巫女:シファル・サーベラーを造り出した。
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そして、この新たに造り出されたサーベラーに都市帝国の機能を操る権限を与え、ガトランティスの民の記憶を操作し、忠誠を誓わせた。
◆◆◆◆◆
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「あなたは新しい傀儡を手に入れた事で、オリジナルを引き継ぐ私を地球へと追いやった。」
「あの時、死が近づいたジレルの民が、教えてくれたのよ。」
「あの人(大帝)の心の中には、貴女(わたし)への愛など、持ち合わせていない。」
「持ち合わせているのは、ゼムリアを惑星ごと抹殺する事と二代目と成るミルの事だけと。」
「フッハッハッハッハッ!!」高々と笑いズォーダーは、こう告げて来た。
「そこまで知っているのら、もうあの人形にも、お前にも、そして儂が造り出した傀儡(ガトランティス)たちにも、用はない!」
「もはや、時間断層など要らぬわ!!」
「儂、自らが裁定者と成り、アケーリアスの残した遺産(人間)を抹殺するまで!!」
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「ゴレムよ奏でよ!」
大帝ズォーダーは自らがゴレムを破壊した。
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一筋の閃光が、まるで生き物のように機能を停止した都市帝国を駆け巡る。
地響きと大きな揺れが、私たちを襲う。
「古代!もう、誰にも止められない!」
「ここから脱出する。私に付いて来て!」
私は古代を連れ、一つ下の階へと降り、偽りの巫女を抱え、脱出を急いだ。
「透子さん。そのガトランティス人はゴレムを受け付けないのか?」
「この傀儡は傀儡であって人間。」
「元は私と同じ、オリジナルから造られた人間。」
「子を宿す事が可能な人間。」
「私と同様に、このサーベラーも懐妊している。」
古代は驚きを隠せなかった・・・
私たちはサーベラーを連れ、フルオートの護衛艦四隻を従え、偽りの巫女シファル・サーベラーの意思に反応する専用艦シファルスで、崩壊する都市帝国から脱出した。
第四十一話へ
つづく。
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ガトランティス戦役にて、開戦当初、ヤマトを沈める為、避難民の地球人女性に成り済ましていた桂木透子=シファル・サーベラー。
ヤマト内から感応波を使い、ヤマトの行動をガトランティス側に知らせていた桂木透子。
その桂木透子はガトランティスのスパイだと判明、ヤマト艦内で拘束されてしまう。
その為、慕う大帝からの感応波を絶ちきられ、更には母星であるゼムリアをも破壊された。
それまでは、感応波が絶ちきられたのは、大帝には何か考えがあっての事で一次的なものと考えていたが、ゼムリア星を破壊された事で、目に見えない拘束具が外れたかのように、古代らヤマトのクルーと共闘、大帝ズォーダーを倒す為、滅びの方舟の中核である都市帝国内へ潜入。
大帝ズォーダーを倒した。
元々は、もう1人のシファル・サーベラー用にズォーダーが造らせた艦(ふね)であるナスカ級打撃型航宙母艦を改良した格闘型航宙母艦:シファルスにて、崩壊する都市帝国から脱出、新天地"ゼムリア"を探す為に旅立つ桂木透子座乗の艦(ふね)と成る。
"新生ゼムリア旅団先導艦:シファルス"
護衛にはフルオートのゴストーク級が担う。
元々は、もう1人のサーベラーの意思をインプットしたチップを組み込まれたA.Iが艦全体を動かしていた。
そのデータを透子が書き替え、透子の意思に従うように変えた。
全長:334m
武装
艦首:波動機関暴圧衝撃波砲
(ガトランティス式波動砲)
主砲:155mm両舷側三連装速射衝撃砲搭×2基
副砲:八連装速射輪胴砲塔×3基
二連装速射砲塔×2基
対空砲:八連装高射輪胴砲塔×18基
ミサイル発射管×8門
魚雷発射管×2門
物質転送波放射基×2基
(物質転送波システム)
波動機関共振防御膜
(ガトランティス式波動防壁)
艦載機数:24機
艦載機甲殻攻撃機:デスバテーター
※ゴストーク級護衛艦×12隻(物語りでは四隻)
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使用している画像はイメージです。
一部、ネット内に出回っている拾い画像を使用しています。
この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
一部、公式より引用。