鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

魅猫アゼルスタン・ククリットーガトランティスを導く者ー

2019-03-17 12:09:49 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作



魅猫アゼルスタン・ククリット
ーガトランティスを導く者ー


プロローグ




【白色彗星帝国:白銀の巫女シファル・サーベラー】

「大帝の決は決まった。帝星ガトランティス、地球へ向け、前進!!」

帝星ガトランティスの幹部が集まる天守の間。
その天守の間から更に一段高い位置に玉座の間、そこに鎮座するようにガトランティス王:大帝ズォーダーが座っている。
右手を頬に当てがい、瞳を閉じ瞑想している。

瞑想が終わる時をいち早く、察知する帝国No.2の将官:白銀の巫女の異名を持つシファル・サーベラー。

そのサーベラーは告げた。
「地球へ向け、前進!!」と。



「サーベラー殿。」
「わたくしは別行動を取らせて頂くわ。」
ズォーダーの玉座からその声は聞こえた。
サーベラーをはじめ、ガトランティスの幹部、将官らが一斉に玉座を見上げた。

「貴様!」
「誰の許可を得て玉座の間へ入った?」
「近衛士!あの小娘を捕らえ、引きずり降ろせ!」声を荒らげ叱責を飛ばすサーベラー。

だが、叱責を飛ばすサーベラーに意外な言葉が返ってくる。

「サーベラー。そう熱くなるな。」大帝ズォーダーの声であった。
再び、頭(こうべ)を垂れるサーベラー。
そのサーベラーを見下ろし「ニヤリ。」と笑みを浮かべるアゼルスタン。

更にズォーダーは、こう付け加えた。
「アゼルスタンには儂が許可を与えた。」
「この者には、先行する第八番浮遊大陸制圧部隊の援軍として、出陣させる。」
「バルゼー。貴公にはアゼルスタンの補佐を命じる。」
「階級的には貴公が上だが、アゼルスタンには敬意を払え。」
「儂が見込んだ戦士アゼルスタンよ。」
「期待しているぞ。」
そう云うとマントを翻し、玉座の間から姿を消す大帝ズォーダー。
そのズォーダーの一歩後ろからアゼルスタンが玉座の間をあとにした。
一歩後ろからズォーダーの後ろを歩くアゼルスタンは、いつの間にか大帝ズォーダーの左横を歩いていた。
ズォーダーの大きなマントが小柄なアゼルスタンを覆い隠した。

「はぅ。」と安堵からか、アゼルスタンの吐息が漏れた。





サーベラーは一心不乱に、白色彗星を操り、感応波を持ち要り、バルゼーに裏命令を伝えていた。

「バルゼー。聞こえているな!?」
「戦果は、どうとでもなる。あの小娘を失脚させろ。」
「貴公も上官であるが、バックアップでは詰まらんだろ?」



「御意!」
「有りがたきお言葉。」

【ガイゼンガン兵器群アポカリクス級:航宙母艦一番艦バルゼー】

【メダルーサー級:殲滅型重戦艦:アゼルスタン・ククリット専用艦アゼルスタード】

「しかし、こうも板挟みではやりにくいと云うもの。」
「大帝のお言葉は絶対であるが……」

「バルゼー提督。アゼルスタン様の艦(ふね)が先行し過ぎております。」
バルゼー艦オペレーターが告げてくる。
「好きにさせておけ!」
「我が艦は付かず離れずだ!」バルゼーは板挟みのイライラを隠せずにいた。

「あぁ待て!イーターワン12艦の発艦準備を急がせろ!」

「御意!」

バルゼーは重荷を背負う苛立ちはあるものの、アゼルスタンが負傷しましたでは、許されない。
何時でも護衛にと、ガイゼンガン兵器群である自滅型と特殊であるイーターワンを発艦、アゼルスタード艦の護衛に就かせた。





「それにしても、大帝は何故、あの小娘を……。」サーベラーの心に、これまで抑制されていた"嫉妬"なるものが、ふつふつと、浮かんでいた。

「ガイレーン。ガイレーンは居(お)らぬか?」

「ははっ。サーベラー殿。お呼びですかな。」
天守の間から更に下層の瞑想の間で、サーベラーは、感応波を持ち要り、大帝ズォーダーの参謀役でもあるガイレーンを呼び出した。

「貴公に頼みがある。」
「私は、あの戦士アゼルスタンの活躍を見たく成った。」
「ガミラスの科学奴隷に造らせた最新鋭次元潜航戦略指揮艦シヴァーを出撃させる。」
「大帝には、何時もの気まぐれでテスト航海してみたく成ったと申しておりましたとでも、伝えておけばよろしい。」

「……御意。」
「くれぐれも、御無事な御帰還を。」ガイレーンは、深々と頭(こうべ)を垂れると、近衛士らに耳元で指示を飛ばした。

【次元潜航戦略指揮艦シヴァー】
まだ、どの将に乗せるかは決まっていない。
出来立てホヤホヤの最新鋭艦、本来なら事故が付き纏うテスト航海に帝国No.2を座乗させる事など、あり得ない事である。
だが、"白銀の巫女"の異名を持つシファル・サーベラーの言葉は大帝ズォーダーの言葉と言っても過言ではない。
そのサーベラーが直に告げて来たとなれば、どんなに無理、無茶であろうと聞き入れなければならない。
その事が、少なからず将兵らは、顔や言葉に表さなくとも反感を買っていたのも事実。
その証拠に、いち頭目であったゴラン・ダガームからは"小娘"呼ばわりされていた。
当のゴラン・ダガームは、三年前に戦死しているのだが、サーベラーを小馬鹿にした時は内通者が出るほどであった。
それくらいサーベラーへの忠誠は、徹底されていた。



それほどの権限を持つサーベラーにしてみれば、何処ぞの宙域(領土)を持たされていたかは解らないが、頭目風情に舐められたとあっては、面目丸つぶれ。
とにかく大帝が興味を無くせばよい、ダガーム同様にアケーリアスの遺跡探しに左遷が相応しいと、失脚を目論んでいた。


◆◆◆◆


ー天の川銀河外縁部原始惑星群ー


天の川銀河を平面図に表し、太陽系から南下した最果ての宙域に、第八番浮遊大陸と呼ばれる原始惑星が存在する。
この宙域には、まだ地球と戦争する以前から、アベルト・デスラー直轄の惑星調査部隊が時折、姿を見せていた。
それは母星であるガミラスの寿命があと百年と迫る為、アベルトは極秘に大小マゼラン銀河の外の銀河にも目を向け、ガミラス人が移住可能な惑星の調査に赴けさせたからである。

調査部隊が補給の為、たまたま立ち寄った浮遊大陸。
その浮遊大陸ごときに調査団は、興味を引かれ、惑星調査をも後回しにするほどであった。
それは"古代アケーリアスの遺産"だった。

「団長。このアケーリアスの遺跡を解明出来れば、我々はガミラスの民は救われる可能性が高いですね。」
調査団団長のサポートクルーの一人、シャルドネ技術将校は、目を蘭々と輝かせ告げた。

「シャルドネ君。我々の科学力を持ってすれば、あと三年…いや、五年もあれば解明出来る。」
「百年の間の僅か五年だ。総統も許可をくれるだろう。」

アベルト・デスラーは一部の望みを彼らに託し、全部隊の三分の一をこの浮遊大陸に残し、遺跡の調査、研究に割り当てた。

超空間通信を通し総統からメッセージが、伝えられた。
「総統から伝言をそのまま伝える。」
「よかろう。だが、時間厳守だパイパダ科学技術准将。」華奢な身体で細い眉や細い口髭を蓄えるヴェルテ・タラン上級大将が伝えた。

こうして、総統アベルトからの許可を得る事に成功した調査団は三年後に起こる悪夢な出来事など、想像すらつかなかった・・・


時は流れ・・・
西暦2202年


同浮遊大陸群宙域に突如、出現した帝星ガトランティス艦隊。




「火焔直撃砲撃ちなさい。」

「あはは!ガミラスの猿どもなんて楽勝じゃない。」
「この程度のお猿に一週間も手こずってるから大帝叱責されるのよ。」
「まぁだからこそ、このわたくしアゼルスタンが派遣されたのよね。」

だが、ガミラス浮遊大陸駐留軍も最後の足掻きを見せていた。



「リレー衛星起動!」
「第六、第七、第二十三号衛星はポイントアルファへ!」
「第一、第百号衛星はポイントチャーリーへ!」
「反射衛星砲、発射ーーーッ!!」

威力こそ火焔直撃砲に劣るものの、アウトレンジ攻撃では火焔直撃砲を上回っていた。
思わぬガミラスの反撃に、うろたえるガトランティス第四機動艦隊所属第百十一戦隊は三分の一を消失した。

「ちっ!何をうろたえる!」
「この戦隊は正面突破しか考えんのか?」
アゼルスタンは、そう心の中で呟いた。

「わたくしが陣頭指揮を取るわ。」
「艦長。戦隊に通達!殲滅は避けると。」

「殲滅を避けるのですか?」

「そうよ。あの兵器を見て何も感じないの?艦長!?」
「あれだけの兵器が存在すると云う事は、優秀な科学者かそれに匹敵する者が居るはずよ。」
「制圧して科学奴隷にするわ。」
「勿論、従わなければ殲滅させるだけの事。」
「これは大帝からのお墨付きの命令よ。」

「御意!」頭(こうべ)を垂れると直ちにアゼルスタンの命令を通達した。
火力の集中を大陸から衛星破壊へとシフトされた。
原始惑星群、大小様々な隕石までが、一匹狼的に存在するものも有れば、むれを成す隕石群までが浮遊する宙域。
その中にデブリに紛れるように、反射衛星は存在した。
これらをしらみ潰ししたアゼルスタンは、ここぞとばかりに大陸に向け、火焔直撃砲を撃ち放つ。
基地も兵器も無い大陸の端が抉られ、無数に砕けた破片が、宙を乱舞した。

これはアゼルスタン式の勝利宣言であった。
これ以上の抵抗は無意味と。

「艦長。多脚戦車隊を降下させて。」
「わたくしも降ります。」

第八番浮遊大陸紛争が勃発して、一週間が過ぎた。
大陸はガトランティス軍に完全制圧された。




第一話(前編)へ
つづく。


◆◆◆◆


主な登場メカ
帝星ガトランティス軍

【試作最新鋭次元潜航戦略指揮艦シヴァー】

※全長:500m

※武装

艦首亜空間魚雷発射管×12門(前衛部6門・後衛部6門)

大型八連装速射輪胴砲塔×3基(前部2基・後部1基)

対空用小型八連装輪胴砲塔×16基

両舷側短魚雷発射管×16門

四連装空間機雷投射基×2基

攻撃型護衛次元潜航艦×6艦(両舷側に2艦づつ二重に重なる感じにトラクタービーム(牽引ビーム)で接続されている・艦底部に2艦(平行に並ぶようにトラクタービームで牽引されている。)全てがフルオート艦。)
※後に感応波コントロール対応型フルオートと成る。

搭載機

※強行偵察型デスバテーター×2機

【強行偵察型デスバテーター】

【試作攻撃型護衛次元潜航艦】

※全長:120m

※武装

艦首亜空間魚雷発射管×4門

艦尾亜空間魚雷発射管×2門

対空用小型八連装輪胴砲塔×4基(艦尾上部・艦尾艦底部・両舷側)



【メダルーサー級:殲滅型重戦艦アゼルスタン・ククリット専用艦アゼルスタード】

全長:505 m

武装

火焔直撃砲×1門

物質転送波機×2機

※波動機関余剰物質防御膜:ガトランティス式:(波動防壁)アゼルスタン専用艦に試作システムを搭載した。
後に、ガイゼンガン兵器群以外に施す予定であったが、軍神と呼ばれたラーゼラーから別の提案が有り、先送りにされた。現段階ではアゼルスタン専用艦とサーベラー専用艦シファルスのみに施されている。

艦首大砲塔(五連装大口径徹甲砲塔)×1基

主砲:八連装速射輪胴砲塔×3基

副砲:二連装速射砲塔×2基

対空砲:八連装高射輪胴砲塔×16基

艦首魚雷発射管×9門

量子魚雷噴進機×4機

艦載機・搭載車両

甲殻攻撃機 デスバテーター×12機
※多脚戦車×9両



【ガイゼンガン兵器群アポカリクス級:航宙母艦(バルゼー艦)※バルゼー専用艦は非行甲板前部にガトランティスエンブレムが描かれている。】注意本編では描かれていません。

全長:1240m

武装

主砲:大型八連装速射輪胴砲塔×10基

対空用小型八連装速射輪胴砲塔×16基

近接防御火器×32基

艦首大型ビーム砲×2門

艦載機

甲殻攻撃機 デスバテーター×600機

自滅型攻撃艦 イーターI×80機(バルゼー艦)



※【ガトランティス多脚戦車】イメージ

使用している画像はイメージです。
一部、使用している【ガトランティス娘アゼルスタン・ククリット】は心友の特務中尉(ミレーネル・リンケさんハンドルネーム)のオリジナルキャラクターで、お借りしてます。
また、プレイステーションゲーム版設定資料より引用。

この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
一部、公式より引用。