鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

今週は【第二十四話:ヤマト、都市帝国を攻略せよ!】

2019-03-13 18:49:59 | 宇宙戦艦ヤマト2202



▶第二十四話「ヤマト、彗星帝国を攻略せよ!」

脚本:福井晴敏・岡秀樹/絵コンテ:岩崎知子/演出:中原れい/総作画監督:前田明寿・結城信輝/作画監督:乘田拓茂・千葉充

彗星都市帝国に放たれるトランジット波動砲。地球を背にヤマトは最後の決戦を挑む。大いなる和の縁──ガミラス艦隊、そして桂木透子の協力を得て、都市帝国内部へと侵入を果たすヤマト。目指すは大帝玉座の間。多くの血が流れ、多くの犠牲を払い、古代はズォーダーの元へと辿り着く。







公式サイト


白銀の巫女ー桂木透子ー宇宙戦艦ヤマト2202外伝ー最終話

2019-03-13 10:56:17 | 宇宙戦艦ヤマト2202外伝



ー白銀の巫女ー桂木透子ー
宇宙戦艦ヤマト2202外伝

第四十二話(最終話)


崩壊する都市帝国。
幾つもの瓦礫が渦を巻く。
その瓦礫は徐々に纏まり、やがて大きな一つの瓦礫の渦と成った。
渦の中心に不気味な光を放つ球体が浮かび上がった。
やがて、その球体は意思を持ち、1つの生命体のような存在化した。
取り巻く瓦礫の巨大な渦は、その球体の意志により、眼前に浮かぶ満身創痍のヤマト、残存地球ガミラス連合艦隊そして月と地球へと、容赦無く降り注ぐ。

私は古代をヤマトへ送り届けると、そのままヤマトから退艦、シファルスの意思同調システムを私の意思と同調するよう書き換えた。



「……なんという事だ………。」
「自身の核(コア)であり、魂でもあるあの不気味に光る球体は、なおもその核を増大させている……。」
「このままでは、宇宙がすべてが奴に喰らわれる。」
「あれが、真の滅びの方舟の姿……。」





「みんな。聞いてくれ。これより、最後の命令を伝える!」
「あれは、あの不気味に光る球体はガトランティスの王:大帝ズォーダーの魂。滅びの方舟だ。」
「共闘し、俺をヤマトまで帰艦させてくれた桂木透子いや、シファル・サーベラーが教えてくれた。」

「今、俺たちに残された唯一の武器を使って、あの魂を安らかに眠らせるしか方法は残されていない。」
「ヤマトがその残された唯一の武器だ!」
「これより、ヤマトの波動砲薬室内に一発だけ残っている波動削岩弾を装填、残された波動エネルギーを持ち要り、波動削岩弾の威力を増加させて、ヤマトごと、あの核(コア)を消滅させる。」
「失敗は許されない。」
「この一撃にすべてを掛ける!」

「これより、その準備に入る。」
「その後、総員退艦せよ!」

「そして、明日の未来を掴んで欲しい。以上だ。」

静まり返る第一艦橋内。
その静けさを親友でヤマト航海長:島が、破る。

「ヤマトを弾頭に見立て、奴に、あの核にぶつけるのは、誰がやるんだ?」

「………俺がやる。」そう古代は告げた。

その古代に詰め寄る島。

「俺は認めない!」
「こんな無茶な命令に従えない!」そんな島の肩に手を置く真田が云う。

「古代の気持ちを汲んでやるんだ。」
「この俺も辛い。島に負けないくらいにな。」
「俺はテレサに"幻"を見せられた時、古代の兄、守との約束した弟を見守ってくれとね。」
「俺は自分の弟のように彼を見守って来たんだ。」

下を向き、肩を震わす真田。
釣られるように島もた肩を震わせた。

そんな中、古代が口を開く。
「みんな聞いてくれ。俺は死にに逝くのではない。」
「俺もまた、新しい未来を掴む為に逝くんだ。」
「人類が生きてゆく為の未来を掴む為に。」

古代の言葉に再び、第一艦橋内は静けさを取り戻し、各自が最後の職務を果たした。





「純粋体のサーベラーよ……。」
「頼みがある……。わたしをこの艦(ふね)を護衛するあの艦に乗せてくれないか。」
「わたしにはまだ、感応波が残されている……。」
「わたしと護衛する艦隊をズォーダーに……ズォーダーに体当たりすれば、いくらかの時間を稼げる………。」



「それは出来ない。」
「貴女にはまだ、未来が残されている。」
「貴女のお腹にも未来はある。」
「その子の為にも………」
私は声を震わせ、サーベラーの言葉を拒否した。



お腹に手を当てるサーベラーの頬に伝わる一筋の涙。

「私たちに出来る事はヤマトを最後まで見届け、託された未来を掴む事。」

私はサーベラーの背中にそっと手を回し、震えるサーベラーを優しく包んだ。



最終作業を終えた真田と島が退艦、敬礼する古代に返礼を返し、離れゆく救命艇の窓際に姿を表した。
最後まで見届けたいとの心の表れだった。

ゆっくりとヤマトは満身創痍の身体を引きずるように、最後の力を振り絞り、不気味に光る球体:ズォーダーの魂を目指した。

「補助エンジン両舷全速。」
「目標、滅びの方舟。」
艦長席に座る古代の声が誰も居ない第一艦橋に、響き渡る。
そこへ退艦したはずの森雪が姿を表す。

「雪……。」

「……古代……くん。私がナビゲートします。」
「古代くん。覚えてる?」
「シュトラバーゼの事。あの時、もう放さないでね。と云った事。」
「貴方の、古代進の側に私は居たい。」
「もう、放さないと誓ったじゃない。」
そう云うと雪は艦長席に座る古代の膝の上に腰を静に下ろした。




「雪……これからはいつも、いつまでもいっしょだ。」
「これが二人の結婚式だ。」




地球上ではヤマトを見届けたい民が、空を見上げ、街灯モニタに映し出される映像を息を呑み込み、見つめている。

「ああ。ヤマトが……。」

「ヤマトがゆく……。」




「ヤマトがゆく……。」
「ギリギリまでお供致します。」



「ヤマトがゆく……。」



満身創痍のヤマトを金色(こんじき)に輝くテレサが、優しく包み込む・・・

「あなたがたの内(なか)に、愛と勇気を見せて貰いました。」
「共に参りましょう。未来を繋ぐ為に。」

テレサのその言葉と共にヤマトは、滅びの方舟を消し飛ばした・・・




◆◆◆◆◆


私はヤマトの最後を見届けた。
そして、ヤマトが残してくれた未来を掴む。
新たな新天地を目指し、サーベラーと共に宇宙という名の大海原に旅立った・・・
もう一人、同志を乗せ私たちは旅立った・・・

「地球へは戻れないわよ。」
「良くて?」

「はい。」





私たちは、新たな私たちの生命(いのち)を育み、新星ゼムリアを創りあげてゆく・・・

「私は白銀の巫女シファル・サーベラー。」


~fin~


ガトランティス戦役から半年。

惑星ビーメラを新たな母星としたガミラス、地球の一部の民は開拓の手を緩めず邁進し、新天地を完成させた。

奇跡というものは、気まぐれなのか。
古代と雪を乗せたボロボロのヤマトは、地球へ帰艦した・・・

そして、新たな伝説のはじまりであった・・・




使用している画像はイメージです。
一部、ネット内に出回っている拾い画像を使用しています。

この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
一部、公式より引用。