鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー第二章:第四話②

2020-05-06 18:48:00 | 宇宙戦艦ヤマト2205新たなる旅立ち



宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー

第二章:第四話②


「イスカンダル!水星軌道上にワープアウト!」
「地殻変動はワープの影響で現在は落ち着いているようですが、何時また暴走するか解りません!」太田が慌てた口調で告げて来る。

「うむ。」

「古代艦長!中央司令部より、入電!」
「メインモニタに繋ぎます!」
モニタに映し出された藤堂長官ともう一人、見かけない女性が並んでいた。
およその検討はついていたが、紹介を聞き、納得した。
スターシャの娘サーシャ・イスカンダルであった。



無事に保護されたとの事だが、スターシャとユリーシャが囚われ、メルダ・ディッツが自分には成り済ましているとの事だった。

「それは突然に起こったのです。」


瞬く間に王都イスク・サン・アリアは黒づくめの武装兵らに制圧され、指揮官らしき人物は目の前の女性が女王スターシャである事を確認すると、こう告げて来た。

「私は暗黒星団帝国マゼラン銀河方面軍副司令ギアナ・メルダーズ。」
「スターシャ陛下にて、おられますね。」

「いかにも、わたくしがイスカンダルの女王スターシャ。」
「ご用件を伺いましょう。」

「改めて申し上げる。娘を差し出して欲しい。」

「娘を?」

「そう。娘を差し出して貰おう。」

「何故、娘を必要とするのですか?」

「スターシャ陛下。私はあまり気が長い方ではないので、素直に従って頂きたい。」そう言うと手にする小型の端末機を「カタカタ」と打ちはじめ、スターシャとギアナのほぼ中間に浮かび上がる空間モニタ。
その空間モニタに映し出される囚われる妹のユリーシャ。

「ユリーシャ!」思わず一歩、前へ出るスターシャ。

「これでお分かりか?」


「これが経緯(いきさつ)です。」

「サーシャさん。では、イスカンダルにまだ、囚われているとすれば三人が囚われていると言う事ですね!?」

「そうです。」とサーシャが返事を返した時であった。
艦首左舷部に被弾とヤマトに巨大な影が襲い掛かった。
漆黒の宇宙が更に暗く成ってゆく。
第一艦橋の窓から上を覗き込むクルーたち。
識別灯なども目視で確認出来る。
だが、あまりにもの巨大さに度肝を抜かれ、言葉を失うクルーたち。



轟音を響かせヤマトを追い抜いた巨大な構造物は、その全貌を明らかにするかのように、進路と飛行態勢を変えた。

「地球の戦艦よ。イスカンダルは諦めよ。」
「さすれば、お前たちは見逃してやろう。」
「悪い条件ではあるまい?」


第二章:第五話へ
つづく。

この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー》の二次創作です。
もしかしたら、永遠にまでを含めた「起承転結」の四話(四章)に構成されるのかもと思い書いてみました。

使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。拾い画を使用しています。

宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー第二章:第四話

2020-04-30 10:25:00 | 宇宙戦艦ヤマト2205新たなる旅立ち



宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー

第二章:第四話◇太陽沖会戦①◇


太陽系内に突如、出現した惑星イスカンダル。
その出現に合わせるかのようにガミラス艦艇、イスカンダルの恒星間航行宇宙船シュヘラザード。

「古代艦長。現時点を持って訓練、テスト航海を中止、地球へ帰還せよ。」

さとみ監査官の命令に艦橋に居合わせたクルーの視線が集まった。

「監査官。その命令には従えない。」
「目の前の状況を見過ごす事は自分には出来ない。」
「ガミラスの艦艇数も異常なほどで、ましてやイスカンダルの船も確認出来、イスカンダルの海底火山噴火も確認出来ている。」
「イスカンダルは我々地球に救いの手を差しのべてくれた。我々はイスカンダルの船を保護するべきと、具申します。」
古代が具申する中、シュヘラザードは加速した。

「イスカンダルのシュヘラザード加速!」
「イスカンダルも加速しつつあります!」

「ガミラス、デスラーを名乗る者から緊急回線!」

森雪、相原、の報告が矢継ぎ早に飛び込んだ。

「相原!回線を開け!」
「島!回頭だ!シュヘラザードを追う!」

「古代艦長!命令を無視ですか!軍法会議だぞ!」

「帰還したら軍法会議に掛けたらいい!」
「今、目の前の危機を排除する!」

「貴様!監査官の権限において、古代、君の指揮権を剥奪する!」
「警務隊長星名を第一艦橋へ。」
「相原、デスラーからの通信を切れ!」

こうしている間にも、一手、二手と遅れるヤマト。
そんなヤマトとヤマトのクルーたちを嘲笑うかのように星籍不明の巨大戦艦が、加速するイスカンダルから姿を現した。

「監査官!これでもまだ、帰還を命じますか?」険しい顔を覗かせ、古代はさとみに詰め寄った。

「勿論だ!ヤマトは訓練生が殆どなのだ。むやみに手を出す訳には行かない!」
「イスカンダルとガミラスがどうなろうと私に関係無い!」
「航海長!進路を地球へ!」

「その命令には従えない!」古代に続き、航海長である島も命令を拒否した。

「警務隊長星名、艦橋へ入ります。」

「星名隊長。古代と島を拘束、艦橋より排除せよ。」
「これより宇宙戦艦ヤマトの指揮は私が取る。」
「太田、君がヤマトの操艦を。」

「監査官。拘束されるのは貴女です。」
「連邦中央政府藤堂長官からの命令で、貴女を拘束し、ヤマトは目の前の危機を排除、シュヘラザードを保護せよ。です。」
その時であったヤマトは大きな衝撃に襲われてしまう。
「きゃぁぁぁぁぁ!」と悲鳴と共に床に転ばされた監査官さとみは「ガタガタ」と震えていた。

「右舷、中央部に被弾!」
「右舷大展望室閉鎖!第二主砲塔へのエネルギー供給パイプに破損を確認!第二主砲使用出来ません!」

「太田!ダメージコントロールを急がせろ!」

「星名隊長!早く監査官殿をお連れしろ!」
「戦闘指揮は第一艦橋で指揮を取る!CICはサポートへ!」

「ガミラス艦隊と星籍不明艦、戦闘に入りました!」

「イスカンダル更に加速!まもなくワープスピードに達します!」

「シュヘラザード!ワープしました!」
目まぐるしいくらいに指示、命令が飛び交う中、警務隊長星名の肩に腕を回し、「ヨロヨロ」と歩き出す監査官さとみは何処かぎこちない。
被弾した恐怖で"お漏らし"した様子だった。
星名は見なかったフリをし、そのまま第一艦橋を後にした。



そんな中、イスカンダルはワープ、ワープと同時に再びデスラーから入電、今度はデスラーらしく強制介入して来たのだ。

「悪いが強制介入させて貰ったよ。」
「詳しくはあとだ。目の前の敵は我々ガミラスが引き受ける。」
「ヤマトはイスカンダルを追ってくれ。」
「スターシャを助け出して欲しい!」そこで強制介入された通信回線は切れてしまう。

「ダメージコントロールを継続!」
「島!イスカンダルの空間トレースは出来ているな!?」
「イスカンダルを追う!ワープにはいれ!」

「了解!」



「貴様、何者だ?」
ギアナは変装したメルダの腕を掴もうとした。
だが、変装を見破られたメルダは自分たちがイスカンダルから離脱した事で、ブレスレットを解除、ウィッグを投げつけ、顔面目掛け、回し蹴りを繰り出した。


「これが私の本当の姿だよッ!」

だか、メルダの繰り出した回し蹴りはギアナの顔面を捉える事なく、防御した右腕にヒットした。
逆にメルダは弾き飛ばされてしまう。

「くっ。」顔をしかめるメルダ。
「この感覚、まるで鉄の板でも蹴ったような感覚だ。」
「そこまで鍛え上げられるのか?」メルダの頭に「?=クエスチョン」が浮かんだ。

右の口角を僅かに上げ、ギアナは「ニヤリ。」と笑った。

「人間が鍛えたところで、所詮はその程度。」
「我ら暗黒星団帝国の者には効かん。」
「衝撃は感じるが、痛みは感じないのだよ。」

「クックックッ。」


第二章:第四話②へ
つづく。

この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー》の二次創作です。
もしかしたら、永遠にまでを含めた「起承転結」の四話(四章)に構成されるのかもと思い書いてみました。

使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。拾い画を使用しています。

宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー第二章:第三話

2020-04-24 21:24:00 | 宇宙戦艦ヤマト2205新たなる旅立ち




宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー
第二章:第三話◇サーシャ 脱出◇


古代はいや、第一艦橋のクルーたちは目を丸くし、メインモニタを覗き込んでいた。

「……あれは、あれはイスカンダル星じゃないのか?」
沈黙する第一艦橋のクルーたちに先駆け、古代が口を開いた。

「まさか?168.000光年も彼方から太陽系に……あり得んでしょう?」
古代の問いかけに返したのは、航海長の島だった。

「いや、そうとも言い切れん。」
その島の返しに真田が口を挟んだ。
「島ならマセラニックストームを知っているだろう!?」

「確かにマセラニックストームは知っている。イスカンダル航海時に計画はされたが、リスクが高過ぎると没になった。」

「マセラニックストーム?」監査官さとみが割って入った。

「マセラニックストーム。簡単に云えば銀河間宇宙気流です。」
「ワープ航法よりは速度的に遅いのですが、上手く気流に乗る事が出来、また分岐点を間違えなければ、大マゼラン銀河まで僅か3ヶ月、往復6ヶ月で可能です。あくまで計算上ですが。」




【マセラニックストーム】
大小マゼラン銀河の近くに広がる中性水素のガスである。
異常な視線速度をもつガス「星雲」がこの領域に存在することが知られていたが、ガスの位置と広がりは正確に把握できず、マゼラン銀河との関係も不明であった。
その後の観測でわかったガスは大変長く、その形状は銀河系などと比較するとかなり直線状である。
この領域としては視線速度差が異常に大きく、周辺銀河の視線速度パターンに同期するものではない。
高速度雲(HVC)としては古典的な例である。

階層型クラスタリング研究からわかるのは、小宇宙が長い時間をかけてより小さな小宇宙の衝突により形成されたことである。このような衝突・合体の副産物としてもっともよく知られ研究されてきたのがマゼラニックストリームである。

「では、イスカンダルは3ヶ月前に何らかの影響で、マセラニックストームに乗り、この銀河系まで流されたって事?」
更にさとみが質問した。

「…あり得ない。」
「意図的な何かが分岐点で軌道修正しなければ……或いは流れに任せて半年以上を費やし、たどり着いた。としか考えられない。」
真田は顎の下に軽く握った拳をあてがい、腑に落ちない様子を見せた。

「……意図的だとしたら誰が何のために…?」

そんな時であった再びイスカンダルの火山の噴火。
加速をはじめるイスカンダル。
同時にイスカンダルから複数の物体が飛び出した。

「……ガミラス艦艇多数をキャッチ!」慌ただしく森雪が告げだ。

「ガミラス艦艇だと?」
「そうか!」真田は左手の手の掌の上を右手で軽く「ポン。」と叩いた。

「古代!イスカンダルはガミラスによって意図的にマセラニックストームに乗せられたんだ!」



「古代艦長。調査する必要を感じる。と言いたいが、その必要も無さそうだ。」
「向こうら教えて貰えそうだ。」

メインモニタを見詰めながら、古代は全艦戦闘配置を実戦である事を付け加え、命じた。


スターシャの居る女王の間には隠し部屋が有る。
その隠し部屋からサーシャが、こっそりとスターシャの前に姿を現した。
周りをキョロキョロと見回した。
母親であるスターシャしか確認出来なかった。

「お母様。」

「サーシャ。」
スターシャはサーシャを呼び寄せると「ギュッ。」と抱き締めた。

「サーシャ。どうやらわたくしたちは、イスカンダルは銀河系まで流されたようです。」
「流されたと云っても意図的にですが。」

きょとんとする顔を覗かせるサーシャ。

「サーシャ。隠し部屋から地下に降りる階段が有るのは、知っていますね。」
「地下に降り、イスカンダルから脱出なさい。」
「ここからなら、地球もさほど遠くないはず、地球へ逃げなさい。」
「サーシャ。貴女の事はお父様の弟、叔父にあたる方が力を貸してくれるでしょう。」
「そして、叔母であるユリーシャを救い出して欲しいのです。」



「ハイ。お母様。」
「必ず、助けを連れて戻ります。」
真剣な眼差しを見せるサーシャは、「コクリ。」と頷くと、隠し部屋へ戻り隠し階段を降りた。

「こんな事もあろうかと、メルダにマニュアルの操縦を教わっておいて良かったわ。」
日頃、母親のスターシャの目を盗んではメルダにわがままを云って、操縦を教わっていた。
ただこれはスターシャが知らないフリをしていただけなのだ。




第二章:第四話へ
つづく。

この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー》の二次創作です。
もしかしたら、永遠にまでを含めた「起承転結」の四話(四章)に構成されるのかもと思い書いてみました。

使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。拾い画を使用しています。

宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー第二章:第二話

2020-04-20 14:35:00 | 宇宙戦艦ヤマト2205新たなる旅立ち




宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー
第二章:第二話◇太陽系のイスカンダル◇


メルダは不思議な感覚に襲われた。
「ブワァン。」と周りの景色が歪んだ。
そうかと思えば「フワッ。」と宙に浮かんだような感覚に襲われた。

「…なっ、何?」と思うメルダに話しかけるものが感じられた。
頭の中と云うか心の中に直接、話しかけて来る。
見覚えのある顔が思い浮かぶ。
「…あなた……ミーゼラ・セレステラ…。」

「幻覚?…思い出?……貴女に対する思い出……?」

「メルダさん。どちらでもないわ。」
「驚かして、ごめんなさい。」
「何も言葉に出さなくても大丈夫よ。貴女の心と会話出来るから。」
「あまり、驚いたりすると周りの人にバレるわ。」
「奇妙かも知れないけど、我慢してね。総統から命令を実行してるに過ぎないから。」
メルダは言葉に出さず頷くだけに留めた。



「総統から…。」メルダが質問しようとしたと同時にセシルの憑依は完了した。



「ごめんなさいね。メルダ、貴女の身体と心は借りるわね。」

メルダは完全にセシル・マーリャに憑依された。

「総統。セシルの憑依、完了しました。」
「何時でも操れます。」

「うむ。」
「早速、思念体=ゴースト体が観ているものを映し出せ。」

衛士は空間モニタにセシル=メルダの観たまんまを映し出した。

「……ん!?なるほど。」アベルトは納得したようだった。
「あのメルダの着ている服、あれはサーシャの服だな。」
「メルダは変装してるのか。ならばスターシヤもサーシャも無事だという事だな。」
「それと、同じ部屋に居るあの女が我々を強襲した黒幕か。」

「タラン。宮殿の裏側の海に着水せよ。このまま、イスカンダルがジャンプアウトする場所まで運んで貰う。」空間モニタを観ながら命じた。

同じ頃_。

地球を飛び立ち、火星と木星のほぼ中間点を航行する宇宙戦艦ヤマト。
そのヤマトはアステロイドベルト宙域に到達した。
この宙域は国連宇宙軍創立以来、艦隊訓練や開発兵器などのテスト場として、演習の場所とされて来た。
今回、宇宙戦艦ヤマトとクルーたちの訓練がこの宙域で行われていた。

古代の艦長としての"見極め"も同時に行われる。
小惑星郡を敵に見立ての訓練が開始された。

「ヤマト前方12時の方向より敵艦隊!」
「距離32.000!艦艇総数50!」
「艦載機を発艦したもよう!総数20機!」コスモレーダーを見張る森雪が告げて来る。

「うむ。全艦。第一級戦闘配置!」
「砲雷撃長以下、CICクルーは移動せよ!」

「了解!」

「相原、太田、桐生はサポートに入れ!」

「ビシュ!」乗馬用鞭が唸った。
「遅い!古代艦長。サポートクルーは戦闘配置と同時に第一艦橋へ呼んでおかないとね。」軽く右の口角を上げ、監査官を勤める鹿嶋さとみ准将が注意を促した。

「ハッ!申し訳ありません。」

「此方、CIC!敵艦隊との距離20.000!」

「うむ。コスモタイガー隊を発艦させ、砲雷撃戦よーい!」

「CIC、了解。」





「此方、第二攻撃機隊隊長:山本!敵機を捕捉!」
「これより、攻撃に入る!」

「此方、ヤマト。了解した。」


「CICより、各砲塔へ艦砲射撃よーい!」
「コスモタイガー隊の離脱と同時に撃て!」

「第一、第二主砲、射撃準備よし!」

「第一、第二副砲射撃準備よし!」

「第三主砲射撃準備よし!」

「バルスレーザー砲射撃準備よし!」

「敵艦艦載機と航空隊の交戦を確認!」
「敵艦隊との距離10.800!」

「敵、ミサイル郡、急接近!」
「左舷に二発(ふたはつ)直撃!」

「ダメージコントロール急げ!」

「第一、第二主砲、射撃開始!」

「ん!?」
「艦橋より、CICへ!」
「まだ、航空隊が離脱していない!撃ち方止め!」




目まぐるしいくらいに指示、命令が飛び交う。
これまでとは違うやり方に古代をはじめとするクルーは、何処かぎこちなくミスを連発した。

「古代艦長。訓練を中止。三分後、長官室へ。」

「了解。」


臨時に艦橋後部の展望室を長官室として使用している。
古代は船務長に引き継ぎを済ませ、長官室へ足を運んだ。

「古代艦長。味方を殺す気ですか?」
「あの第二攻撃機の隊長はエースパイロットで、瞬時の判断と的確な指示で幸い航空隊には被害が出ませんでしたが。」
「もしかして、艦長は、火星出身の彼女が嫌いですか?」

「いえ、それはありません。」

「そうですか?貴方の目の前の口うるさ女も火星出身。煙たいのでは?」

「お言葉ですが、自分はそんな考えを今まで持っていた事はありません!」
「ムッ。」とした顔を覗かせ、きっぱりと否定した。

「あら、それなら良いわ。」
「でもね。連帯感を強化が課題ね。」
「古代艦長。腕立て伏せを三回、して頂くわ。」

「三回ですか?」

「そう。三回。私が数えます。」
「1で、肘を曲げ、2で、肘を伸ばし、3でまた、肘を曲げる。」

「ほら、早く腕立て伏せの態勢を取りなさい。」

古代は腕立て伏せの態勢を取り、カウントを待った。
30秒が過ぎたくらいで漸くカウントが始まった。

「1。」古代は肘を曲げたまま次のカウントを待った。
額に汗が滲む。
腕が「プルプル」と震えはじめた。
しかめる顔を覗かせ、鹿嶋の顔を見上げた。

「あら、苦しそうね。」
「良いわ。2、3。」古代はカウントに合わせ、腕立て伏せをやり遂げたが少しの間、立ち上がる事が出来なかった。

「だらしないわね。艦長殿。」と、へたばる古代の顎に靴先を当てた。

その時であった第一艦橋から緊急コールが飛び込んだ。

「……艦長!これを!」

古代はその言葉が終わる前にメインモニタを見詰めた_。

「こんなにワープアウト反応の数値が高いのははじめてです!」
「数値からして惑星クラス!」
「…あり得ません!」




第二章:第三話へ
つづく。

この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー》の二次創作です。
もしかしたら、永遠にまでを含めた「起承転結」の四話(四章)に構成されるのかもと思い書いてみました。

使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。拾い画を使用しています。

宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー第二章

2020-04-20 02:45:00 | 宇宙戦艦ヤマト2205新たなる旅立ち



宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー

第二章:第一話◇ゴーストリンク◇


暗黒星団帝国マゼラン銀河方面軍副司令ギアナ・メルダーズは、崩壊するガミラス星を見ながら高々に笑った。

「やってくれたね。デスラー!」手にするワインを「クイッ。」と一気に飲み干した。
「ワープ開けが楽しみだよ。」
「ワープ開けと同時にデスラー、お前を始末してやるよ。」
ギアナは空いたワイングラスを壁に叩きつけた。


追走するデスラーは感応波増強ゴーストリンクシステム機を用いてセシル・マーリャのゴースト体を送る事にした。
送り先はイスカンダルに衛士と派遣されているメルダ・ディッツとした。

これにはデスラー成りの思惑がある。
媒体であるセシル・マーリャは元側近であったミーゼラ・セレステラのD.N.Aから造り出したクローン体に更に人工的に手を加えた人工生命体。
そのセシルから送り出される感応思念体=ゴースト体は、ミーゼラ・セレステラの思念体である。
メルダならミーゼラ・セレステラを知っている事から思念体の送り先はメルダとしたのだ。

ミーゼラのD.N.Aを元に侍女をベースに造られた人工生命体=セシルは、投与された薬や感応波を強制的に増大させたなどの副作用で容姿や肌の色などは異なる。

「衛士=旧侍女。ゴーストリンクの準備を。」

「…総統。その少女は?」
衛士たちがゴーストリンクシステム機の準備を整えている間、ブリッジに顔を出したセシルを見たタランは目を丸くした。

「この娘はセレステラの生まれ変わりの娘だ。」

「…ミーゼラ・セレステラのでありますか?」
「その生まれ変わりの娘で何をやろうとしておられるのです?」

「簡単に云えば感応波による調査だ。」

「感応波…でありますか?」

「そう。感応波だ。まぁ。これは私がガトランティスに囚われていたと云うか、利用していた時に私の監視役として乗艦していたガトランティス将校が行った策でもあるのだが。」
「この娘、セシルの感応波によって作りだれた思念体をある人物に憑依させ、その人物に我々の眼に成って貰う。」
「おそらく我がガミラスを我々を強襲した敵は、イスカンダルも占拠している。」

「…特使のメルダ・ディッツ少佐。でありますか?」ハッ!とした顔を覗かせ、告げるタラン。

「ご名答だ。」
「まぁ。君は見ていればいい。」
「それよりはイスク・サン・サン宮殿の裏側の海に着水する準備を全艦隊に出せ。」

「ザー・ベルク!」

【セシル・マーリャ】

年齢は地球人に換算して13歳相当。
ミーゼラ・セレステラのD.N.Aから産まれたクローンと侍女を媒体に人工的に造り出した(産まれた)人工生命体。
ミーゼラ・セレステラのD.N.Aから産まれたクローン体を利用しているが、投与された薬や感応波を強制的に増大させたなどの副作用で容姿や肌の色などは異なる。
髪は銀髪。肌の色は地球人の白人系に近い。
非常に強い感応波を持つ。
デスラー直轄の特務隊の一人で特に階級は与えられてはいなが、上級士官クラスの権限を与えられている。
特務隊ワッペンと特一級デスラー十字章を左胸に付けている事で、権限を表している。


「総統。ゴーストリンクの準備、完了しました。」

「うむ。セシル。たのだよ。」

「ガーレ・デスラー。」セシルは左手を肩の高さで、手の掌がデスラーに向くように垂直に上げ、返答した。
第二ブリッジへ降り、戦闘機のコックピットのようなゴーストリンクシステム機に身体を沈めた。
透明なキャノピーのようなものが閉まる。
セシルは身体の両脇にある球体に手の掌をあてがい、瞳を閉じた。
メディカルモニタを覗き込む衛士はインカムを通し、開始の合図を送った。
メディカルモニタの脇のもう一台のモニタに感応波を可視化したホログラムが映し出された。


【セシル・マーリャ】






第二章:第二話へ
つづく。


この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー》の二次創作です。
もしかしたら、永遠にまでを含めた「起承転結」の四話(四章)に構成されるのかもと思い書いてみました。

使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。拾い画を使用しています。