鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

サーシャを継ぐ者ー宇宙戦艦ヤマト2202ー二次創作:第二話

2019-01-30 16:40:31 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作


ーサーシャを継ぐ者ー
宇宙戦艦ヤマト2202
スピンオフ二次創作

第二話


澪の乗るシュヘラザードが、ガトランティス亜空間潜航艦リヴァイアに拿捕された事など、知る由もない調査チームはプラネット・アケーリアス・イレブンの僅かな緑生い茂る大地に降り立つ。



「古代さん。なぜ私をパイロットに?」

玲はクラウス・キーマンか前回同様に、同じ航空隊の沢村が抜擢されると思っていた。
全員がキ・8宙艇:コウノトリから降り、背伸びをするように二歩、三歩と歩き出し、玲が質問した時であった大きな地震が調査チームを襲う。

「えっ!何ッ!」

「きゃあああ!」

其々が姿勢を低くし、揺れが収まるのを待った。
しかし、調査チームたちの目の前に大地から突き出るように生える樹齢何百年いや、何千年とも思える超が付く程の大木が、根元から折れ分断される調査チーム。
古代と山本そして、森雪、松井、木村の二名と三名に別れてしまう。
急なの出来事に戸惑う二班のメンバー。
だが、無線機は通じるようで木村は持参した無線機でヤマトとコウノトリで待機するアナライザーを呼び出した。
呼び出されたアナライザーは調査チームの救助へ向かった。

「ワタシの出番ナノダ。」

「ジャジャァーン!!」
「アナライザー参上!!」

「アナライザー!!バカやってないで早くこの大木を退かして!!」
玲はヒーロー気取りのアナライザーにキツイ口調で、瓦礫の撤去を命じた。

「森船務長ヨリ怖いカモ。」

「アナライザー。なんか言った!?」

「いえナニモ……」

アナライザーは指先に仕込まれた熱線を利用して、無言で倒木した大木を刻んで行く。
そんな中、山本は倒木した超大木の根元に、人が通れる位の穴を見付けた。

「古代さん。ちょっと。」
玲が呼んだ。

振り向く古代は、手招きする玲に誘われるように歩き出した。

「どうした山本?」

「ここから奥へ入れそうですよ。」
玲は穴の奥を指さし、奥を覗くように促した。

「ピカッ。」と一瞬、何かが光った。

「山本。君も見たよな。」
「今、何かが一瞬だけど光ったよな。」

「ええ。確かに。」

古代と山本は互いを見つめ、確認するかのように縦に首を振り、頷いた。
二人とも、興味津々の子供のように目を輝かせ足を踏み出しだ。


◆◆◆◆◆


《亜空間潜航艦リヴァイア:コマンダー》イメージモデル

一方、拿捕されたシュヘラザードは、リヴァイアのコマンダーたちによって制圧された。

「ゼーラ大佐。イスカンダルの船の制圧を完了。」
「乗っていたイスカンダル人を確保。」

「うむ。」
「一人はその船に残り、捕らえたイスカンダル人に成りすまし、もう一人はイスカンダル人を連れて帰投せよ。」

「ラジャー。」

《シファル・サーベラー直轄特務部隊:亜空間潜航艦リヴァイア艦長ゼーラ(大佐)》イメージモデル

「これでヤマトを沈め、あのイスカンダルの王妃を捕らえたと成れば、中枢部の幹部として迎えて貰えるだろう。」
そうゼーラが、心に秘めた時であった慌ただしく報告が飛び込んできた。

「地球の戦艦をキャッチ!!」
「亜空間レーダーに捉えた!」

「何ッ!?」

「囮のデバステーターを発艦!!」
「我が艦(かん)の姿を隠せ!!」
「急速潜航!!次元ベント開け!!」
作戦行動に入ったガトランティス亜空間潜航艦は囮機を発艦させ、次元空間へ潜航、通常空間から姿を消した。

《亜空間潜航艦リヴァイア》イメージモデル



《量産型戦闘艦ドレッド・ノート級グリフォンイメージ画》

月面基地:北米管区:防御宇宙海軍からヤマト護衛として、「量産型戦闘艦ドレッド・ノート級グリフォン」が派遣されていた。
これは、テレザート攻防戦で、辛うじて勝利したヤマトが得たガトランティスとテレサの情報を持ち帰らせる為また、散漫ではあるが、土星圏付近にガトランティス艦隊が頻繁に出没する事から、単艦で太陽系土星圏までの航海は、極めて危険であると判断した藤堂長官が、北米管区に打診、援軍という形で護衛の任務に着かせたのである。

「アレキサンダー艦長!」
「ガトランティス艦載機、四機急接近!!」
慌ただしくグリフォンレーダー士が報告した。

「何ッ!?」
「ガトランティスこんな所にも潜んでいたか。」

「相手は艦載機四機です!大方、戦闘中、母艦が沈み還る場所を失い潜んで救援を待っていた。」
「そこへ我々が救助よりも先に現れてしまった。そんなところでしょう。」
グリフォン船務長が告げた。

「よし。」
「船務長。全艦戦闘配置!」
「対空戦闘よーーい!!」

「艦長。椎名隊を出しますか?」

「いや、今、発艦体制に入れば、やつらはそこを突いて来る。」

「対空ミサイルと近接用パルスレーザー砲で射ち墜とせ!」

三分と経たずに四機のデバステーターを墜としたグリフォンのレーダーは、新たにヤマトとシュヘラザードを感知した。

「艦長!ヤマトを感知!」
「それともう一つ、地球の宇宙船とは異なる船を感知!」

「別の?」
「先ほどの回収艇か?」

「いえ、ガトランティスではありません!」
「い……イスカンダルの宇宙船です!」

「イスカンダルの宇宙船?」
「で、ヤマトは何処に?」

「はい。ヤマトの反応はあの惑星からです!」

「よし。船務長、ヤマトに連絡を!」


第三話
つづく。


使用している画像はイメージです。
一部、ネット内に出回っている拾い画像を使用しています。

この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。

サーシャを継ぐ者ー宇宙戦艦ヤマト2202二次創作ー第一話

2019-01-30 01:39:02 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作


ーサーシャを継ぐ者ー
宇宙戦艦ヤマト2202
スピンオフ二次創作

第一話


ー西暦2202年2月ー


天の川銀河外洋
プラネット.アケーリアス.イレブン

宇宙戦艦ヤマトは惑星アケーリアスの第十一番目の衛星と言い伝えられる"プラネット・アケーリアス・イレブンに応急修理と補給の為、立ち寄っていた。
テレザート星でのゴーランド艦隊戦・ザバイバル駐留軍との激闘と戦闘に次ぐ戦闘で、ろくな修理も補給もままならないまま、地球防衛艦隊との合流を目前にしていた。
だが、波動エンジンが悲鳴を上げていた。
クラウス・キーマンの仕掛けた"反波動格子が悲鳴の原因の一つではあるが、その他にも、地球を万全な体制で発つ事が出来なかった事が、大きかった。
食料の原材料も底をつき掛けている事もあり、急ぎの航海ではあるが、"急がば回れ"と先人の古事に習い、立ち寄る事にしたのだ。

かつてこの宙域には"アケーリアスの太陽系"が存在したとクラウスからの情報を元に、近傍空間を探査、プラネット・アケーリアス・イレブンが最も地球に近い大気を有する惑星である事が解り、立ち寄ったのだ。
既に寿命が尽きる段階に入った年老いた惑星であった。
大気圏を突入すると、眼下には広大な海が飛び込んで来る。
大陸の八割は海に水没したのだろう。
一見、島に見える場所でも、その先を追えば大陸だったと解るくらいに水は透明度があり、透けて見えた。

「これより、着水に入る。」
「各部、姿勢制御スラスター点火!
ヤマトを操艦する北野が告げて来る。
航海長島と航海士太田は、修理と補給後の航路補正などのブリーフィングで第一艦橋を離れている。
その為、航海科も受講している北野が舵を握っていた。





「補給調査メンバーは第五格納庫へ。」
艦内アナウンスは森雪の交代要員の西条が行った。

森雪は今回、主計科長の平田の代わりに、補給調査メンバーとして上陸する事となったのだ。
平田は大が付く程の蟲嫌いである。
イスカンダル航海時に立ち寄った惑星ビーメラで、ムカデに似た巨大生物に遭遇、それがトラウマと成り、船務長である森雪に頭を下げたのだ。
森雪にしてみれば、調査チームリーダーの古代と行動を共に出来ると、願ったり叶ったりであった。

第五格納庫。
そこは、今ではヤマトのクルーなら誰しもが知っているが、三年前ガトランティスと遭遇し、「薄鈍色」の虚空間=(シャンブロウ)へ迷い込む事がなかったら、ほとんどのクルーは格納庫の存在すら知らなかったなであろう格納庫である。
そして、その第五格納庫には虚空間で活躍した「キ8型:試作宙艇」通称:「コウノトリ」が収納されている。
調査メンバーは虚空間調査の時とほぼ同じだが、パイロットとして同行するメンバーが航空隊の沢村から山本へ変更され、新見と桐生の代わりに同じ技術科の松井が加わり森と森のサポートとして、主計科から木村英樹これにアナライザーが加わる。

「第五格納庫、ハッチオープン!」
「オールグリーン!テイクオフ!!」
操縦悍を握る山本が告げて来る。

機体固定ハンガーから切り離されたキ8型宙艇はプラネット・アケーリアス・イレブンの大地を目指し、ゆっくりと降下して行く。


◆◆◆◆◆


古代たちが調査へと向かう同時刻、同プラネット・アケーリアス・イレブン沖に地球へ向かう一隻の恒星間航行宇宙船の姿があった。
それはイスカンダルの恒星間航行宇宙船シュヘラザードであった。

《サーシャ・澪・イスカンダル》イメージモデル
※古代進の兄、守とスターシャの間に産まれた娘。

「イスカンダルを旅立って三ヶ月かぁ。」
「長かったなぁ。伯父様(古代進)は驚くだろうなぁ。」

「私は今、地球を目指しています。」

「そう。私のお父様の故郷である地球。私にとって伯父様にあたるお父様の弟、古代進さんに会うために。」



だが、そんなシュヘラザードを付け狙う亜空間に潜む艦(ふね)があった。

《彷徨う死神》と異名を持つ亜空間潜航艦の部隊である。
テレザート星にてヤマトに壊滅させられたゴーランド艦隊とザバイバル駐留軍の代わりに、白銀の巫女:シファル・サーベラーが直轄の部隊をヤマト討伐に派遣した特務部隊である。

「サーべラー閣下。どうやらヤマトはプラネット・アケーリアス・イレブンに降り立ったようです。」
「焙り出しますか?」
通信用映像回線で会話する亜空間潜航艦リヴァイアの艦長ゼーラはサーベラーに伺いを立てた。

「そうだな。我ガトランティスをなめた代償は高くつく事を思い知らせてやれ。」

ゼーラが伺いを立てていた時であった割り込むようにレーダーオペレーターが慌ただしく告げた。

「ゼーラ艦長!」

「何事か!サーベラー閣下と対話中であるぞ!」

「同宙域に亜光速で飛翔する物体をキャッチ!!」
「識別からしてイスカンダルの船です!!」

「何ッ!?イスカンダルの船だと!」



「ゼーラ艦長。ヤマトを潰す絶好のチャンスという訳だ。」
「焙り出すのは後回しにし、イスカンダルの船を拿捕せよ。」

「御意!」
ゼーラはホログラムに片膝を付き、深々と頭(こうべ)を垂れた。



突然、シュヘラザードのコックピット内に響き渡る警報。
その警報と同時にシュヘラザードのマザーコンピュータ:サラのホログラムが浮かび警告した。

「サーシャさま、何者かにロックオンされました!」
「コレカラ防御体制に入りマス!」
「サーシャさまはシートに腰掛け、セーフティベルトを装着してクダサイ!」

「えっ何!?」
「ロックオン!?」

プラネット・アケーリアス・イレブン宙域に到達した澪のシュヘラザードは、突如、姿なき謎の物体にロックオンされてしまう。
あわてふためく澪のシュヘラザードは速度を亜光速限界速度まで上げ、謎の物体を振り切ろうとしていた。
だが、シュヘラザードのコクピット内は激しく警戒アラームは止まらない。
澪が窓の外、後方を覗き込むように見た時であった、シュヘラザード後部に光り輝くエネルギー弾が命中、激しく揺れるシュヘラザード。
澪は床に叩きつけられるように投げ飛ばされてしまう。

「サーシャさま、お怪我は?」
「スミマセン。次はカワシマス!」

「アッ!」

だが、シュヘラザードの速度は落ち、やがて慣性航行速度にまで落ちてしまう。
澪は救難シグナルを発信させ、コクピット後部にあるコンテナ室に身を隠した・・・


第二話
つづく。


使用している画像はイメージです。
一部、ネット内に出回っている拾い画像を使用しています。

この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。

白銀の巫女ー桂木透子ー宇宙戦艦ヤマト2202外伝ー第三十四話

2019-01-28 15:38:17 | 宇宙戦艦ヤマト2202外伝



ー白銀の巫女ー桂木透子ー
宇宙戦艦ヤマト2202外伝

第三十四話


惑星イスカンダルのマザーの海に着水するシュヘラザード。
何も知らずユリーシャとメルダは、接岸される時を待っていた。
イスカンダンダロイドが数体、横一列に並んだ。
シュヘラザードのコックピット=(ブリッジ)部分の遮蔽シールドが、パネルをめくるようにパタパタと開いてゆく。
イスカンダルに降り注ぐサレザーの太陽光が、マザーの海の水面に乱反射する。
船外タラップが降り、エスカレーターのように動き出す。
メルダが先頭で先ず一歩を踏み出し、タラップの踊場に身を退いた。
腰から上を約15度に曲げ、ユリーシャがタラップに乗ると同時に気をつけての姿勢に戻り、ユリーシャに続くように、一歩踏み出した。
乱反射する太陽光に眩しさを感じたユリーシャは額の辺りに手の掌をあてがった。
ユリーシャが接岸されたマザーの港に脚を一歩踏み出すタイミングで、横一列に並んだイスカンダロイドが左右に別れた。

「オカエリナサイマセ。ユリーシャサマ。」
機械音声で告げるイスカンダロイドにユリーシャは笑顔を見せ、「ただいま。」と返した。
3~4秒開けてメルダが降り立つ。
二歩、三歩と歩いたところでユリーシャが足を止めた。
姉スターシャが視界に入ったと同時に笑顔のユリーシャの顔が曇った。

「貴様!」
ユリーシャが口を開く前に一歩後ろから歩くメルダが、口を開いたのだ。
メルダは腰に携帯するコスモガンを素早く抜くと、ユリーシャの前に立ち憚(はばか)るように、二歩前に立った。

「貴様!が何故、イスカンダルに居る?」

「これは、これは。イスカンダルの特使メルダ殿。」
「特使が険しい顔で、陛下の御前で使者に対して銃を向けるとは。」
ユリーシャとメルダの前に現れたハイドム・ギムレーが告げた。

「メルダ。銃を渡しなさい。」
ギムレーの横に立つスターシャが命じた。
悔しそうな顔を覗かせ、メルダは銃をスターシャに渡した。

「ギムレー殿。メルダに代わり、わたくしが謝ります。」
「御無礼を致しました。」
スターシャは頭を下げた。

「お姉さま……。」
思わず言葉を漏らすユリーシャ。

「ギムレー殿はわたくしが招いたガミラスからの使者です。」
「ガミラスを救う為、わたくしが招いたのです。」

「メルダ。貴女をイスカンダルの特使から解任します。」
「ガミラスにお戻りなさい。」

「メルダ殿。私の艦(ふね)で送ってあげましょう。」
そうギムレーがメルダに伝えた。

「そうして貰いなさい。メルダ。」

スターシャの顔を見つめるメルダの顔は何処か寂しげであった。
しかし、陛下であるスターシャから指示は、絶対である事からメルダは「はい。かしこまりました。」と即答した。
イスカンダロイドに付き添われ、メルダはギムレーが座乗して来た艦(ふね)へと向かった。
だが、これはハイドム・ギムレーが仕組んだ策略の始まりに過ぎなかった・・・





「……メルダごめんなさい…………。」


◆◆◆◆




「了解した。」
土方は声のトーンを落とし、メインモニタに映し出された芹沢軍務局長に返答した。
メインモニタに映し出された芹沢の映像は、土方の返答と同時に消えた。

「全艦に発令。」
「これより、宇宙戦艦ヤマトは単艦にて、特殊任務に就く。」
「地球・ガミラス連合艦隊は現時点を持って、火星圏絶対防御ラインを撤退した。」
「現在、月軌道上に再集結しつつある。」

「もう、我々には後がないと思え!」
「我々、ヤマトは連合艦隊の総攻撃を合図に超短距離ワープを慣行、白色彗星内にワープアウトと同時に"トランジット波動砲を発射、ガトランティス中枢部、都市帝国へ"無双的"=(特攻)攻撃を仕掛ける!」
土方は、言葉を濁して告げた。

「よって、生きて還れる保証は無い!」
「今から10分以内に退艦希望者は速やかに左舷第三格納庫へ集合せよ!」
「10分後に到着する護衛艦:不知火に移乗せよ!」
「不知火は、現在進行中のG計画を遂行するフィーニクスと合流する。」

「退艦は恥じではない!」
「G計画もまた、人類の明日(みらい)である。以上だ!」





「それが懸命であろう。」
私は、心の中でそう思った。

10分後、護衛艦:不知火が到着、ヤマト左舷側に横付けした。
退艦者は女性クルーが大半で、七割を占めていた。




第三十五話
つづく。


使用している画像はイメージです。
一部、ネット内に出回っている拾い画像を使用しています。

この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
一部、公式より引用。