鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

◇義手のエースパイロット◇宇宙戦艦ヤマト2199サイドストーリー

2020-05-07 23:37:00 | 宇宙戦艦ヤマト2199外伝

◇義手のエースパイロット◇
宇宙戦艦ヤマト2199サイドストーリー


国連宇宙軍開発部は長年、開発、研究、試作を繰り返し、ガミラス艦載機及び艦艇に対抗可能な、極めて高機動で攻撃力の高い駆逐戦闘攻撃機の開発に成功させた。
それは、後に発展系である通称コスモゼロ52型へと繋がる貴重で重要な機体である。

「天城二等宙尉。調子はどうだ?」
極東管区:富士航宙基地上空に浮かぶ艦(ふね)があった。
金剛型宇宙戦艦:榛名ーハルナーである。


【国連宇宙軍:極東管区宇宙艦隊第二機動戦隊旗艦:BBS552榛名ーハルナー】

「榛名ーハルナー」の進宙は西暦2171年で、艦橋砲や陽電子衝撃砲などは2190年代後半に「コンゴウ」「ハルナ」「キリシマ」の3隻に対し施された近代化改修で、対宙機銃もメ号作戦参加前に増設されている。

「BBS-552 ハルナ」以外にも「BBS-551 コンゴウ」「BBS-553 ヨシノ」「BBS-554 ミョウコウ」「BBSー555 キリシマ」「BBS-556 ヒエイ」「BBS-557 チョウカイ」「BBS-558 フソウ」の計7隻の同型艦が建造されたが、対ガミラス戦役の中、「ヨシノ」「ミョウコウ」「ヒエイ」「チョウカイ」「フソウ」の5隻が外惑星防衛戦、「コンゴウ」「ハルナ」の2隻がカ号作戦で失われ、2199時点で残存しているのは「キリシマ」のみである。

この物語はまだ、遊星爆弾攻撃がはじまる数ヶ月前の物語りである。

時に西暦2189年・夏_。

この榛名には沖田 十三の同期である土方 竜宙将が座乗している。

その土方の目に叶った元火星生まれで現在は極東管区宇宙軍:防空隊に所属する天城二等宙尉が、今回のテストパイロットに抜擢され、テスト飛行を行っていた。



天城 志鶴。

二等宙尉(中尉)。23歳。独身。

火星:アルカディアシティにて産まれる。幼児期に強制的に地球へ移住させられている。

高校を卒業後、極東管区宇宙士官学校へ入学。その後、"パワハラ的しごき"によって、利き腕である右手の神経を損傷、義手による生活を余儀なくされた。 パワハラ的しごきの原因は火星産まれである。俗に言う迫害である。 事態を重く見た当時、校長を務めていた土方は最新式の義手を彼女に与えた。 士官学校卒業までリハビリと課題をこなす日々を送り、晴れて卒業と成った。 第一志望である防空隊への配属も決まり、トップエースを目指す。 同期には加藤 三郎、篠原 弘樹がいる。

「この機体なら戦艦を仕留められそうです。」



「そうか。」土方は軽く口角を上げ、告げた。

天城は軽く流すように榛名のブリッジ横を通過、基本的な飛行テストからはじめた。

急上昇し急降下からのタッチアンドゴー、人工的に作り出した乱気流でのダッチロール立て直し、急加速から急制動を掛け、木の葉がヒラヒラと堕ちるような木の葉落としから急上昇をやってのけた。



「この機体はまだ、改・51型(彗星5型1号搭載機)で、現在開発中の新型52型エンジンより若干最大パワーが落ちるエンジンである。

「天城。まだ、やれそうか?」

「はい。」

「よし。陽電子カノンのデータを取る。」 「08:00の方向下に敵に見立てた標的があるのが、解るか?」

「確認。」

「うむ。はじめてくれ。」

「ラジャー!」

国連宇宙軍の廃艦処分と成った艦にガミラス艦の破片を張り付けた模擬艦が標的である。 この駆逐戦闘攻撃機:コスモゼロワンには、垂直尾翼が機体後方上部と下部に装着されているのが特徴の一つで、その下部の垂直尾翼には戦艦の装甲をもぶち抜くとされる陽電子カノンが一門装備されている。その他、コックピット後部に四連装12.0mm機銃座が装備されている。

「射線上に障害物の確認は認められない。」 「よし。SID(シド)。ターゲット、ロックオン!」

「ターゲットヲカクニン。イツデモ ウテマス。」

「ヴァシュュュュューーーッ!!」碧白い光弾と同時に55.0mmの薬莢が白煙と共にとびだし、落下してゆく。 真一文字に伸び陽電子ビーム光弾は標的に直撃、ガミラスマークの入った装甲材を貫通、その奥の廃艦の装甲も貫通、破壊した。

榛名のブリッジでは歓声が上がっていた。

「チッ。」 「あのテスト機、本来なら俺たちの隊長、加藤さんが乗るはずだたったのによぉ。」

「全くだぜ。火星人のくせによ。土方の校長もあの事故からベッタリだしよ。女の武器でも使ったか?」

ゲラゲラと皮肉混じりに笑うを加藤の後輩。

「お前らぁ!」 「何をダッセェ事、云ってんだよ!」叱責を飛ばす加藤に、身をすくめ持ち場に戻る後輩たち。

「義手とは思えない程、良い腕してやがるぜ。それにあの機体なら。」加藤がそう呟くのとほぼ同じくして、防空ラインを強襲、突破したガミラスのポルメリア級:強襲母艦一隻が姿を表したのだ。

緊急戦闘配置に入る榛名。 だが、ポルメリア級の攻撃体勢は整っていた。艦底部に装着された主砲にエネルギーが集約された。 誰もが榛名への直撃は間逃れない、いや轟沈もあり得ると見守っていた。

「くッ!防空隊は上がらんのか?」

その時であった太陽を背にしたコスモゼロワンが陽電子カノンを喰らわせた。 歓声が上がる中、天城はクールダウン飛行に入り、榛名に帰投、収納された。 土方が久しぶりに観た天城の笑顔があった_。

~fin~

この物語りは私設定が混ざった宇宙戦艦ヤマト219のサイドストーリー(二次創作)です。
使用している画像はイメージです。
「宇宙戦艦ヤマト2199」から引用、使用しています。(一部の画像を除き)

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