ナベッチーのエンジョイライフ

他人様からすれば他愛もないことでも、記憶にとどめておきたい事、感動したスポーツ、本、映画などを思いつくままです。

銭金について(車谷長吉)  思い出のむこうへ (小澤征良) 

2011-04-22 10:28:51 | ブック(記憶に残したい本、文章)

 銭金について(車谷長吉) 著者の嫁さん(詩人高橋順子)は、車谷長吉について、“私はあなたと所帯をもって6年余りになりますが、あなたが、いかにおしゃべりで、強欲で、因業な性格の人であるかがよくわかりました”と評した。その因業の人が、『人が癇立てて怒り、「銭金の問題じゃねえだろっ。」 と言うときがある。では、何の問題か、言うと、怒っている当人の自尊心(虚栄心)が傷ついたとか、どうとかという問題か、あるいは、こちらの倫理的な落ち度を責め立てられているという出来事であって、併しことの発端は銭金の問題であった。』 と、記した。 「金色夜叉」の話題もあり、また、関係のある知り合いが、同じ会社の同僚にプレゼントした、1000万円の宝くじに当たり、一悶着した話など銭金にまつわる、悲喜こもごもの話しなどである。銭金の話とは別に著者の俳句も面白い。「嫁はんに 癖なじられて 朝寝かな」 「嫁の足 吾が足圧おさえ 春炬燵」「元旦や 我れの因業 底深し」「風ある夜 足袋はいたまま 姫始め」 「唇を噛む 我の手に 茱萸(ぐみ)赤し」など私小説家らしい、俳句である。

思い出のむこうへ (小澤征良) 車谷長吉とはガラリと違い、清純なエッセーである。第一作目の「おわらない夏」の著者のインタビューで彼女の人となりはわかる。

 YOU-TUBEは、父親小澤征爾のラディキィー行進曲

http://www.youtube.com/watch?v=tHaHK3TpiCQ&feature=related

http://www.s-woman.net/seira/vol2.html