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ウサギ・ミステリー

2005-10-12 22:43:23 | 動物記
牛乳を取りに来たNちゃんが「前の教室にウサギがいる」と教えに来てくれた。
「玄関開いてた?開いてれば入ってもおかしくないけどね。だってピーターとフロプシーは放し飼いだからね」
ピーターは三毛、フロプシーは薄いグレイのミニウサギである。ミニといっても普通のウサギよりひとまわりしか小さくはない。
「玄関は閉まっていた」
「えっ、じゃぁどこから入ったんだろう」

玄関を開けるとネコのリビアが出てきた。
「ウサギは?」
「そこ」と指差す方を見ると、流しと戸棚の間に向こうを向いて小さくなっているグレイのウサギを発見。
「なんだフロプシーだよ。どうして入ったんだろう」と言いながら抱き上げると、実に大人しい。
うん?フロプシー、こんなに白があったかな。よくよく見ると額も白くわれている。フロプシーじゃない。これはウチのウサギじゃない。でも、こんなに大人しく抱かさっているから、このウサギは飼われていたウサギだ。

1匹ぐらい増えたってどうってことない。とりあえず8匹の集団の中に入れる。前捕まえたウサギはそうしていたから。はじめは小さくなっているがすぐなれた。ちょっと双方とも大きいが、ウサギはいじめはしないだろう。新参者は身を硬くしてじっと隅に固まっている。かわるがわる他のが臭いをかぎにくる。そのうち集団が怒涛ボごとく、檻の中を駆けずり回り始めた。新参者の背中を蹴飛ばしてまわる。新参者はさらに身を硬くして隅にじっとしている。

朝、まだ新参者はじっとしたまま。仕方がないので新しく小屋を作ってそちらに移した。しかし一晩よほど怖かったと見えて、回復しない。えさも食べないし、水も飲まない。Papasanが抱いてやると目を細めてだかさっている。名前はハチわれだから「エイト」にするか。

ウサギ推理:

先ず、ウサギが教室に入れるのは・・ネコがくわえて入れたか、人間がいれたか、である。子ウサギならネコがくわえて入れることは出来るが、ネコとほぼ同じのこの大きさでは無理。ということは人間が入れたことになる。

ではウサギが自分で入れたかどうか。玄関のドアが開いていれば、入ることは可能である。しかしネコ通路のために側面の網戸が細く開いているに過ぎない。そこまでは1mくらいの高さがある。ウサギは自分で飛び上がって、ましてや細い窓の隙間から入ることはない。もしネコに追われたとしたら、ウサギの習性として、地下にもぐるだろう。縁の下は入ることが出来る。ということはこれまた人為説に傾く。

このウサギはもともとウチのウサギの一匹で、人の目につかずにここまで育ったのではないか。これはありうる。しかし、地下で育った子ウサギたちはどのウサギも人間を恐れた。親が人間になれているのだから、ほっとけば慣れるだろうとタカを食っていたら大間違いだった。自然のままでは、人になつこうとはしなかった。捕まえるのには苦労した。いまでこそ檻の中で、毎日エサを貰っているから、人間になれたし、人の手からケーキを喜んでもらうようにはなったが。それでも一番最後に捕まったのはまだ手からケーキを貰おうとはしない。「田舎もの、ケーキの味をしらないんだな」なんて言っている。
ということは、人間を信頼し抱かれなれているのは、目につかなかったウサギではない。

ウサギはいつ教室入ったか。
私は午前中は小田原まで出かけていたが、午後には帰ってきてずっと家にいた。Nちゃんがウサギが要ると知らせに来たのは4時半ごろ。N[ちゃんはリビアがウサギの臭いをかいでいたので気がついたのだそうだ。糞もないし、猫がいたぶった様子もない。とうことは長いこと教室にいたのではなさそう。だれかが入れて行ったとすると、短い時間のウチだ。しかしここに動物がいることを知っている人でなければこんなことはしないだろう。ちょっと気持ちが悪い。

犬がいるのに。そうだ。犬は犬が苦手なガスやさんはしまっておいてくれと電話があったので、閉じ込めていたのだった。その後にNちゃん、そしてウサギを抱いている間に、もう小学生たちがやってきた。

もしかしてだれかがこのウサギを保護して、我が家のウサギだと思って置いていったということも考えられる。しかし黙っておいては行かないだろう。ふむふむ??

ウサギが口をきけたらな。ネコでもいいんだが。

推理を終えて、ウサギを見に行くと、固まったままだ。抱き上げるが元気がない。このままでは死んじゃうかも、と家に連れてきた。よくよく見たが、外傷はない。ショックかなぁ、と携帯用の箱に毛布を敷いてホカロンを温めていれ、そっとのせておく。

12時、ウサギがかごの中で激しく暴れる音がした。元気になったのかなとのぞくと横になったまま。苦しいんだな、となるとどこか悪くしてしまったのか。音が2回。そして静かになった。ウサギはあの世へ、ミステリーを残したまま、旅立ってしまった。

コメント
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