蒲田にある大田区民ホール、アプリコ大ホールで上演された歌劇「ノルマ」を見てきた。演出も効果もドラマチックに構成されていて、すこぶるたのしかった。
蒲田という駅は降りたことはあまりないが、駅近くに区役所や区民ホールなど公の施設が集まっていて便利。区民ホールも駅から歩いて数分のところにある。アプリコ大ホールはフローリングでシンプルだが、音響はよい。私達の席は二階の前面だったので、なおのこと、よく響いた。
「ノルマ」はベッリーニの作。一般にはあまりなじみのないオペラだが、名作として名高い。「清き女神よ」はマリア・カラスがアリアの中でも一番難しいといったそう。今回のノルマは林康子さん、素晴らしいソプラノでした。
小田原でこういうオペラの上演を見たいけど、城下町ホールは期待薄。ホールは南足柄の方がいいかも。6時過ぎ、オペラに満足して、お客は三々五々、夕食の場を探してレストランになだれ込んでいる。私達も探して数軒まわった。ちゃんとしたホールで素敵な公演が出来れば、こういうおまけもついてくるのにね。
「魔法のカクテル」
ミヒャエル・エンデ 川西芙沙訳 岩波書店
「モモ」や「はてしない物語」あたりはよく集めて読んでいた。あとがきを読むと、この作品は「モモ」や「はてしない物語」から10年後の作品だそうだ。二階へ行ったら、娘の本箱にこれがあったので、エンデにこんな作品があったの?と持ってきて読んだのだった。 おもしろかった。
筋書きはいたってシンプル。大晦日の夜、悪魔と契約をした魔法師と魔女が、契約中に行うべき悪を履行していなかったことで、総決算を迫られる。こんなところはファウストみたいだ。そこで地獄行きを逃れるために、二人で魔法のカクテルをつくって、世の中を悪でいっぱいにしようと計画する。上手くいけば、地獄の使者に逮捕されずにすむ。カクテルの名前はジゴクアクニンジャネンリキュール。
大晦日の晩、新年を迎える前に、このカクテルを飲みながら韻をふんで願い事を唱える。すると願い事と逆のことが現実にはなる。それには証人が必要。証人には魔術師達が、世の中をよくする願い事を唱えているように聞こえるし、と偽善者そのもの、しかし実際にはその反対の悪が世の中に満ち満ちることになる。
証人になる二人は猫とカラス。魔術師と魔女の話を盗み聞きした2匹がこのたくらみを阻止しようと動く。魔女と魔術師がカクテルを作る作業を描く一方、二匹が聖堂の鐘を何とか早く鳴らして、魔術師達のたくらみをつぶそうとする。話はこれだけ。
計画を阻止するために二匹は新年の鐘を少しでも早く鳴らそうと、聖堂の鐘つき堂へ上っていく。二匹を助けたのは聖ジルベスター(大晦日)、話を聞いた聖ジルベスターは鐘のかけらをカラスにくれる。結局カラスが隙を見て、そのカクテルに入れることに成功する。
二匹の証人を前に、魔術師と魔女は交互にカクテルを空け、願い事をする。「公害なんかなくなっちまえ」とか「戦争なんかこの世からなくせ」・・とかそんな奇麗事を並べる。もちろん本心は逆のことを願っている。魔術師と魔女はカクテルでへべれけになっているので、その願いが外の世界で実現したかどうかはわからない。酔っ払っらった魔術師達には身近なものに願いをかける。二匹の証人、年寄りのリュウウマチもちのカラスがきれいに丈夫になるように、でぶっちょ猫にはスマートで美しい声になるように、すると二匹は願いどおり素敵な二匹になる。あれれれ。次に魔術師達はお互いに魔法を掛ける。すると二人とも若々しく、しかも優しい人間になってしまう。まずい!逆魔法が効いていない。最後の一杯で元の自分達に戻るが、二人とも酔いつぶれて寝てしまう。そして新年の鐘。
時間切れで地獄の執行人が現れ、酔いつぶれた二人を地獄へ連行していく手はずをとる。
素敵な声になった猫がうたう「終わりよければ全てよし」
◇教えてもらった:
Der Wunschpunsch が原題で、ヴンシュプンシュ、希望のかなうフルーツポンチというくらいの意味,だけどこれも掛言葉、おもしろい。
Der satanarchaeoluegenialkohoellische Wunschpunsch が「ジゴクアクニンジャネンリキュール」かな、ザターンアルヒェオリューゲニアルコーリッシェ、ヴンシュプンシュ って読むんだろうなぁ、
satan, archaeologie, luegen, alkohol ae , ue , oe, はそれぞれ a,u,o, の上に点々が付く。
サタン、考古学、嘘、アルコールを繋げた掛言葉的造語だけど、
よく聞くわけの分からないラテン語の病名みたいでおもしろいよね。。
サタン的インチキ考古学のアルコールフルーツポンチ、ってなとこかしら、、
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10月27日、今朝見たときはこれ。
28日、深夜、のぞくととこうなっていた。体長は50mm。
もう一匹も枝に頭をのせている。もうじき、蛹になるのかな。なんともユーモラスな表情だ。むしろ可愛いよ。
新しい葉っぱを入れてやったら、なんと緑の舌を出した。こんなの初めて見た。
註:専門家に聞いたら、なんとこの舌のような部分が頭になるところだそうだ。大事な頭は中にしまってあるのかも。そして目に見得るのも実際は模様なのだそう。ひゃ~、それにしても基本的なことをまったく知らない。蝶の本を買ってこよう。
参考: http://www.pteron-world.com/topics/anatomy/larva/larvahead.html
蛹になりつつある二番目の口元を撮ってみた。白い顎下の緑の丸いところがこの突起みたいだ。もしかしたら、その下が口なんだろうか。
10月30日
変身した。でも蛹の下にぶら下がっているものは何だろう。脱皮したのかな?なんせ蝶の幼虫を飼育するなんて初めてなので、不思議なことばかり。
註:やはり脱皮した殻なのだそうだ。脱皮した殻は青虫の時は自分で食べてしまう。さなぎになるときだけは食べずに残していく。それがこのぶら下がっているものだそうだ。青虫の時も、目の部分は堅いので残してあるとか。見てみたいものだ。